光学機器大手「オリンパス」の損失隠し問題で、同社が損失の穴埋め工作に使った国内3社の買収にあたり、東京都内の公認会計士が行った企業価値の試算を参考にして、破格の買収価格を決めていたことが分かった。
証券取引等監視委員会と警視庁は、公認会計士の試算も過大だった可能性があるとみて、会計士とのやり取りなどの詳しい経緯を解明する方針だ。
オリンパスは2006年~08年、資源リサイクル会社「アルティス」(東京都港区)と調理容器製造販売会社「NEWS CHEF」(同)、健康食品販売会社「ヒューマラボ」(同)の3社を買収。これらの買収資金の一部は、オリンパスが1990年代から抱えていた有価証券投資などの失敗による損失穴埋めに流用されたことが分かっている。
同社関係者などによると、オリンパスは06年と08年の2度にわたり、都内の公認会計士事務所に3社の企業価値の試算を依頼。08年の試算では、アルティスが335億~470億円、NEWS社が336億~383億円、ヒューマ社が298億~393億円と示された。
これに対し実際の買収額は、アルティスが288億円、NEWS社214億円、ヒューマ社231億円の計734億円だった。いずれも08年の公認会計士の試算額を下回っており、表面上は割安な買収だった。
しかし、オリンパスは、買収完了直後の09年3月期決算で、企業の資産価値が損なわれたとして、買収額の7割以上に相当する557億円の減損処理を実施した。3社の08年度の売上高は54億円で、オリンパスは12年度に891億円に増加すると見込んで買収額を算定していたが、11年度の売り上げ予想は65億円にとどまっている。
買収額の算定は、会計士の試算額を参考にしていたが、結果的に、買収額が3社の企業価値から大幅にかけ離れていたことになる。監視委や警視庁は算定経緯に不審な点がないか調べを進める。
オリンパスは買収に際し、3社の株式を海外の複数の投資ファンドなどから購入。買収資金はこうしたファンドに支払われた後、一部がオリンパス側に還流し損失穴埋めに使われたとみられる。
オリンパス広報・IR室は「第三者委員会の調査結果を待ちたい」と話している。3社の企業価値を試算した会計士事務所の代表に取材を申し込んだが、9日までに回答はなかった。
引用元:yahoo ニュース
?お小遣い稼ぎませんか??
クリック
こちらからよろしくお願いいたします。