ブログ あさふれ

朝日新聞読者の皆様へ「あさひふれんど千葉」が地域に密着した情報をお届け!

中高年の健康管理「どうも気になるメタボリックシンドローム」

2006年06月05日 | コラム
厚生労働省の全国調査である国民健康・栄養調査(平成十六年)で、われわれ中高年世代にメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)がとくに多いと発表されて以来、テレビ、新聞、雑誌などの大手メディアが競ってこのテーマを取り上げている。
 このため、すでにご存知の方も多いと思うが、発表の骨子だけ紹介しておこう。
メタボリックシンドロームとは、腹囲が男性八五㌢、女性が九〇㌢以上の者で、血圧、血糖、血中脂質のうち二つ以上のリスクを持っている者を「強く疑われる者(有病者)」、一つ以上持っている者を「予備軍」として推計したところ、四十~七十四歳に於ける有病者数は約九百四十万人、予備軍は約千二十万人、計千九百六十万人に上り、男性は二人に一人、女性は五人に一人が有病者または予備軍と考えられるというもの。
 また、腹囲が基準以上の者というのは、いわゆる上半身肥満(リンゴ型肥満)に該当し、お腹がぷっくり出てくるとリスクを二つ以上持つ危険性が高くなり、心筋梗塞や脳梗塞になりやすいことから要注意と呼びかけたわけだ。
 わが身に当てはめて考えてみた。私は腹囲九四㌢で、血圧と中性脂肪値がやや基準より高いから立派なメタボリックシンドロームということになるが、どうも実感が伴わない。
たとえば、腹囲にしても九四㌢は太すぎるとしても、私は身長一七六㌢で、体重は六六㌔だから、BMIは 二一・三で、肥満の基準であるBMI二五まではいっていない。このくらいの“肥満者“なら町中にいくらでもいる。
 血圧と中性脂肪値は基準値をややオーバーしているといっても、血糖値、コレステロール値は正常でなんら問題はない。
 メタボリックシンドロームが声高に叫ばれ始めたのは、心臓病や脳血管疾患などの生活習慣病を予防するためで、生活習慣病を予防することで、高齢化に伴う医療費の高騰を抑制しようという狙いが根底にあった。
 ところがメタボリックシンドロームが病気で、治療が必要だとすると、なにしろ千九百六十万人も該当者がいるのだから、治療費が莫大なものになる。
 メタボリックシンドロームの診断基準を決めた日本内科学会や日本肥満学会などは、薬による治療よりもまず運動など生活習慣の改善が重要、といっているが、冒頭の調査による運動習慣のある者(一回三十分以上の運動を週二回以上実施し、一年以上継続している者)の割合は四十代男性が一九・一%、女性が一八・四%、五十代男性二三・二%、女性二八・三%で、六十代になると男性四三・四%、女性三四・七%と跳ね上がるがそれでも半数以下である。
 私も運動をしていないが、中高年者(男性)の二人に一人が該当する健康状態を病気と呼べるのか、という屁理屈を運動をしない言い訳にしている。
(ヘルシスト編集部 鏑木長夫)


最新の画像もっと見る