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こんなことに気をつけよう 中古年の健康管理

2005年08月05日 | コラム
 常々、若い者がペットボトル入りの飲料を携行し、電車やバスの中などで飲むのを苦々しく思っていた。
 ところが、水をこまめに飲むことが熱中症の予防に必須と聞いて考えを改めた。
以下、三十年以上も熱中症の研究を続けておられる京都女子大学の中井誠一教授の話を受け売りする。
熱中症というのは医学的な病名ではなく、「熱失神」、「熱けいれん」、「熱疲労」、「熱射病」の四つの病名の総称である。
「熱失神」とは、体温を下げようとして体表面の血管が拡張する一方、発汗による脱水で血流が減少し、急に血圧が下がるため、めまいや失神を起こすもの。
「熱けいれん」とは、脱水を補うため、水だけを飲むと血液中のナトリウム(食塩)濃度が低下し、手足などの筋肉がけいれんを起こすもの。
「熱疲労」とは、脱水と体温の急上昇により、脱力感、倦怠感、頭痛、めまいなどを起こすもの。
 最も危険なのが「熱射病」で、体温が急上昇によって中枢機能がまひすることにより、意識障害や時には死亡を起こすもの。このうち、直射日光によって引き起こされるものを以前は「日射病」と呼んでいた。
いずれも体温の上昇が原因である。激しい運動をしたり、周囲の温度が上がると体温が上がる。人体はこれを防ぐため、二つの方法で対処しようとする。一つは発汗によって気化熱が奪われることを利用する方法、もう一つは体表面の血流を盛んにして周囲との温度差で体温を下げる方法である。
 しかし、発汗によって体温を下げるには水分の補給が重要で、体内の水分が一定以上に減少すると、汗をかくことができなくなる。
また、温度差を利用するには、外気温が体温より低くなければならず、それには三五℃が限界だとされている。
 そこで、過去の例を調べてみると、関西で三九℃台の最高気温を記録した一九九四年には六百人近くが、各地で猛暑となった一昨年の二〇〇三年には二百人以上が死亡している。重要なのは年齢層によって死亡状況が異なることで、四つのピークがある。一つは乳幼児で、これは車内に閉じ込められての死亡などである。
二つ目は青少年の炎天下のスポーツによる死亡、三つ目は働き盛り世代の労働時の死亡、そして圧倒的に多いのが四つ目の高齢者の死亡である。しかし、死亡状況はさまざまで、クーラーをかけていない室内で死亡するケース、草むしりや庭の清掃、あるいは買い物に行く途中といった軽労働で死亡するケースなどがある。
 そこで予防法だが、炎天下には外出しない、どうしても外出しなくてはならない時は直射日光をさえぎるための日傘、帽子などを忘れないこと。
そして、こまめに水分を補給することだ。ペットボトルはわれわれ中高年者にこそ必要だといえる。もっとも最近はどこにでも自販機がある。これらを利用するのがわれわれの知恵かもしれないが。(ヘルシスト編集部)

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