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中高年の健康管理「インフルエンザは笑って予防を」

2005年11月17日 | コラム
私たちの体は約六十兆個の細胞から構成されている。そして、そのうち約一兆個は毎日入れ替わっている。古い細胞や傷ついた細胞が死に、新しい細胞と入れ替わっているのだ。
毎日、約一兆個もの細胞が生まれていれば、中には出来損ないの細胞も生まれてくる。それががん細胞で、ある試算によると、がん細胞は毎日五千個も生まれているという。このうちの、たった一個の細胞が増殖し、大きな塊になったのががんである。がんが胃や腸、肺などに出来やすいのは、ここが細胞の入れ替りが激しい場所だからでもある。
しかし、私たちはそう簡単にがんになるわけではない。それは、血液の中にNK細胞という免疫細胞がいて、がん細胞を見つけ次第、殺しているからだ。
このNK細胞が殺しているのは、がん細胞だけではない。インフルエンザウイルスなどウイルスに感染した細胞もいち早く発見して殺している。通常、インフルエンザにかかると、発熱、節々の痛み、頭痛などの全身症状を発症し、完全に治るまでには一週間以上かかる。これはT細胞、B細胞など、いわば重装備をした軍隊のような免疫細胞が、組織的にウイルスに立ち向かい、ウイルスを全滅させるのだが、それには少なくても一週間以上はかかり、その戦闘の余波として発熱や頭痛が起きるからだ。
それに対し、NK細胞は軽装備ながら、迅速に移動しながら、ウイルスに感染した細胞を見つけ次第、その場で殺す。
NK細胞が十分に働いていれば、発熱や頭痛など起こさないうちにウイルスは消滅してしまう。がん細胞にしても、ウイルス感染細胞にしても、まったく私たちが気づかないうちに消滅しているケースが圧倒的に多いのだ。
ところが、このNK細胞は非常に強力なのに、環境の影響を受けやすい。加齢もその一つだ。年をとってもNK細胞の数そのものは減らないが、がん細胞やウイルス感染細胞など、異常細胞を殺す力が弱ってくる。
ストレスもそうだ。体力、気力ともに十分なはずのオリンピック選手が出場直前になってかぜ症状でダウンしてしまうことがよくあるが、これも精神的なストレスによってNK細胞の働きが落ちてしまったことが一因とされている。
これを防ぐには、リラックスして大いに笑うといいことが証明されている。落語などを聞いて笑うとNK細胞の働きが活発になるのだ。インフルエンザに負けないためには予防接種も有効だが、笑うことも必要なのだ。
また、楽しく食事をするとNK活性の働きが高まる。
免疫系と神経系は密接な関係にあり、ストレスなどは免疫系の働きを抑制し、笑いや消化管などへの快い刺激は免疫系の働きを高めるのだ。
インフルエンザのシーズンがやってきた。寄席へでも行って、帰りにおいしい鍋料理でも食べてきてはどうだろうか。(ヘルシスト編集部)

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