AR(エーアール)どうぶつ病院ブログ

川崎市登戸にあるARどうぶつ病院

院長やスタッフの日々のブログです

病院が伝えたいことを日々綴っていきます

● ARどうぶつ病院です。混合ワクチンについて(後半)

2017-08-28 19:25:54 | 病気について
ARどうぶつ病院の盛田です。



本日は混合ワクチンについて(後半)を書きたいと思います。
前半、後半に分けた理由は
前半は基本、後半はデーヴィス大学とWSAVAのワクチネーションガイドラインについて。ワクチンについてある程度知ってる人が間違えないようにするためです。
今どきの若い獣医師の先生方も中々わかってらっしゃらない方がいるため、見ていただいた方が良いかと思います。
先ずは
下のページをご確認ください



UC DAVIS ガイドラインについて
http://www.vetmed.ucdavis.edu/vmth/small_animal/internal_medicine/newsletters/vaccination_protocols.cfm



WASAVAのワクチネーションガイドライン
https://www.wsava.org/sites/default/files/WSAVA%20Vaccination%20Guidelines%202015%20Full%20Version.pdf

これらをしっかり読み解くと、最近間違って認識されていることもわかると思います。

先ずは話を始める前に言葉を整理しましょう。
・抗体:病気と闘うための体の免疫の一つ。
・抗原:病原体の指紋のようなもので、抗体はこの指紋をみて敵味方を判別する。
・生ワクチンと不活化ワクチン
ワクチンの製造過程でウイルスが病原性を弱められてはいるが生きている(生ワクチン)と死んでいるウイルスを細切れにして免疫力を上げるたんぱく質を残したもの(不活化ワクチン)
・コアワクチン
予防したい主要なワクチンのこと。
ワンちゃんなら、狂犬病ウイルス、ジステンパーウイルス、パルボウイルス、アデノウイルス
ネコちゃんなら、狂犬病ウイルス(日本ではノンコア)、ヘルペスウイルス、カリシウイルス、パルボウイルス、白血病ウイルス
・母子免疫
産まれたときに母親から受け継ぐ抗体のこと。産まれてから初乳を通して受け継がれるが、成長につれ徐々に少なくなり、感染防御できなくなっていく。その代わりに自分の抗体が増えていき感染防御機能が備わっていく。
母子免疫があるうちにワクチンを打つと、自分の免疫力が上がらないことがある。




それではお話しを始めましょう

上のUC DAVIS、WSAVAとも言っていることは
・可能な限りコアワクチンを優先的に接種しましょう。
 コアワクチン以外のワクチンはコアワクチンを越えて打たないようにしましょう。
・生ワクチンは免疫力を上げる力が強く、ものによっては7年間免疫力が継続することがある。
 一方不活化ワクチンは免疫力を上げる力が弱く、病気の発症率を下げる免疫力をつけるためには
 年に1回の接種が必要であることが多い。
・母親からの免疫力が強く、16週齢まで自分の免疫力が上がらない仔犬、仔猫がいる反面、
 母親からの免疫力が少なく6週齢で免疫力がなくなってしまう仔犬、仔猫もいる。
・そのため6~7週齢から3~4週間ごとにコアワクチンを接種して免疫力を上げるようにしましょう。
・ワクチンは3年に1回でよいとメーカーが認めるものに関しては3年に1回接種しましょう。
・国や地域により、コアワクチンやワクチン製剤が違うため、その国に合わせてワクチンは使いましょう。
 コアワクチンの種類も国によって異なります。
・コアワクチンの中で、ネコのヘルペスワクチンは不活化ワクチンなので、免疫力が上がりにくい。
 そのため、感染のリスクが少ない場所にいる猫は3年に1回のワクチンでよいが、感染リスクが高い場合は
 年1回のワクチンにしましょう。
・非コアワクチンのレプトスピラは年1回の予防接種をしないと予防効果は上がらない傾向がある。
・仔猫のワクチンは16週齢まで2~3回接種しても免疫力が十分でない個体いるため、
 その場合は6ヶ月齢まで5回ワクチン接種し、12ヶ月齢に打つことで免疫力が上がることがある。
・猫ちゃんのワクチンは毎年別の場所に打ちましょう。注射部位の記録を取りましょう。
・最近は猫ちゃんのワクチンを尻尾に打つ研究も行っている。

と、このような感じです。

つまり、どこぞの先生方の言っているように猫ちゃんは3年ごとのワクチンで病気を予防できるなんて書いてません。
因みに、日本の製薬メーカーの作っているワクチンは接種して1年間は免疫力が持続するところまでしか調べていないため、日本のワクチンを使用している限り、ワクチンは年1回の接種が必要なのです。
これを3年に1回にしたいなら、製薬会社に3年間免疫力が持続するワクチンを作ってもらうしかないのです。

狂犬病ワクチンも同様で、海外の製薬メーカーが作っている3年に1回接種すればいいワクチンは日本にありません!
当然です。
日本は狂犬病清浄国なのですから。
わざわざ海外から生ワクチン持ってきて、ワンちゃん達に打ちたくないですよね。
もし、生ワクチンの株が体の中で強毒になれば、汚染国に早変わりです



ネコちゃんのワクチンも3年に1回打てばよいというワクチンは存在しません。
これらをしっかり考えて、獣医師はご家族に正しくワクチンを提示しましょう。
また、WSABAのワクチンガイドラインを導入したいなら、ガイドラインに則り6-7週齢から4週間おきに5回のワクチンを勧めてください。
これは母子免疫が長く働いており、自分の免疫力がなかなか上がりにくい仔が居るようことをガイドラインでは懸念しているので



私は、3年に1回ワクチンを打ちたいならば、それはワクチンの使用方法としては間違っているので、お勧めしません。
どうしても3年に1回で予防接種を行いたいなら、そのワンちゃんは定期的に検査にて抗体が十分にあるか測り、抗体が少なくなったことがわかったところでワクチンを打つことを提示しますが、検査していない間に抗体が少なくなってしまった際には病気になってしまうリスクもあることをお伝えします。



自ら文章を繙かず、人伝の話を鵜呑みにするならその獣医師は怠慢であると言わざるを得ません。勉強会も考えてなければ出ていないのと一緒です。
英語が苦手なら今どき英文なんて簡単に翻訳できます。

日本の獣医師は

ご年配の方から『先生』と呼ばれること、

お金を払っていただき笑顔で『ありがとうございました』といわれること

の意味を今一度深く考えましょう

Noblesse oblige
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● ARどうぶつ病院です。混合ワクチンについて(前編)

2017-08-25 16:24:35 | 病気について
ARどうぶつ病院の盛田です。

今日は病院にてご質問が数多くあった混合ワクチンについてお伝えしたいと思います
今日は下記3つの質問にお答えしようと思います。



①からお答えしていきます。
ワンちゃんのワクチンは1種から最近では11種なんてワクチンも出回っているようです
ネコちゃんも1種から現在は7種のワクチンなんてものがあるようですが、
ワクチンは数ではない。
ワクチンの種類はご家族とペットの生活スタイルによって決まる

と明言しておきます。



先ずはワンちゃんについて。



上記5つについて、①~④まで入っているワクチンは5種またはコロナウイルスワクチンが入り6種ワクチンとして市場に出ています。
⑤の病気はネズミのおしっこをワンちゃんがにおいを嗅ぐなどして感染する細菌です。
この菌は感染したワンちゃんの尿中にも出てくるため、それを処理しようとした人にも感染する届出伝染病(動物を診察して見つけたら獣医さんが国に届け出が必要な感染症)の細菌です。
この菌は種類が7、8種類以上あり、そのうち4種類は日本にも常在しているためこれを予防する際にレプトスピラを何種類入れるかによって7~11種類までワクチンがあるのです

つまり、レプトスピラの中で病原性の高い2種類のみを予防に入れるか、その他のレプトスピラも予防するかが違うことにより7種~11種があるのです。
ちなみにレプトスピラの種類に関してはまだ研究者が色々と分類わけしているため、種類の数も名前も変更などがよくありますので今後も変わるかもしれません。

ワクチン接種はお散歩のいく場所や旅行に行くか行かないかなどご家族の行動が決め手になります。近くの山林や川、大きな公園など、ネズミが居そうな場所に散歩に行くならばレプトスピラ予防のため7種以上のワクチンをお勧めいたします。



ネコちゃんも同様で、上記のカリシウイルスが3種類なのか、1種類なのか、これに白血病ウイルスワクチン、クラミジアワクチンを入れるのかで3種~7種があります。

個人的には白血病ウイルスワクチンやFIVワクチンはあまり免疫力がつかないため、お勧めはしませんが、
『生まれた時から自分の家にいて外に絶対行かないネコちゃんについて現時点で室内飼育が6か月以上、白血病ウイルス陰性、同居ネコに左記ウイルス感染がない場合に関して、外に脱走する可能性は否定できないから7種ワクチンを打つ』
のは良いかと思います。

また、野良ネコちゃんを導入する際は必ず猫エイズと白血病ウイルスの検査は2回行ってください。
検査の間隔は導入直後とそれより1~2か月後、1回目の検査で陽性であった場合でも6か月程度して再度検査した時に陰性に変わることもあるので詳しくは獣医さんと相談しましょう。

②子猫・子犬、里親になった際のワクチンについて

こちらは子犬・子猫が何ヶ月齢かにより変わりますが、
大体はペットショップなどから貰われた場合と、拾ってきた場合に分けられると思います。
前者の場合はおうちに連れてくる前に必ず最終ワクチンをいつ打ったかを確認しましょう。
要点は
 ・2ヶ月齢を越えてから2回ワクチンを接種する
 ・ワクチンの接種間隔は4週間空ける
 ・子犬の場合、レプトスピラのワクチンは3ヶ月齢を越えてから2回接種する
 ・4ヶ月齢以上のワンちゃん・猫ちゃんを拾ったら、
  2~3週間は家の生活に慣らしてその後1か月間隔で2回ワクチン接種をする
 ・以降1年毎のワクチン接種をする

です。
上記の5点はワクチンによる病気予防には重要なことですので、詳しいお話は次回のブログに書きたいと思います。



③ワクチン接種の際の注意点についてです。


まず最初に、
ワクチンは予防接種なので、病気の治療中やドッグランや長時間の散歩に行って疲れている時、トリミングサロンに行った後などは極力さける。
病院併設のトリミングサロンであれば獣医さんの指導の下、状況をみながらトリミング後にワクチンも打つことはできますが、動物病院とトリミングサロンが全く別の場合は連携が取れないため1、2日空けてからワクチン接種した方が良いと思います。
ワクチン接種後すぐに免疫力はつきません。むしろ免疫力をつけるため、3~4日免疫力が一時的に弱まり1週間程でやっと免疫力が獲得されますので、ワクチン接種して1週間、少なくとも5日間は旅行や激しい遊びなどは避けましょう。
また、上記理由からワクチン接種の後、1週間くらいトリミングは控えてください。
フィラリア予防やノミ・マダニ予防は、ワクチン接種の前後2、3日空けて行うほうが良いかと思います。



最後に副作用について
ワクチンは数千頭に1頭はワクチンアレルギーが出ると思います。
ワクチンアレルギーは入ってきたワクチンに対して免疫力が過剰に働いてしまうために起こるので、初回のワクチン接種より2回目以降のワクチン接種時に起こることが多いです。
ヒトで代表的なアレルギーとして花粉症が挙げられますが、花粉症も
「去年は平気だったけど今年から…」
という話を聞くと思います。
なのでワクチンアレルギーも、
『去年大丈夫だったから、今年も大丈夫』
ということはありません。

犬種でいえばⅯ.ダックスフント、フレンチブルドッグ、ジャックラッセルテリア、チワワちゃんなどが多いように思います。
ワクチンアレルギーはワンちゃん達がつかれている時、興奮した時にワクチンを接種すると出やすいと思います。
可能であればワンちゃん達が集まり興奮する集合注射などは避け、病院で大人しくして注射後も安静にすることで副作用は出ないことが多いです。
ワクチンアレルギーは種類があります。
代表的なものは2つ
 ・甚急性型:急にぐったりして血圧が下がり、放っておくと亡くなることもある。
 ・急性型:顔が腫れたり手足が腫れる、注射部位だけでなくいろいろな場所に痒みが出てくる。
です。
甚急性型は結構怖いですが、ワクチン接種後30分以内で起こることが多く、そのため当院ではワクチン接種後30分は病院内で待機してもらうことが多いです
急性型は12時間以内に出ることが多いので、ワクチン接種は可能な限り午前中に打ってもらい、その日はご家族が就寝するまでワンちゃんをみてもらうように伝えてます

以上、思いつくことをつらつら並べましたが、細かいことや病院によってのルールは病院ごとに違いますので、かかりつけがある方はその先生とよくお話をして適切なワクチンを打ってもらってくださいね

患者様が増えてきたため、ブログの更新が遅れてしまいすみません。次回は早いうちに更新したいと思います(;´・ω・)
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● ARどうぶつ病院です。開院1か月‼ 狂犬病 UP DATE

2017-08-17 17:07:50 | 時事ネタ
ARどうぶつ病院の盛田です。やっと開院1か月。早くも口コミいただきありがとうございます。

下の写真はフリー素材の写真です。



非常に良い笑顔をしてますね

当院ではこんな笑顔の絶えない病院作りをしていきたいと思っております。

ですので、おせっかいかもしれませんが、病気でいらしたときも病気とは全然関係ない話もすることがあります(勿論急患などの対応時は別ですが)。

病気が治れば、必要な予防についてもお話しします。

老齢のワンちゃんでも歩いて散歩できるならば狂犬病注射を勧めるし、フィラリア予防や混合ワクチン接種、ノミダニ予防も勧めます。

それはこれまで多くの動物達と接してきて必要と感じたからです。

東京大学の研究室で、日本の検疫はしっかりしているから狂犬病は日本に上陸する可能性は低い、入ってきても感染は自然収束する。と発表し、それに対し狂犬病注射を打つ意義が問われていると記事がでておりました。
下のサイトは厚労省の研究事業(厚労省が委託し研究費を払う)のHPに載っていた文章です
https://research-er.jp/projects/view/886174



https://sippolife.jp/article/2017073100001.html
こちらはそれに乗っかった記事

現に今、ヒアリの問題やレプトスピラの感染が起こっているのに…

全文の掲載が検索できず、研究者がタンカーに乗ってやってきた野生動物(主にネズミなど)や衛生動物についてどこまで言及しているか全くわかりませんが、結論では日本の検疫についてしか書いておらず、輸入される目的でなくコンテナに巣があるネズミやコウモリなどについてどこまで考えているかわかりません。感染の拡大につながる経路について、議論となる部分を取り違えているのではないでしょうか(考察で1文だけふれているようですが)。

厚労省の仕事ですから検疫についてのみふれているのかもしれませんが、検疫は検疫、狂犬病は哺乳類すべてに感染しますので、不確定要素が大きい事象に関してもっと考察で検討するべきではないでしょうか。

研究者はこのような無責任な発表が上記のような記事になり、飼い主様を惑わせる結果になることを想像しないのでしょうか。

それよりなにより、狂犬病が日本で発生しても感染は自然に収束するであろうと書いていること。

万に1つも感染が起こってはならないから獣医師は狂犬病の予防接種を勧めているのではないのでしょうか
万に1つが自分のワンちゃんだったら、収束するまでに咬まれて死んでしまった人が自分や家族であったら、、、
そんなことを考えずに自分の研究を発表したりそれを記事にして狂犬病予防を縮小するような方向に誘導する内容を書くことは果たしてモラルに違反していないでしょうか。

彼ら研究者や記者は医療従事者ではないため、第一線で予防に当たっている獣医師やコメディカルのスタッフ達より考えが浅薄であることは仕方ないのですが、自分たちの発表や記事が社会に及ぼす影響を考えて公表していただきたいものです。

動物医療に携わる者として、一番重要なことは病気の未然予防である

と私は思いますし、医療の基本だと思います。

料金が問題であれば、安く狂犬病注射をしている病院もあります。
ワクチン接種後のアレルギーが心配であれば当院のように30分病院内で待機していただいたり、注射を午前中に打って、寝るまでよく様子を見ればよいと思います。

自分の子供が予防接種を打ったあと様子を見たり安静にさせたりすることはできるなら、ワンちゃん・猫ちゃんも同様に見てあげることも出来ると思います。


予防医療を面倒に思ったり、怖い副作用などがあるからと嫌厭しないで、動物達のことをちゃんと考えて予防をしていきましょう。
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● ARどうぶつ病院です。フィラリアについて

2017-08-14 14:09:27 | 病気について
ARどうぶつ病院の盛田です。
今日はフィラリアについて



現在は蚊が真っ盛りの夏ですので、もし、予防していない方は早めに動物病院へ



ワンちゃんを飼っている方はたぶん一度は『フィラリア』という言葉を聞いたことがあると思います。
また、ネコちゃんを飼っている方でも「フィラリアくらい知ってる」かもしれません。
ですが、基本だからこそ一度知識を再確認する意味でも読んだほうが良いかと思います
なぜかというとフィラリア予防をしていてもフィラリアに感染するワンちゃんネコちゃんが居るからです( ;゚Д゚)


ニャンテこったい
◎ 先ずはフィラリアの生活環について
フィラリアの成虫は心臓もしくは肺に向かう血管付近に寄生して、腸管から吸収され、肝臓で代謝された栄養豊富な血液から栄養を摂取して生活しています。メスの成虫は1日に2000~3000匹の仔虫を血液中に産みます。
この仔虫をミクロフィラリアといい、動物病院ではフィラリアに感染しているかを調べるときはこのミクロフィラリアが血液中に居ないかを検査します(成虫抗原を調べる病院もあります)。
ミクロフィラリアはワンちゃんの体内では成長できず、ワンちゃんが蚊に血を吸われ、蚊の体内に入ることで初めて成長することが出来ます。
蚊の体内で2回脱皮したフィラリアは蚊の吻に移動し、次にワンちゃん猫ちゃんの血を蚊が吸うタイミングを見計らい、血を吸っている間に動物達に感染します。
蚊から再び動物達に感染したフィラリアはすぐに血液中には戻らず、筋肉や皮下の組織で成長し、2か月ほどで血管内に戻り、成虫になります。
フィラリアは成虫の状態で通常8年ほどの寿命といわれております。
そしてフィラリアは哺乳類すべてに感染します。ネコちゃんではフィラリア感染により心臓内の血流が異常になってしまいショック死するような症状を起こすことも知られており、やはり予防が重要です


「イラストでみる犬の病気」より

ここで重要なのは

① フィラリアは蚊が居ないと成長できない。
② 感染して約二か月で成長する。
③ 成長したフィラリアは血液中に大量の仔虫を出す。
④ ネコちゃんもフィラリア予防が必要。

といったところでしょうか。

◎ 次にフィラリア予防薬について。
予防薬と書いてありますが、これは実は駆虫薬です。
ノミやマダニの予防薬は1か月~2か月体内で働き、ノミやマダニが感染したらその都度退治してくれますが、内服するタイプのフィラリア予防薬は1日程体内で働き、その間に血管内にいるフィラリアの仔虫を退治します。つまり、効果は1~2日程度と考えてください。
つまり、1か月間は蚊が刺した場所からフィラリアが感染していますが、これを月1回駆虫しているのです。
フィラリアが大人になるとお薬で殺すのは困難なので、成長する2か月以内に駆虫―ということで月1回が定着しています。
なので裏を返せば、月1回を少し過ぎても予防は間に合うということです。

現在では注射すると1年間効果のあるものや、スポットオンタイプのフィラリア予防薬としてレボリューションなどもあるのですがレボリューションの効果も1か月以上は保証しておらず、定期的な予防(月1回)を推奨しています。
1年間効果の続く注射に関しては使用した感ではワクチン接種よりワンちゃんが痛がるように見受けられました。
でも、年に1回の試練と思えば…

また、1年間効果がある注射は裏を返せば副作用が出ると副作用の種類によっては治り難い可能性があります。
正に一長一短ですね
ちなみに私も今年に入って年1回のフィラリア予防の注射も何十件か打っておりますが、今のところ重大な副作用は見たことはありません。

ネコちゃんは注射よりスポットオンがお勧めですホッ
◎ 次にフィラリアの検査について
こちらも動物病院の説明不足で理解されてない方もいるようですが、フィラリアの検査は大きく分けてミクロフィラリアが居ないか顕微鏡で確認する検査と、フィラリアの成体やミクロフィラリアが持っている固有のたんぱく質がないか検査する方法があります。
勿論、後者の方が検出率は高いですが、100%ではありません。
末梢血液にたんぱく質が出てくるのにはフィラリアがそれなりに寄生していないと検出できない場合もあります。
また、検出キットは目視で行うため、客観性が少し失われてしまうのです(-_-;)

自分の体験でもうっすら陽性とかこれをどう考えれば…という症例に当たったことは何度もあります

ですので、もしフィラリア予防を数か月忘れてしまった場合は

① 今年始める前にフィラリア検査(検査キットを使う)を行う
② 陰性だった場合は『現在大きい成虫はいない』んだと考え、予防を開始する
③ 来年フィラリア予防の時期にもう一度検査(検査キットを使う)して、陰性であることを確かめてから予防を始める。

が適切だと思います。
予防薬では成虫は駆虫できないことをついでに覚えておいてくださいね(o^―^o)


また、フィラリアの予防は蚊が居るかいないかがカギとなります。
なので、「5月末から12月末まで飲ませれば大丈夫と言われた」とか、「自分は蚊に刺されていないから家に蚊が居ない」というのはしっかり予防できない可能性があり非常に危険です

昨今の温暖化により最近では冬にも蚊が飛んでおりますし、地域によっては年中蚊がおりますので、ご家族が自分のいる地域をよく観察して予防期間を決めましょう
ちなみに高層階マンションに住んでいても蚊は人とともにエレベーターに乗ることがあります

なので、予防は

『蚊が出てから1か月後に初めて、蚊が居なくなった1か月後まで予防する』

と覚えましょう(^▽^)/

細かい部分が十分書けてないと思いますので、ご不明な点はかかりつけの病院などに聞いてみてくださいね。
今日はこの辺で失礼します。次回は何を書こうか…いろいろありすぎて困りますがリクエストあればメッセージくださいませ。

こちらもフィラリアについて簡単に書いてあるのでどうぞ
IRISアイリスペットドットコム https://www.iris-pet.com/wan/special/20120701/
ゾエティスフィラリアドットコム https://xn--cckbas0g1a1d0guhka.com/

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● ARどうぶつ病院です。前回に続き今日はマダニについて

2017-08-10 15:13:01 | 病気について
ARどうぶつ病院の盛田です。
本日は前回の続きとしてマダニとノミ・マダニ駆除について書きますね。



ダニはクモの仲間で、マダニとその他のダニは生活様式や大きさなどが大きく違うため英語では呼び方すら『Mite』と『Tick』と違う単語を使います。
一般的に皆様が「ワンちゃん(猫ちゃん)にダニがいる」というときはほぼ見えるダニ=マダニがいるということかと思います。
ダニとマダニ、
両者とも動物に害を与える病気を引き起こしますが今回はマダニについて

マダニはよく山林にいると思われがちですが、ちょっとした公園でも見かけることがあります。ササみたいな葉っぱの裏に居て、動物が通ると振動を感知し葉から動物の体に移るのです
幼ダニ、若ダニ、成ダニすべてのステージにおいて動物の血を栄養源としてます。

バイエル薬品株式会社様HPより引用 http://www.bayer-pet.jp/

吸血の際に下記のような感染症を媒介することが知られており、厚生労働省からも注意喚起しているのが現状です


国立感染症研究所様HPより引用 https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/sa/sfts.html



ニュース記事 日本テレビ
上記の記事は先月に起きました。内容は非常にショッキングで、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は以前まではマダニに人が咬まれてウイルス感染する経路は知られてましたが、SFTSに感染したと思われる野良猫に咬まれて女性がSTFSを発症して死亡したという痛ましいニュースでした
SFTSはまだあまり皆様に認知されてませんが、致死率30%、治療法がないというなかなか怖いウイルスです。マダニが媒介することはわかっていますが比較的最近になって見つかった感染症なため、他の昆虫媒介などはよく解っておりません



国立感染症研究所様HPより引用 https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/sa/sfts.html
しかし、少なくともマダニからは媒介されることは確かですので、マダニを駆虫・感染予防することはSFTS予防対策として重要ではないかと思います。

当院では予防薬としてフロントラインプラスと99%同一成分のフィプロスポットを採用しています。
この製品はフロントラインと形状が異なり、毛をかき分けて皮膚に滴下しやすくなってます。


また、キャップを時計回りに1/4回転程回すだけでキャップの後ろについているでっぱりが本体に穴をあけてくれる仕組みなので開け方も簡単です(o^―^o)ニコ

これをペットのワンちゃん・猫ちゃんに、マダニ予防なら月に1回、ノミ予防であれば2月に1回滴下するだけです(o^―^o)ニコニコ

予防薬は体重によりますが動物病院で1本1000円~(1日34円~くらい)なので定期的な予防にはどうぞご利用くださいね(⌒∇⌒)/
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