3月も後半になり来月(もしくは今月から)新卒者の研修が始まるかと思います。
ウチは残念ながら今年就職者は0人でした。今年度は募集自体も少なかったが、どこかで青田刈りにでもあってるのか…まぁ来年度にこうご期待!元気なスタッフ募集中です😊❕
それはさておき、先ずは
皆様、獣医師/動物看護師になれておめでとう
と送りたい📨
ですが、他の職種と違い小動物臨床に関しては卒業がやっとスタートラインとなることを心に留め置いてほしい。
みなさんはそれぞれいろいろな想いでこの小動物臨床の仕事をしようと思ったのだと思いますが、獣医師の仕事の中で最も
全てをひっくり返され本当に1から勉強しなおす職業
は小動物臨床だと思います🐰
私も臨床を離れてサラリーマンは1年程度であまり経験がないから多くは語れませんが、普通の常識と多少のPC技術があれば結構多少なりとも戦力となれました。
ですがこの小動物臨床の世界は全く違います🙅
今まで培ってきたプライドも常識も全て違うと思ってください。
私も卒業仕立ての新人の就職初日に副院長から「お前はこれから2年間ハイかYES以外しゃべるな」と言われました。
いまでは普通の企業であればこんな話はパワハラと片付けられてしまうお話ですが、医療の世界では普通にあり得る話です。なぜなら、あなたがこれから扱うのは「命」なのですから。
あなたのうっかりミスや浮足立った“お仕事”により命が危険にさらされるもしくは取り返しのつかないことが起こることがあり得るのです。機械であればそれも部品交換することで事なきを得るかもしれませんが、生きものは違います💣
なので、新人は最初のころは何が必要か、上司(もしくは看護師)に付いて学ぶこととなります。もちろんみんな卒業したては戦力どころか足手まといにしかなりません。これは当たり前です。すべてをかなぐり捨て、必死になって病院の中での自分の立ち位置や動きを学習した先にやっと院内清掃やちょっとしたお仕事が許されます🙆
次に(普通は)自分で勉強し、わからなければ上司の時間の空きを見て教えてもらい、数年くらいついて病気の見方を識り、数か月もしくは人によっては何年かかけて初めて獣医師/動物看護師の若手となるのです。もちろん病院がそのまま雇用してくれる場合に限りですが。
若手になれば少し診療の自由やオーナーへの会話が楽しくできるようになり、勉強が苦痛でなくなり、己の成した治療により信頼関係を結んで治療に臨めるようになります💪
ここまでで、「自分は最初の年から診察任されていたから凄い獣医師なのだ」と思った人もいるでしょう。
ですが、それは違います。最初の数年はその病院の看板がバックにあるから患者さんがついてきているのであり、あなたの力ではありません。そういった話はいろんな職種でも同じで、どこそこの病院で多少の仕事ができてたってのと、己の顔のみで信頼関係を結んで仕事ができるという事は次元が違います。
私の知り合いには自分の力を過信し、それなりの病院で5年程度下働きしたからといって借金したり親や親戚からお金を借りて病院を自分で作り挙句何もできずに病院は潰れ借金地獄であえいでいる人達がそれなりにいます。
ここまでお説教じみたことばかりでうんざりしたかもしれませんが何が言いたいかというと、
「初心を忘れず、自分を一度ぶち壊して再構築するのが今」
ってことです👨
自信がこの仕事にあこがれて入ったその気持ちは(社会常識の範囲内の気持ちであれば)非常に重要で、今後も持ち続け自分の大事な芯になることだと思います。しかし、それ以外のプライドや成功体験など自分の殻を壊すための障害にしかならないと思います。
なので、卒業と共に今まで培ってきたものをぶち壊しましょう!病気を前にしてプライドなんて要りません。上司を敬い謙虚な気持ちで新たに下地を組み立てましょう。でも、自分が本当にしたかったことは忘れてはいけません。
でも土台がないと上に建物は作れません。
20年経った今でも私は自分の信念を曲げずに、しかし必要な意見は受け止めて日々研鑽しております✍
皆様も良い獣医師/動物看護士となってください🙇
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