AR(エーアール)どうぶつ病院ブログ

川崎市登戸にあるARどうぶつ病院

院長やスタッフの日々のブログです

病院が伝えたいことを日々綴っていきます

● ARどうぶつ病院です。胃腸炎について(続き)

2017-10-30 17:55:46 | 病気について
このところ季節の変わり目で気温や湿度、天気がコロコロ変わっています。
こんな時は胃腸炎がやはり多くなっております。
なので、前回少しだけ触れた胃腸炎について詳しく書いていきたいと思います

胃腸炎というと、症状は嘔吐、下痢を想像されるかと思いますが、実際にはそれ以外にも



等も含まれます。

次に消化器症状を起こす病気の種類をまとめてみました



この表にある通り、消化器症状と一言にいっても原因は無数にあります
病院ではこれらの中から患獣の胃腸炎の原因を特定します。その際



と様々な方法で検査を行います。
これらの検査はどれも万能な検査ではなく、それぞれ行い、検査を行い消去法で原因を特定することもあります。
そのため、原因特定に1か月かかることもあれば、検査しながら治療していたら治ってしまうことも往々にしてあります



簡単な疾患と思われがちで、最初は対症療法のみ行うこともありますが、それでも9割近くの患獣は薬の効果の助けをかりて自己治癒力で治ります。

しかし、裏を返せば残りの1割に関しては原因を特定し、その病気に対して有効な治療を行わないと治らないのです。

1割のための検査をする/しないはかかりつけの獣医さんの見立て次第ですが、その見立ての材料になる便や吐物に関しては持ってきていただく事は重要かと思います。

また、便に関しては上記検査の糞便検査にも使う材料なので、胃腸炎の症状(上記参照)がありましたら、良便でも持っていかれる方が良いと思います。

また、異物の誤食などに関しては、画像検査では限界がありますので、可能な限り
● 家の中で無くなったものがないか
● ごみを漁るようなことはなかったか
● 散歩中に何か食べなかったか
などを家族と話し合ってください
動物達は自分で申告できないので、ご家族の証言が頼りになることも多くあります。



みんなで協力して家族の健康を守っていきましょう。
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● ARどうぶつ病院です。46年ぶりの寒さ!

2017-10-16 15:51:30 | 病気について
ARどうぶつ病院の盛田です。今日は寒かったですね。都心では10月としては46年ぶりに最高気温が15℃を下回ったようです



また、都心では直近の1週間で15℃以上の気温の変化があったとのこと
今の時期は寒暖の差が激しく、環境適応能力が人より低いワンちゃん・ネコちゃんは体調を崩すことが多くなります
そのため、おうちでは出来る限り寒暖差をなくすため、エアコンをつけたり、温かい場所と涼しい場所を設けたりなど工夫していることも多いと思います。



しかし、ワンちゃんはお散歩などがあるため外に出る機会がありますので、おうちを快適にしても調子を崩すことは多いかもしれません。



こんな時に起こる症状で一番多いのは胃腸炎です。



症状としては嘔吐や下痢、食欲不振などです
食欲がなくなったときは慣れないおいしいフードを与えると胃腸炎をひどくしてしまう可能性もあるので、出来る限り同じフードをふやかしたりして与えてみてください



嘔吐がある場合は食事ができない、もしくは食事を吐いて、のどに詰まらせてしまう可能性もあるので動物病院へ行きましょう



また、この時期は雨で湿気た空気と、晴れて暑い時の熱により、室内で保存している封の切ったドライフードが変質しやすいです。
封を開けたドライフードは冷蔵庫などで保存するほうが良いと思います

また、寒暖差によって起こった胃腸炎はすぐに治ることが多いですが、まれに膵炎を合併して最悪死に至ることもあります。
なので、ペットの具合が悪くなった場合は数日待たずにすぐに動物病院に行った方が良いと思います

そして重要事項がもう一つ、下痢や嘔吐した場合は必ず現物を動物病院に持っていきましょう



我々獣医師は視診、触診、聴診を重視しています。
これら現物があれば現物のにおいや色などである程度便などの状況が把握できますし、検便をすることによって診断が大きく変わることもあります。

くさいし汚いと思いますが、動物病院に来院される際はビニール袋に入れてぜひお持ちください。


本日はここまで

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● ARどうぶつ病院です。歯の健康に関して

2017-10-06 17:00:00 | 病気について
10月になり、美味しいものが増える時期ですね。本日は歯の健康について書きたいと思います





突然ですが、上記チェックリストの内、おうちのワンちゃん・ネコちゃんに当てはまる項目はありましたか
ひとつでも当てはまるようでしたら歯周病が起きているかもしれません…
じつはワンちゃん・ネコちゃんは人に比べて歯周病になり易いのです





では、まずはワンちゃん・ネコちゃんと人の違いについて考えてみましょう。

ワンちゃんは近年では、雑食になってますが、もともとネコちゃん同様に食肉目に分類されている肉食動物です。
肉を引きちぎるため歯は鋭くとがってます。また、肉食動物なので、炭水化物を多くとらないため、唾液にはアミラーゼという糖を分解する酵素は含まれておりません。
そのため、人と違い唾液はアルカリ性に傾いていて歯石が付き易いといわれております。(下記の表参照)





このようにワンちゃん・ネコちゃんたちと人とは口腔内の違いがあります。
では歯周病を予防するには何が必要でしょう?

多分、皆様わかってらっしゃる通り

そう、歯磨きです



間違えてしまうといけないのは

歯周病は歯の根元の問題ですので、歯磨きガムでは歯の先の方の歯垢は落とせても歯周病の根本的な原因となる歯の根元の歯垢は落ちないということ



歯垢から歯石になってしまった場合、歯磨きでは落とすのは困難ということです
つまり、歯磨きは人だけでなく動物達も怠ってはいけないのです
しかし、歯磨きはご家族が最も大変と思う動物たちのお手入れのひとつだと思います

なので、歯磨きのポイントをお伝えしましょう。



これらを守って遊びのようにやっていくと動物達も徐々にやらせてくれるようになると思います

日々のお手入れの一環として忘れずに歯を磨いていきましょう
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