AR(エーアール)どうぶつ病院ブログ

川崎市登戸にあるARどうぶつ病院

院長やスタッフの日々のブログです

病院が伝えたいことを日々綴っていきます

● ARどうぶつ病院です。院長のひとりごと📝

2024-01-12 17:24:23 | 時事ネタ

AR動物病院院長の盛田です👨‍⚕️

今回はなんのお知らせもないただの私の考えなのであまり気にせずに。

 

月日が経つのは早いもので病院も開院してはや6年、7年目に突入し、獣医師人生も20年ほどとなりました🙇🏥

いままで往診医療中心の0.5次診療~2次診療まで幅広く経験し、動物病院開院も数件行ってきました。過ぎてみれば全て自分のためになる良い経験でした😊

 

多分先人たちも我々に対し思っていたことでしょうが、最近若い獣医師をみていると熱量のある獣医師が少ないのが目につきます☁

 

医療従事者は皆そうかもしれませんが、小動物臨床医は多かれ少なかれ、病気やけがで苦しんでいる動物を治療したいからという自分のエゴによりこの職業に就くことを決めたと思います(なぜなら動物は別にあなたに治してほしいと思っていませんので)。

 

そのためには多くの代償を払わないと一般人はその域に達せず、自分の欲求を満たすことを考えるならば中途半端なマニュアル治療に陥ると多くの獣医師を見てきて思いました。

 

まぁそれもまた人間的でいいのかもしれません🙂

ただ、いつも私は「医療は神の領域に手を出す学問であり、普通の人間に負えるものではない」と思っております。

サービス業として獣医をすることを良しとする人間とは「agree to disagree」です。

部品を変えるように動物の悪い部分を取り換えることも生き返らせることもできないのが医療です。そのため時に厳しいことを飼い主に伝えるのも教育することも仕事のうちです。

 

つまり、医療を受ける側にも負担を強いることもあります(ここを理解できていない人が非常に多いのも最近特に感じております☁)。

人間でいえば高血圧の人に毎日の内服や糖尿病の人に食事療法とインスリン投与などがそれにあたり、動物は自分ではできないからこそ飼い主がその負担を負うことになります(因みに予防注射を打ちに来ることも、予防薬を買いに来ることも、自分でシャンプーも、一人(頭)でお散歩も出来ません🙅)。

 

話がそれましたが、最近台頭してきた大企業によるグループ企業は確かに安定的な収入と勤務時間が保証されているかもしれませんが、上記のようなマニュアルオンリーの獣医師しか育ちません。

なぜなら我々の時代の獣医師は明け方帝王切開して朝から仕事など当たり前でしたし、自分の入院患者を夜中も休日でも診に行き、回復していくことを心から喜ぶ…というような1頭1頭の病気に対して向き合う時間が圧倒的に足りないのです⏱

まぁ限られた勤務時間ではさもありなのですが、昨今のショップ併設のグループ病院は免許さえあれば誰でもなれるようで、時間のないパートの獣医師などは働きやすいかもしれませんが…これも時代ですね⌛

 

因みに補足すると色々な学会から出ている治療ガイドラインのほとんどは悪くありません。適応をしっかりと見極められれば👀。

真剣に医療と向き合う時間が少ない人はそれができないから問題になります。

 

今年入ってすぐに来院された患者さんは近医で食欲不振、元気消失、貧血、蛋白尿、尿比重低下で腎不全と診断してACEIを処方されたとのこと。なぜか触診で腎臓が不整とか言っていたようですが症状改善無く当院に来院されました…腎臓は超音波検査で見ても正常形態、膵炎、脾臓腫瘍があり、治療方法を変えたら食欲も改善してきてます。触診で触っていたのは多分残念ながら脾臓でしょう…こんな適当な医療で本当に大丈夫でしょうか?

このように、ただ(自己の)マニュアル通りの治療のみを選択し、そのため医療ミスは起こせるが、本当に(医療的な)奇跡が起こることもなく以前は持っていた熱量は時間と共に急激に冷めていく…やりがいは多く感じられないでしょう。本当に残念なことです。

 

20年前にこの路に進んで、獣道をひたすら進んだ今の状況に対して全く後悔はありません。

今後「倒れるなら前のめり」を信条にどこまでいけるかわかりませんが、昨年亡くなった尊敬する知り合いの先生の様に、死ぬ寸前まで誇りを持った獣医師であり続けたいと思います😊

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