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田中悟の片道旅団

大阪で芝居と弾き語りをしています。

『ちょっとした夕暮れ』最終日

2013年03月08日 | 日記
役者紹介

第一話『小さい夕方』高橋(宿南麻衣) 大西(南出謙吾)

第二話『天気予報を見ない派』木下(肉戸恵美) 祐介(田中悟)

少し日が過ぎてしまいましたが、
劇団りゃんめんにゅーろん番外公演『ちょっとした夕暮れ』お陰様で全ステージ、無事に終了致しました。
ご来場頂きましたお客様、関係各位に深く感謝致しますm(__)m

何となく静かに流れる時間でした。
南出君の描く世界が、まさに静かに流れる時間そのものである気がしますし、それは稽古場においても一貫してそうでありました。

でも、

水面が穏やかでも、水中の流れは激しかったです。
役者達は稽古場にてもがく、もがく、もがく。
でも不思議なことに役者自らが流れを起こさないと、この流れは生じない。
役者がもがくのは作品の根底にある本当の流れを知るためであり、何より、知った流れをお客様にお見せするためであったり。
だから自ら物語に溺れて、自ら流れを作っていく…そんな生き物なんでしょうね、役者って。

僕はちゃんと祐介として生きていただろうか?

彼は物語の中を通り過ぎた影のような、或いは風のような存在でした。幽霊だったのかも知れません。
稽古中、僕はしばし彼を見失っていました。
稽古も終盤に差し掛かったある日、稽古場にて第一話『小さい夕方』を観た時に「あ、第一話の大西って男こそが、第二話『天気予報を見ない派』にリアルに存在してるんだ」って思ったんです。
そして漸く祐介の居場所が分かった気がしました。

こんなふうに僕は不器用で客観性の乏しい役者なのです。が、それでいい。それぐらいでちょうどいい役者バカ加減なのだと思います。僕好みの濃さの調整です。


あれ?だけど今頃になって祐介への感情移入が更に大きくなってきた。


南出くんにお願いです。いつか祐介のスピンオフを書いて下さい。苦いコーヒーを飲んだら眠くなる男の物語を。
あ、でもやっぱり、彼らをそっとしておいてあげたい。
雨上がりの夕方、卵の入ったレジ袋をぶら下げてどこかの街を歩いているであろう彼をそのままに。
コメント
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