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10次元宇宙 何で陽電子宇宙ではないのか?

2020-10-24 10:25:12 | 理論物理学 素粒子




世の中、目覚ましく科学技術は進歩し様々な不思議が科学的に解明されてきています。
そして、最近では、この世界が10次元であると物理学者が考え始めたようです。
また、10次元での余剰次元はコンパクト化されて観測できないという解釈がなされています。

ここでは、このコンパクト化された余剰次元がもつ性質を解明するにあたり、
不思議な解析接続の数値が整合性を持つための必要十分条件に照らし合わせての考察になります。

⑴式は10次元宇宙が最大限に対称性をもつ4次元宇宙と6次元のコンパクト化された宇宙の
積で表されていることを示している。

⑵式は四次元の空間が最大の対称性をもつ為の制約を示す多様体であり
ここには解析接続にかかわる数値1/12が示されている。

通常、解析接続は微分可能領域が複素数に拡張されて整合性が保たれているが
実際の物理に意味のある数値は実数のみなのだ。
では、複素数をどうやって実数にするかといえば絶対値の二乗にすればよいのです。
とりあえず、意味のある数値を得るための条件は二乗することが示された。

では、実数だけであらわされている解析接続はどうすればよいだろうか?
一見、そのままで良いと思うかもしれませんが、実はそのままでは整合性が
保たれないのです。
⑵式の 1/12 は、この値に相当する。
この1/12に整合性を与えるためには、余剰次元のコンパクト宇宙に制約が必要であり
この制約がなければ整合性は得られません。
言い換えれば、この整合性を得るための必要十分条件が
コンパクト化された余剰次元には必要なのだ。

しかし、恐れる必要はありません。この解釈は非常に簡単であり高度な数学は必要ないのだ。
むしろエレガントな洗練された数学よりも泥臭い地道な解釈の方が優れている。
高度で洗練された数学の陰に隠れている重大な性質なのだ。



aは1+1を無限に繰り返す数列の和である。初項が 1で全ての項が1、項数が ∞なので
a=∞が成り立つ。
通常、物理学でこのようなタイプの無限大を扱うことはないが、他のケースでは理論的に意味のある無限大が現れることがある。そして、この意味のあるタイプの無限大を物理法則で使えるようにするためには繰り込みと呼ばれる操作が必要なのだ。

繰り込みは素粒子物理の様々な計算様式に現れるが、実際問題として繰り込み可能な方程式が無ければ
何も計算することはできない。言い換えれば、無限大には様々な種類があり、一概に∞=∞とは言えないのである。

ここでは、泥臭く10次元時空を解析していくために、通常は使うことが無い上図式を基本にして考察する。この数列の和が最大に対称な4次元空間の基本形となる。

最近の研究で超弦理論の解は無限に存在しており、異なった種類の宇宙が現在進行中で無限に生まれているとする解釈が一般化している。すなわち、超弦理論には説明能力が全く無く何も新しい事は示さないことが証明されたのだ。

ここでは一般論よらず、定められた初期条件を持つ唯一の宇宙が生成されることが示される。
何故、超弦理論の解は無限に存在しているのか?
何故、定められた初期条件であれば超弦理論の解は決定されるのか?
この疑問はエレガントで美しい数学では説明できない。ここからの泥臭く地道な作業によって解析されるのだ。




aの値は∞であり、一般的には意味をなさない。そこで、意味がある数値を得るためには無限大を打ち消す必要があり、この技法が繰り込み操作なのだ。

図式から a-a により無限大は解消されるが、少し変な細工がなされている。-aの数列の和が壱項分だけ右にずれているのだ。当然ではあるが、出てくる答えもずれており、 0=1 、a=a+1 である。
実際は繰り込みが正しくなされる条件があり、やみくもに無限大を打ち消せばよい訳ではないが、この数列の和の関係式が基本形になる。

⑵式に記されている 定数1/12 は超弦理論から導かれた数値であるが、ある意味特別な数値と言われている。これが解析接続により最も単純で基本的な繰り込みで算出される数値であるからだ。従って、理論を一般化するためには 定数1/12 の数列の和を繰り込んでも矛盾が生じないような操作が重要であることが分かる。矛盾を放置したままで超弦理論の解を求めれば矛盾を含む間違った答えになるのだ。

超弦理論から得られる解は無限にあり現在進行形で無限に生成されている。この生成は答えが増え続けているだけではない。実際に異なったタイプの宇宙が現在進行形で無限に生まれていることを示している。
これが超弦理論の解であり、この解からは何も予測できない。困ったことに何も予測できないばかりではなく、間違った解釈が横行する結果となるのだ。何が間違っているのかは明らかだ。解析接続で示された
数値 1/12 が矛盾を秘めているのに放置されているからだ。

この矛盾を解消するためにはコンパクト化余剰6次元空間の性質が重要であり、この数値 1/12 に秘められているコンパクト空間が必要十分条件を満たしている必要があるのだ。



1を無限に足し合す数列の和を壱項分ずつ右にずらして、数列の和を無限に足し合わせる。無限に足し合された数列は1,2,3,4・・・・∞となり後になるほど大きくなる。
∞a=∞であるが、この数列の和が解析接続によれば ー1/12 なのである。

超弦理論から導かれた最大に対称な空間にも、定数1/12が含まれており、数学と物理の不思議な融合性を示唆している。ここで考えるべきことは、無限大の扱いと、解析接続の値ー1/12に含まれる矛盾である。
無限大に関しては必ずしも∞=∞が成り立つとは限らない。また、-1/12の値は純粋に最大に対称な空間成分だけで示すことは出来ないのである。

明らかに最大に対称な空間はコンパクト化余剰次元空間が織り込まれている必要がある。コンパクト化された余剰次元空間が最大に対称な空間に規則正しく織り込まれなければ整合性は保てない。この織り込みは厳密に寸分の狂いも許されないものであり、精度は100パーセントである。すなわち、1/∞の狂いも許されないのだ。

織り込みにより、コンパクト余剰次元空間は完全に確定されるされる。確定された余剰次元は寸分の狂いもなく宇宙の初期条件を導きだす。この宇宙の初期条件が数の基本単位であり、宇宙の自然単位でもある。これは、数学と物理の融合であって、美しい数式の競い合いではない。実際の世界は物理的であって
いかに美しくエレガントな数式であっても物理との融合がなければ修正を免れないのだ。




前回の続き。
ここでは簡単の為に ∞a=b とする。

bは 1+2+3+4+・・・∞ となる数列の和である。この数列の和をずらしながら足し合わせれば有限数値を得ることができのだが、そこには厳密な規則がある。

図には二種類の繰り込みがある。
 b-4b はとびとびの値を繰り込んでいるのに対して  
-3b-3b は全ての項が繰り込まれている。

ここでは、全ての項が繰り込まれている場合と比較し区別するために、とびとびの値を繰り込む操作を織り込み操作と呼びことにする。織り込みの数列は繰り込みの数列と比較して数列の項数が1/2であるから
∞a=∞a/2である。織り込みを定義する上で重要な事は ∞a=∞a/2 この関係性を満たす意味がある答えを得ることにある。

意味がある答えを得るには、繰り込みと織り込みに整合性を与える必要がある。すなわち、矛盾があれば
解消しなければならないのだ。そして、その矛盾は明らかである。

b=-1/12 は明らかに矛盾している。

本来bの値は無限大であるから、答えが間違っていることは明らかなのだ。この矛盾を解消する方法はコンパクト化されている余剰次元に隠されている。言い換えれば、最大限に対称な空間だけでは説明ができないのである。

コンパクト化が織り込み成分であれば、コンパクト化余剰空間には係数1/2が含まれている必要がある。
そして、この係数1/2に加え、もう一つ重要なコンパクト化に欠かせない成分がある。それは無限大成分である。簡単に表せばコンパクト化によりコンパクト化余剰空間は 1/無限大 を係数に持っている必要があるのだ。





前回の続き。 b=∞a なので、 bの値を1+1+・・・の形に展開すれば図のようになる。通常は
∞≠∞ であるが、今回の縦軸と横軸にある無限大は厳密に ∞=∞ になる必要がある。ただし、横軸は項の数が無限大になるのに対して、縦軸は数列式の数が無限大になるので注意が必要である。

この展開により、 ∞=∞² の関係が織り込み操作に不可欠であることが分かるのだが、これは、図式の
無限大が ∞=∞ の関係にあることによる。すなわち、∞=∞² の関係は織り込み操作が厳密になされるための条件であり、∞=∞ の関係は最大限に対称な空間における繰り込みが厳密に為されているための条件である。織り込みと繰り込みの違いは以前の記述を参考にしてほしい。

色々と注意することが出てきたので整理する必要がある。例えば 1/∞ の扱いであるが物理的にも数学的にも 1/∞=0 であり、それ以上の解釈はない。 しかし、織り込みや、繰り込みが厳密に行われるためには 1/∞≠0 であることを明記しておく必要がある。これは、以前に定義した基本数列の和aの値がa=a+1 を満たすための条件でもある。

また、∞=∞² ∞=∞ は織り込みと繰り込みの違いであるが、繰り込みは最大限に対称な4次元時空による制約であるのに対して、織り込みはコンパクト化された余剰空間である。すなわち、∞=∞² であることはコンパクト化された余剰空間が、ある無次元量に対して1/2乗になっていることを示しているのだ。





基本的な解析接続における解 -1/12 には織り込み成分と繰り込み成分があり、それぞれコンパクト化空間とワイド空間に織り込まれ繰り込まれている必要がある。基本数列の解 a=a+1 より、図の数列の和
が横軸項数と縦軸基本数列の解が完全に打ち消し合っている必要がある。これは ∞=∞ として整合性が保たれており、コンパクト化空間には係数 1/∞ が付く。すなわちワイド空間を ∞ とおけばコンパクト化空間は  ∞/√∞ で表せることを意味している。

数学における整合性のある ∞=∞ は存在しない。 そこで、一旦 ここに出て来た無限大を最大限に大きな無次元量として物理化する。∞→2.3・・・×10の40乗は重力と電磁力から割り出されたワイド空間
で最大の基本無次元量である。

無限大を最大基本無次元量に置き換えることにより、数学的にも物理的にも整合性の保たれた厳密な計算が出来るようになる。織り込みや繰り込みの精度が 1/∞ から 1/(最大基本無次元量) に置き換わることで、厳密で整合性のある次元解析が可能になるのだ。

素粒子物理において理論的に現れる無限大は他の無限大を繰り込むことで計算が可能になつた。しかし、元となる無限大は手付かずであった。厳密で整合性のある理論を完成するにしても 1/∞=0 が定義されていた。超弦理論は寸分の狂いも許されない織り込みと繰り込みが必要であり、1/(最大基本無次元量)をゼロにすれば、途端に破綻するのである。

理論は破綻して意味のない無限の解が現在進行形で生み出され続けることになったのだ。そして、事も有ろうに意味が無い破綻している理論を信じて疑わないのである。これは、難解な数学が人の想像を超えているからだ。繰り込みで無限大がマイナス1/12になっても解析接続されていれば意味を持つ。しかし、
矛盾する答えに整合性を与えるイメージが無いのだ。コンパクト化された余剰6次元空間は織り込み操作によってイメージすることができる。そして、1/∞=0から1/(最大基本無次元量)=有限とすることにより
超弦理論の解は決定されることになる。



ここからは、無限大が存在しない10次元の宇宙を気楽に考えてみましょう。

宇宙が10次元であれば、余分の6次元は何処にあるのだろうか? 
それが内部空間に丸められて小さくなつているとすれば、その存在は内部空間で確かめられる筈です。
原子核内部は直接見ることはできませんが、原子核を破壊すれば内部の情報を間接的に知ることは可能です。内部の深い情報を知る為には強いエネルギーが必要で、粒子加速器で加速される弾丸粒子の運動エネルギーが大きい程 内部の深い標的を見つけることが出来ます。
粒子加速器の運動エネルギーは1 keV の千倍は 1 MeV(1 メガ電子ボルト)、さらに千倍は 1 GeV(1 ギガ電子ボルト)と大きくなっており、最近ではさらに千倍の 1 TeV(1 テラ電子ボルト)にまで加速できる装置も使われるようになってきました。 恐ろしい程の運動エネルギーですね。
これ程のエネルギーを使えば余剰次元が見つかるかも知れないと期待しましたが、結果は思わしく無いようで、今のところ余剰次元の存在を実験で確かめることは出来ていません。

では、無限大が存在しない場合には余剰次元は何処にあるのでしょうか?
今までは余剰次元が小さく丸まって内部空間に閉じ込められていると考えました。これは余剰次元が私たちが知っている宇宙空間と同質のものだという思い込みによる解釈です。この解釈の中には数学的な無限大が含まれています。そして、その解釈によって無限大の異なった宇宙が存在できると結論付けられています。これはある意味当たり前の結論です。なぜならば無限大を含んだ数学を利用して全ての無限大を繰り込みで計算しているためなのです。これは繰り込み操作の特性であって通常の物理計算と同じように考えることが出来ない特殊なケースです。一般的な実験レベルの物理計算は些細な誤差は無視できるのですが、繰り込み計算は誤差が一切許されないのです。厳密に計算しなければ理論は破綻して使い物になりません。繰り込みに問題がある場合には答えが無限大に拡散するのです。
無限大が存在しない宇宙では余剰次元が全ての通常空間に正確に織り込まれていると考えられます。ただ、織り込みの特性から1/2と1/最大基本無次元量の係数が付いてコンパクトに縮められている必要はあります。



余剰次元の織り込みにより解析接続の矛盾は解消され整合性が保たれる。これは無限に続く宇宙空間から有限で限りある宇宙空間に変更する事を意味している。これは、余剰次元の織り込みが厳密に定義され
1/∞ の誤差も許されないからである。もしも宇宙が無限に広がっているとすれば、余剰次元の織り込みから ∞=∞² が定義される必要があるが、この等式には意味が無いのだ。

余剰次元が織り込まれた有限宇宙には無限宇宙には無い性質がある。宇宙の最大基本無次元量は電磁力と重力から割り出された物理的に意味がある定数である。この定数は不変であるから、Aが大きくなればB
も同じ割合で大きくなる必要があります。当然、Cも同様に同じ割合で大きくなります。この状況を全ての位置で同時に観測すれば、図の形状は不変である。

余剰次元が織り込まれた有限宇宙の性質Ⅰ
この宇宙が同じ速度で膨張している場合、観測者にはドップラー効果が時間と共に変化するように見える。これは当たり前である。遠方の過去の銀河は小さな図形の宇宙に存在しており、近くの銀河は大きな図形の宇宙にあるのだ。比較に無限宇宙を考えれば、宇宙の等速膨張は時間に依らないのでドップラー効果は距離に比例することになる。すなわち、等速膨張として観測される。一方、余剰次元が織り込まれた有限宇宙は、あたかも加速膨張をしているかのように観測される。

余剰次元が織り込まれた有限宇宙の性質Ⅱ
余剰次元が織り込まれた有限宇宙はBやCがAと同じ割合で大きくなる。これは、最大基本無次元量を不変にするからである。一方、無限空間の宇宙はBやCの大きさが不変でありAだけが大きくなる。



余剰次元が織り込まれている10次元宇宙には今までの矛盾を含む宇宙には無い多くの性質があり、その性質は超原理論の整合性を無限大の解釈まで拡張した織り込み操作から導き出されている。

余剰次元が織り込まれている10次元宇宙の性質
(ア)は宇宙の半径を表しており、図では1+1+・・・+1の値で数列の和になっている。(イ)は表面の構造を示しており、 (1+1+・・・+1)² である。球の面積とすれば4πを掛けても差し支えない。
(イ)の表面の構造は宇宙の地平面であり内部とは性質が異なっている。この球は光の速度で膨張しており
内部の真空は光に満たされている。これは、内部のフォトンが光の速度で運動することを意味している。
(イ)に張り付いている真空も光速での運動を要請している。ただ、観測者が(イ)にいる場合にはフォトンが質量を持って地平面に張り付いているように見える。観測者が(イ)にいる場合とは相対速度が光速度に有る場合と同じであるから粒子加速器の実験ではフォトンが質量を持っているように見える。これは、電子の数と関連があり (イ) (1+1+・・・+1)² は宇宙の電子数となる。

余剰次元が織り込まれている10次元宇宙の性質Ⅱ
無限の空間による宇宙の不変量と余剰次元が織り込まれている10次元宇宙の不変量の違いについては以前述べたとおりです。この不変量の違いより、無限の空間による宇宙は宇宙の大きさと年齢は一致する必要があるのに対して、余剰次元が織り込まれている10次元宇宙は宇宙の大きさと年齢は一致しないのである。宇宙の大きさは出来るだけ近い距離にある銀河のドップラー効果から算出される必要があり、これは
電子の重力軌道半径に一致している。すなわち最大基本無次元量に関係する大きさである。また、遠方銀河のドップラー効果は宇宙の年齢に依存している。




B/Dは最大基本無次元量の4乗根になる。Bは古典電子半径、Dはウィークボソンであるが厳密には補正が必要になる。補正は微細構造定数と電弱相互作用の混合によるもので、Bの境界にある。注意する事として、B/CやB/Dはコンパクト化された余剰空間ではない。あくまでも、これらの空間はコンパクト化された余剰空間が織り込まれているワイドな空間である。

目指すコンパクト化された余剰空間をB/Dから導き出すには、QEDが必要になる。QEDによって余剰空間は 1/log(C/D)を係数に持つことになる。今までの織り込み操作の整合性を全て合わせれば、
1/2 、√ 、1/log(Ⅱ) の三要素がコンパクト化には必要不可欠であることが分かる。

B/Dをコンパクト化した空間の性質は独自の織り込み適合にある。この織り込み適合の違いによってワイド空間とコンパクト空間は異質なものとなっている。この織り込み適合の違いがあるためにコンパクト空間はワイド空間と完全に遮断されているのだ。



最大に対称なワイド空間は電子によって記述される空間であるのに対して、内部空間は陽子によって記述される空間である。通常の陽子はアップクォーク二つとダウンクォーク一つが緩く結合しているが、外部から衝撃(素粒子を高速で衝突させる)を受けると強い結びつきになりπ中間子を放出する。また、励起状態でなくても、量子条件よって陽子はπ中間子の雲を周りに纏っている状態にある。図はπ中間子の雲を赤色で表現している。

陽子がクォーク三つの緩い結合状態であることを述べた。では、何故、緩く結合しているクォークを単独で取り出すことが出来ないのか? これは強い相互作用の性質である、強い相互作用は外部からの衝撃に抵抗して強くなりクオークを強く結合させる性質があり、理論としてのQCDである。ただ、QCDだけでクォークを単独で取り出せない理由にはならないのだ。

ワイド空間とコンパクト化空間には織り込み適合の違いがある。これは、10の40乗の数列に10の20乗の数列が織り込まれている宇宙と10の17乗の数列に10の8.5乗の数列が織り込まれているコンパクト化空間との適合性の問題である。織り込み適合がない二種類の空間には物理的な分断があるのだ。しかし、理論的、数学的には分断はエレガントではないので、何としても連続にしておきたいのだ。本来、分断されている状態を滑らかに結合する方法は無いのだが、数学的には存在している。ただ、これは分断されている箇所を無造作にすり合わせているだけであり、整合性もなく物理的に意味のない答えを導き出すことになる。

もう一つの問題はクォークの三元論にある。クォークが三元論で成り立つ世界に存在しているためには
電磁力も同様に三元論で説明できなければならないのだが、電磁力は二元論的な力である。実際問題として二元論的力を三元論的な力に変換することはできないのだ。しかし、コンパクト化空間が内部空間であれば全ての不合理は解消されるのである。これは、三元論的な力を二元論的な力に変換できる唯一の理論である。逆はできないが、こちらであれば可能である。




クォーク間の色力は三元力で、これは内部空間特有の極めて強い力であり、三元力は核力としての相互的な強い力を良く説明している。クォークが三元論的な力学で作用することで必然的にクォークは分数荷電粒子となる。10次元宇宙は三元論的な内部空間を二元論的なワイド宇宙空間に変換することができる。
ただし、この場合の10次元空間は余剰次元の織り込み空間である。(詳細は上図を参考下さい)

①上図からマイナス荷電とプラス荷電の意味合いは異なる。これは、物質と反物質の存在が最大限に偏っている事と関係があるが、それは後で解決する。

②上図から電子や陽子が分数荷電になっているが、この分数は両方に3/2を掛け合せれば消すことができる。ただし、この分数荷電は分荷電として残しておきます。これは分荷電を使うことによってクォークの特徴である分数荷電が整数化される事と同じ意味をもつ。

③クォークの荷電が整数化されると標準モデルは修正を余儀なくされる。分荷電によってクォークの荷電の制約が解かれると存在しない新しい粒子の存在が予言されてしまう。これは標準モデルが根本的に改正される必要性があることを示唆している。

④上図の2dの意味は何であろうか? 2dは内部空間には存在せず、ワイド宇宙空間に存在している。これは、内部空間が三元論的であり、ワイド空間が二元論的であるための構造的な特徴から必然的に説明できる。ワイド空間の地平面は光速度で膨張しており1/∞に収縮している。実際は1/(2.3×10の40乗)に収縮することによって宇宙の地平面の基本領域は遠方から宇宙の中心内側に移動している。すなわち、宇宙の異なる二点は内部で重なっている必要があるのだ。そして、これが2dの意味である。



10次元宇宙はワイド空間と六つのコンパクト化した余剰空間で構成されている。織り込み操作による制約から余剰次元の無次元量は決定しており、コンパクト化した余剰次元は三次元の余剰次元の内部に分離した残りの余剰三次元が入り込んでいる。(上図を参考にして下さい)

内部空間は三元論的な世界で三色の強い相互作用をするクォークで構成されている。電磁力においては、三元論によりクォークが分数電荷を持つことが予想され、バリオンの標準モデルは構築された。三元論的な力が強い相互作用を良く説明できるのに対して、電磁力における三元論は近似値的であり正確ではない。これはクォークの分数電荷を直接見ることが出来ないためであり、クォークの質量に大きな食い違いがあるためだ。これは強い相互作用が三元論的であることに対して、電磁力は二元論的であるために生じている。

ワイド空間は電子で記述される宇宙空間である。電子の反物質である陽電子は電子と対等な関係にあり、
ビッグバン理論で対消滅する関係にある。素粒子物理における対称性の破れは見つかっていますが、非常に特殊なケースであり反物質が消え去るような宇宙を説明するには不十分である。

上図に戻ろう。宇宙は物質空間であり反物質は見られない。反物質は何処に行ってしまったのか?答えは
x(エックス)粒子である。このx粒子は反物質粒子である。コンパクト化された余剰空間に反物質は閉じ込められているのである。

三元論に戻ろう。電磁力の三元論は殆ど意味を持っていない。では何故、電磁力を三元論的に考える必要があるのか? これは強い相互作用が三元論的な力であるためだ。電磁力が強い相互作用に統合される必要があるためである。電磁力が三元論的な力であるために、クォークは分数電荷をもつのである。しかし、三元論的な電磁力は前に示したように二元論的な電磁力に変換できた。すなわち、分電荷を使えば
クォークの分数電荷は必要ないのである。ただ、クォークの分数電荷が間接的に確認できたと主張することもできる。バリオンには非常に稀なケースが現れる。このバリオンは電荷 +2/3、+2/3、+2/3 をもつクォークで構成されており、+2電荷をもつのである。

上図に戻ろう。ここで、+1電荷の x(エックス)粒子が現れた。x粒子はプラス電荷の反物質である。そして、物質と反物質の完全なる対称性を満たしている必要があるのだ。バリオンにはマイナス2電荷の粒子は存在しないか、確認できないほどの稀なケースである。しかし、プラス2電荷のバリオンは稀にではあるが存在している。この対称性の破れこそがワイド空間における反物質消滅の答えなのだ。

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