アプリコット プリンセス

チューリップ城には
とてもチャーミングなアプリコット姫がおりました

中性子星の謎 ⑶

2023-12-06 11:04:11 | 理論物理学 素粒子


 活動的な中性子星と活動ブラックホールには類似点がある。両者は、よく似ており、周りの物質を飲み込む事によって強力なX線で輝いている。

 重力崩壊で作られる仮のブラックホールは、強力な重力で周りの物質を飲み込んで成長する。そして、実ブラックホールを持たない仮の中性子星も同様に、周りの物質を飲み込んで成長する事になる。

 仮の中性子星は、周囲の強力な磁力線の周りを渦巻き回転しながら回転軸の極にプラズマ粒子が飲み込まれてゆく構造になっている。

 しかし、天文観測から得られる、実ブラックホールと、実中性子星には、仮のものとは異なった性質がある。

 共に、飲み込んだ物質を大量に ジェットとして吐き出している。(中性子星の場合には、小さな星と大きな星で性質が異なっていると考えられる)

 理論的には、磁力線に沿って極に運ばれたプラズマ粒子は仮のものに飲み込まれてしまうのが道筋ではあるが、逆に吐き出されているのだ。(準光速度で放出されている)

 ジェットの仕組みは良く分かっていない。本来であれば飲み込まれてゆく筈の物質が逆に放出されている。

 太陽にも似たような状態が存在している。本来であれば太陽磁場で太陽に再吸収される筈のプラズマ粒子ではあるが、強力な磁場によって太陽風となって放出されている。

 太陽に於ける太陽風のようなものがジェットであると考えると、太陽のダイナモ効果に相当するものがジェットの発生源になる。しかし、太陽のダイナモ効果に相当するシステムは実中性子星には使えない。

 太陽には二種類の磁場があり、一つは黒点に現れる強力な磁場、一つは太陽の自転によって現れる弱い磁場である。

 実は、中性子星の強力な磁場は中性子星の強烈な自転によって作られている。これは、太陽の黒点に現れている磁場ではなく、むしろ、太陽の自転によって作られている磁場と同じ性質であると考えられる。
 
 中性子星は1秒に何十回転もの高速の自転をしており、この高速回転に振り回されたプラズマ粒子が強力な磁場の発生源になっている。このような磁場が発生していれば、プラズマ粒子は磁力線の周りを渦巻き回転して中性子星の極に流れ込むことになる。プラズマ粒子は磁力線に沿って動くことはできるが磁力線から離れることができないために磁力線に垂直な方向には強い制約が掛かる。

 このような強い制約を振り切って、逆方向に弾き飛ばされるような動きをしているのが、ジェットである。

 仮ブラックホールや仮中性子星のジェットは説明が難しい。しかし、天文観測による、実ブラックホールや、実中性子星には、強力なジェットが存在している。
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