ゆっくりと世界が沈む水辺で

きしの字間漫遊記。読んでも読んでも、まだ読みたい。

森福 都【ご近所美術館】

2016-02-10 | 東京創元社
 
本は買う一方で実際に読むことからは(書くことはもっと)遠ざかっていた昨年、読書習慣をちょっとでもキープするために読んでいたリハビリ的な本たちのなかからいくつか。その2です。

森福さんの『ご近所美術館』。
久しぶりに名前をみつけて即買いしました。

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 ご近所美術館

 著者:森福 都
 発行:東京創元社
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この作品、舞台となるのは、街中の小さなビルの中にある美術館です。
とある漫画家のかわいらしい作品をみたり、本を読んだり、コーヒーを飲んだりと、知る人ぞ知る憩いの場になっています。

そこにいるのは美術館館長(そりゃあ、うら若き美女です、当然。)、館長の妹(漫画家さんで、打てば響くような利発さを持つ姉思いのいい子です、当然。)集う常連さんにはサラリーマン(館長さんにひとめぼれです、これまた当然のごとく。)、お子様連れのママさんや、お散歩途中のおじさまと様々。
そんなふつうの人たちの周囲で起きる小さな事件の顛末が描かれていくミステリです。

私の中で森福さんといえば、『長安牡丹』『琥珀枕』。
とにかくこの2冊は読んだ時の「好きだわー、これ」という感覚の印象が強くて、そのせいか、この作品に関しては可もなく不可もなく、するりと読了してしまいました。
暗くなくて、でもほんのちょっと苦味もあってというほどほど感。
でも、それはそれで貴重な1冊だと思います。
単純な楽しみのために読んでいる本でいらいらしたくないですものね。

内容よりも思うのは、こういうところが身近にあったらどんなにいいかしらということ。
気持ちのいい挨拶ができて、静かな居心地の良さがあって、ゆっくり息ができるようなところ。できれば、夜もちょっと遅めの時間までやっていて…。
もちろん、事件なんて起こらなくていいし。ああ、いいなぁ…。

…と、あれこれ考えることのほうに気持ちがいってしまう1冊でした。


 

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