外来をやっていると時々、しゃっくり の相談ありますね。
しゃっくり
しゃっくり 吃逆 といいます。
英語でHiccoughs・Hiccups というようで、Hic という音に 咳という意味のCough をくっつけたものが語源だそうです。
繰り返す不随意な横隔膜の反射性収縮とそれに引き続く突然の声門閉鎖 なんて定義されていますが、簡単には横隔膜のけいれんで起こっています。
しゃっくりは子供でも大人でも赤ちゃんでもおそらく誰しも経験があると思います。
一般的には 短時間(数秒から数時間)で収まりますが、まれに2日以上続く持続性吃逆や難治性吃逆と言われて、1か月以上続くしゃっくりで困る人もいるようです。
なんどか外来で相談された例は大体がしゃっくりを繰り返す(吃逆発作)が頻繁に繰り返す例でした。
吃逆の一般的な原因は 食べすぎや炭酸飲料、呑気、胃の温度の急激な変化、飲酒などが言われています。
難治性の吃逆の場合は、何らかの体の異常がある場合もあり、しつこい吃逆では検査が必要な場合もあります。
胃の膨満(イレウスや呑気症)胃食道逆流、横隔膜周辺の感染や炎症(肺炎・腫瘍浸潤)、尿毒症、高血糖、アルコール薬剤なども原因として指摘されています。その他、中枢性の原因として脳卒中や脳腫瘍、横隔膜を刺激するような大動脈瘤など など
原因としてたくさんの疾患がありますね。
さて
どうやって止めようか そこも結構重要です。
慣習的には?? 子供たちとよくやりますが、「わっ」と驚かせてもらったり。
豆腐は何からできる? と質問してもらったり、なすびは何色?と質問してもらったり・・・
あとは、コップの水を半分くらい入れて、反対側の淵からのむ・・・などでしょうか?
これでも、実際止まることもあり、大体はこんな感じで遊んでいる間にとまります。
その他の実際の方法は 息止め法といって、息こらえをする(バルサルバ法)や冷たい水をゆっくり飲む(鼻咽頭・口蓋垂刺激)、目をつぶってぐっと抑える(迷走神経刺激)、膝抱えや前かがみ(横隔膜への刺激を減らす)などが、非薬物療法でありますが、実際の効果のほどは人それぞれかもしれません。
薬ではクロルプロマジン(コントミン)が唯一、吃逆への保険適応が認められています。ただ、眠気がでるのが、問題です。
メトクロプラミド(プリンペラン)も胃膨満などが原因の場合は効くようです。その他、ガバペンチンなど多剤も使用がトライされていますが、なかなかこの症例にはこれ!というのは難しそうです。原因がいろいろですものね。
総合病院に勤めていた際には院内調合の柿のヘタの煎じエキス(柿蔕(してい)液)を使用したり、結局コントミンに戻ったり。
いろいろ試してみましたが、最近調べていたら、漢方薬も効きそうなものがありそうです。
芍薬甘草湯などは適応はありませんが、筋肉の緊張を緩めるという意味で、吃逆にもききそうです。
その他、呉茱萸湯や半夏瀉心湯(これは以前、げっぷが続く症状の人にも良く効きました)
しゃっくり、100回続いたからと言って、死ぬわけではないですが、たかがしゃっくり、されどしゃっくり。
悩んでいる人はいろいろ試してみるのもよいかもしれませんね。