兵庫県加東市の青山医院の日記です!

日常のこと 診療のこと 医療レーザー治療のこと その他お知らせを書いていきたいと思います

高齢期における『低栄養』に注意

2022年06月30日 | Weblog

6月から引き続き、糖尿病学会総会の聴講に続き 今は内分泌学会総会の聴講をこつこつと行っています。

長時間の講演はなかなかいっぺんに時間が取れないので、朝の1時間などで細切れです。

それでも、なるほどと思ったり、日常的に役立ちそうな知識が溢れていて、おもしろく聴いています。

 

 

日常診療では初めましての来院の方もちらほら。特に最近気になるのが、熱中症の方の点滴治療が多いこと!

毎日、数名が点滴をしています。当院にしてはとても珍しい光景です。去年より多いかもしれません。

 

健診結果をもって来院される方もとても多いです。いつも通ってらっしゃる方も5月の町ぐるみ健診の結果を握りしめてきてくださいます。

定期の来院採血の中で高齢者で多いのが低栄養 総蛋白やアルブミンの項目が低いいわゆる『低栄養』です。

 

厚生労働省がまとめた「日本人の食事摂取基準2015年版」では高齢期における低栄養の危険が初めて取り上げられました。

低栄養がなぜ問題かというと、それは筋肉の量と関係しています。筋肉量が減ると運動能力の低下による転倒事故の増加、さらには転倒による骨折がきっかけとなって、寝たきりになってしまうといったことがありえます。

また、筋肉量が少ないと身体に水をため込む量が少なくなり、今の季節は特に熱中症になりやすくなります。

 

筋肉はタンパク質を摂取しなければ、作ることができません。低栄養の最大の原因はたんぱく質の摂取不足です。

実は70歳以上の人でも数値的には18歳の時と同じくらいのたんぱく質摂取が推奨されています。(1日当たり男性60g、女性50g)ただし、腎機能が悪い人などは積極的な摂取は推奨されませんので、気になる人は主治医の先生と相談してくださいね。

今回、学会の聴講で学びましたが、たんぱく質も1日トータルで何gと摂取するよりも、できれば朝食時にきちんとタンパク質を摂取する。また、毎食ちゃんと摂取する というのが効率的だそうです。朝食のタンパク質摂取が大切ということでしたので、朝食内容少しでも見直ししてみようと思いました。

 

 

高齢者における低栄養のもう一つの原因としては「食の楽しみを失いがち」ということにもあります。

食の楽しみを保つ秘訣は、おいしいと感じることを誰かと共通しあうことですが、現在では一人で食事をとる孤食の方が増えてきました。当院の通院患者さんでも、お嫁さんが作ってくれたご飯を部屋に運んでもらって一人で食べる という方が割といます。

 

健康に生活をしていくうえでも、できるだけ、ご家族や友人と食事をする機会を増やすとよいと思います。さらにはご自身で食べたものを写真に撮って、簡単な文章を添えて気軽にインターネットにアップしてみるのもいいかもしれません。

こうしたことから、おいしさの共感が広がって、それは食の楽しみを支える大きな要素の一つになります。

 

参考になれば幸いです。

今日も熱中症対策しっかりとして、元気に過ごしましょう!

 


 

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ジャガイモのソラニンは何個食べたら問題か?!

2022年06月29日 | 病気

新じゃがの季節ですね。少し前に自宅のジャガイモも掘り終えました。

美味しいジャガイモを頂いたりもあり、昨夜の夕ご飯も肉じゃがです。

 

 

ジャガイモ料理が多い季節ですが、ジャガイモの芽ってどのくらい食べたら身体に悪いの? という面白い質問があったので

調べてみました。じゃがいもの芽や緑色になってる部分はせっせと取り除いてお料理しますね。

でも、たぶんちょっとは口に入ってしまっていると思います。

 

天然毒素といわれるソラニンやチャコニンと言われる成分が健康に影響を及ぼします。

今まで私自身は見たことがないのですが、ソラニンやチャコニンは食中毒を起こします。吐き気や下痢・腹痛・頭痛・めまいなどの症状です。

特に子供の食中毒が多いようなので、小児科の先生であればお目にかかったことがある先生もいるのかもしれません。

 

FAO/WHO合同食品添加物専門委員会(JECFA)の報告では1992年にソラニン、チャコニンのリスク評価がされています。

人の食中毒データからはソラニン・チャコニンなどのグリコアルカロイドを体重1㎏あたり1㎎摂取すると食中毒症状が出る可能性があるようです。さらに体重1kgあたり3‐6㎎以上の摂取で致死量に至る可能性があります。

 

一般的な販売されているジャガイモのグリコアルカロイドの濃度は2‐10mg/100g程度のようです。

 

ジャガイモの大きさが 売られているものでだいたい100gから200gです。

なので、大きめのジャガイモを2個食べてもグリコアルカロイドは4‐20㎎

体重が60㎏の人が万が一ジャガイモのソラニン・チャコニン中毒になるとしても、大きめのグリコアルカロイド濃度の高いジャガイモを6個以上摂取になります。なかなかジャガイモだけど6個も食べるのって難しいですね。

そのため大人の中毒は少ないのかなと思います。

反対に子供は20㎏の子供で大きめジャガイモ 2個でももしかするとグリコアルカロイド中毒になるかもしれません。

 

そういった意味で子供のほうが注意が必要です。

国内の食中毒事例に関しては2016‐2019年で総患者数16-32人といずれも小学生での食中毒事例が多いようです。

頻度は多いわけではないですが、子供の場合は体重当たりのジャガイモの消費量も多くなり(わが子もジャガイモ料理は大好きです)結果として体重当たりのグリコアルカロイドの摂取量が多くなりがちということです。

 

偏った食事にならないように

ジャガイモの芽や緑の部分は大きく取り除いて

 

旬の食材を楽しめるとよいですね。

 

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ツマグロヒョウモン

2022年06月23日 | Weblog
なかなかブログに向き合う時間がなく、簡単な投稿ばかりです。
子供達の影響で今年も庭先で捕まえたツマグロヒョウモンを育てていました。

幼虫の写真は苦手な方もいるのかなと思うので遠慮しまして

さなぎはOKでしょうか?
それでも、今年は同時に6匹蛹になったのでちょっと気持ち悪く感じる人もいますでしょうか?!

幸い今年もビオラをたくさん育てていたので餌には困らず、サクサクと大きくなり

先日から次々に蝶に羽化して飛び立っていきます。





同時に2匹蝶になりました

その後は1匹ずつですが、蛹から出てきたばかりの蝶は本当に瑞々しく生命力に溢れて美しいです。
羽をパタパタと乾かして、飛び立つ優雅な姿は何度見ても飽きません。





昨日の子

だいたいは庭の花に止まるので、ちょっと追いかけてみたり。

夏の花も少しずつ咲き揃ってきましたね。




夏至をこえ、少しずつ季節の移り変わりを感じますね。今日もとても暑そうです。
熱中症注意でお過ごしください。






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コロナワクチン接種後の血尿

2022年06月21日 | 病気

しとしと梅雨らしい雨が降っています。

暑さがちょっと和らいで、ほっとしています。

 

先日、クリニックに電話問い合わせがあった内容がわたしが知識が乏しく、検索をしてみました。

コロナワクチン接種をした後に、目に見える血尿(肉眼的血尿)があったが、今は目には見えないが、検査をしたら血尿を指摘されるという内容でした。

 

当院でワクチン接種をされた方ではないので、年齢や性別などは不明なのですが、腎臓内科やかかりつけの病院では相談をされたそうです。

ワクチン後の副反応は倦怠感・発熱・頭痛・腕の痛みなどが圧倒的に多く、また帯状疱疹などの免疫のバランスが崩れることでの疾患も副反応として起こるようですが、血尿のお話は初めてでした。

腎臓内科学会のホームページにはワクチン後の血尿に関して記載があり、昨年の夏には

『COVID-19ワクチンと肉眼的血尿の関連についての調査』に関しての報告も発表されています。

⇒PDFファイルです。

https://jsn.or.jp/medic/data/Questionnaire_results.pdf

 

陽性者は全例がファイザーのRNAワクチン接種者で、女性の方が多かったようです。年齢も40歳以下の若年が7割弱。

2回目のワクチン接種後に出現した例が約7割、1週間以内に改善した例が約8割とのことです。

すでにIgA腎症の診断がついていた方が7割、残りの3割は診断されていない方だったということです。

その後、自然軽快例がほとんどのようではありますが、尿所見の悪化も一過性で腎機能障害の進行には至っていないという内容でした。

 

血尿では膀胱に異常がないか、尿路系に問題がないか ということで泌尿器科を受診しがちですが、腎炎やIgA腎症などの血尿では泌尿器科ではなく腎臓内科での検査が必要になります。

何か月も続く、血尿などでは腎臓内科での精査を検討する方がよいのではないかと思います。

 

 

あいにく、当院では慢性腎臓病のフォローは可能ですが、急性の腎炎や腎疾患の診断を行うことはできません。

腎臓内科にご紹介することは可能ですので、心配事がありましたら一度ご相談ください。

今回の症例はお電話ではありましたが、大変勉強になりました。ありがとうございました。

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またまた蛍!

2022年06月20日 | 地域
今の季節が苦手です。
急に暑くなって湿度も上がり、一気に食欲が落ちます。
気温が低くなってくると少し活動しやすく、週末の夜に、今週も蛍に行ってきました。


先週よりさらにたくさん飛んでいました。

昨日の神戸新聞の記事にもなってましたね。
そちらは加美の方のお写真だったと思います。

どこでも蛍飛ぶ時期ですね。





三脚持って、カメラ設置して、撮影も。


頭の上を飛ぶ蛍もいて、手の中で光らせてみたら。こどもたちも良い体験ができました。
蛍は慌てて逃げました。


今週は雨が多いようですね。
よろしくお願いします。




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ワクチンデー

2022年06月18日 | お知らせ
おはようございます。
今日はファイザーワクチン接種日です。
通常診療に並行して行いますので多少混雑が予想されます。
よろしくご理解お願いいたします。


また、7月以降の加東市ワクチン予約枠も6月16日からオープンしています。
当院では休診日を除き毎日接種可能な予定です。

3回目接種の方、及び主に4回目接種の方が対象です。
使用ワクチンは7月以降は全てファイザー製になります。


必要な方はご予約ください。
今日も暑くなりそうです。熱中症対策しっかりでお出かけください。




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梅雨時期から熱中症

2022年06月17日 | 病気

暑いような、涼しいような 蒸し蒸しするような

なんだか変なお天気ですね。

今日も日中は気温が上がるようですが、雨上がりの湿度上昇も心配されます。

 

昨日、幼稚園の迎えの際に娘の同級生がふらふらしてしんどかった~というのを聞いて

あーー もう熱中症気をつけなきゃな季節だな と感じました。

 

真夏を迎えると熱中症予防 が言われて、気を付ける人も多くなりますが

炎天下で急に発症するタイプだけではなく、屋内で徐々に症状が出現するタイプもあります。場合によっては命にかかわることがありますので、注意が必要です。

 

身体が暑さに慣れていない梅雨時期から急増してきます。特に梅雨の合間の晴れ間は特に 湿気と気温のダブルパンチです。早めの備えも肝要です。

 

消防庁の統計では2020年6月から9月の間で約6万5000人の人が熱中症で救急搬送されています。また、同年の熱中症死者数は1528人に上り、その8割以上が65歳以上の高齢者です。

 

熱中症というと 健康な若者や中年世代がスポーツや労働作業中に急激に発症する労作性熱中症と

主に、屋内で起こり、高齢者や乳幼児が数日かかって徐々に重症化する非労作性熱中症に大別できます。

 

労作性熱中症になりやすいのは

①急に暑くなった日 ②風があまりない日 ③熱帯夜(夜間の最低気温が25℃以上)の翌日 です。

湿度だけが高くても発症することがあり、暑熱順化(体が暑さに慣れること)が不十分な梅雨の合間の晴れた日や梅雨明け直後に急増します。肉体労働では仕事の初日、休日明けに熱中症による死亡事故が多いこともわかっています。

 

一方、非労作性熱中症に関しては 盛夏に熱波が襲来して猛暑日と熱帯夜が連続した時に注意が必要です。

特に高齢者は注意が必要で、のどの渇きを感じにくくなったり、エアコンを使わない習慣があったり、ひどい人は真夏に冬の下着でもこもこしたりしています。周りが特に気を配って、温度調節をしてあげる必要があります。

 

3度の食事はしっかりとりましょう。中でも、夜の長い間に失われた水分・塩分・栄養補給に朝食は必ず取った方がよいです。

水分補給も欠かせません。少量でよいので、こまめにとることが大切です。

汗をかいた後はスポーツドリンクや塩飴なども利用が良いと思います。塩分・水分の両方の補給が必要です。

ただし糖尿病がある人など栄養管理必要な方は主治医の先生とご相談ください。スポーツドリンクはけっこう血糖が上がります。

 

涼しい環境づくりも必要ですね。人により快適温度は異なりますが、気温が28度以下、湿度は70%以下が目安です。

 

これからの季節、夏までまだまだ不安定です。ちょっと早い?と感じるかもしれませんが熱中症対策は必要になってきます。自身に限らず、周りの高齢者、子供たちの環境も見てあげてくださいね。

 

参考になれば幸いです。

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そろそろ紫陽花の季節

2022年06月14日 | 地域
クリニック桜の下に紫陽花の木が数本あります。
まだ先始めというところですが、子供の幼稚園の紫陽花がきれいに咲き揃っていたので、神戸フルーツフラワーパークにお出かけしてきました。


週末の午後のちょっとしたお出かけに最適な距離です。


私のお目当てはアナベル

子供達のお目当てはソフトクリームと遊園地


目的が違ってもお互い楽しめると良いですね






全体的にまだ、真っ白ではなく緑がかっていました。満開一歩手前という感じでしょうか?!


関西地区も今週、梅雨入りの様ですね。
紫陽花がますます輝きます。

クリニックの紫陽花も楽しみです。



コメント (2)
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旬の食材 とうもろこし

2022年06月09日 | 旬の食材

季節がめぐり、静岡の親戚から今年もとうもろこしが届きました。

甘くておいしいトウモロコシは子供たちも大好きです。

春の筍と同様に皮をむくのも楽しいようで、ワイワイと皮むきしました。

 

普通にかぶりつくのは難しいようで、数日前はトウモロコシご飯に。


とてもおいしくいただきました。

 

 

さて、以前も紹介したのかもしれません。

トウモロコシのお話です。

トウモロコシは主食として食べられる国もあるように炭水化物の成分が多くあります。

生のとうもろこし100g(1/3~1/4本)に含まれる糖質は12.5g、食物繊維は3.0gです。

ご飯100gの糖質は38.1g、食物繊維は1.5gです。つまり、とうもろこしの糖質はご飯の半分以下であり、食物繊維はちょうど2倍含まれます。糖質は身体を動かすためのエネルギーになります。

また、食物繊維は便秘予防にも効果があります。一方で美味しいからといって、食卓でご飯も食べて、トウモロコシも食べて・・となると糖質が多くなり、カロリーオーバーです。血糖や体重が気になる方は影響がありますので、注意してくださいね。

 

またトウモロコシはビタミンB1、B2、E も豊富です。

ビタミンEの抗酸化作用やB群の作用でお肌にもよさそうです。

また、リノール酸も豊富です。こちらは体外からしか摂取できない必須アミノ酸になります。

血中コレステロールや中性脂肪値を抑える働きがあり、高血圧や動脈硬化を抑制するため、生活習慣病の予防にも優れた効果を発揮します。カルシウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富に含まれています。

 

トウモロコシは取ってすぐが一番あまくて美味しいです。

購入されたらすぐに茹でて食べる もしくは冷凍保存も可能ですよね。

 

旬の味をぜひ楽しんでください。

 


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液体窒素入りました

2022年06月08日 | 病気

液体窒素は-196度の低温で幹部を凍結することで病変部を脱落させる治療です。

ウイルス性疣贅(イボ)、首のイボ、脂漏性角化症(老人性イボ)などが保険適応で治療が可能です。

イボの種類・治療 | 薬局、薬、病気のブログ

↑首イボです

 

当院では必要時に液体窒素を入荷しています。

6月8日に入りましたので、1週間(6月15日ごろまで)ほど治療必要な方はご利用可能です。

イボで悩んでいる方はご連絡ください。

 

 


 

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