じめじめ 蒸し蒸し 暑い毎日です。
今日は雨が降っていないのですが、やはり湿気が多くて気持ちが悪いですね。
当院周辺でもコロナ感染者が増えています。コロナ以外にも咳やのどの症状の方、1-2週間前からはお腹の具合が悪い方も多い印象でした。
さっぱりとした食事が食べやすいと思いながらも、加熱をしていないと食中毒が心配だな とおもう季節です。
食中毒とは、身体に有害な細菌などを食事を介して摂取してしまうことで、胃腸炎など様々な症状が起こるものです。
重症化すると命にかかわることもありますので、日ごろから清潔を保つことが必要です。
食中毒には毒キノコなど、もともと有毒なものを誤って口にして中毒を起こすものもありますが、今回はご家庭で起こりやすい「細菌性食中毒」について書いてみます。
細菌性食中毒には「感染型」と「毒素型」の大きく2種類があります。
感染型は食品についた細菌を食べてしまい、細菌が腸管で増殖して感染し、症状が引き起こされるものです。
例;①生肉を切った包丁をよく洗わないままに野菜を切る
②包丁を介して生肉についていた細菌が野菜に移る
③その野菜でサラダを作る
④サラダを食べて、野菜に付着した細菌に感染することで食中毒が起こる
感染型の細菌には、サルモネラ菌・カンピロバクター・腸炎ビブリオ・ウェルシュ菌・病原性大腸菌(O157)などがあります。
一方、毒素型は次のような発症の仕方をします。
例;①すでに食品の中で細菌が繁殖している
②その食品を食べることで食中毒が起こる
毒素型の場合は、すでに細菌が繁殖しているので、潜伏期間が短いのが特徴です。ボツリヌス菌・黄色ブドウ球菌などが毒素型の細菌です。
食中毒の原因となる細菌は腸管に感染するため多くが急性胃腸炎をおこします。
嘔吐や下痢、腹痛の他、高熱を出す場合もあります。これらの症状は脱水状態を招きやすいため、白湯やスポーツ飲料・経口補水液などの水分を補うことが大切です。
子供さんや高齢者は重症化をすることがありますので、我慢せずに早めに受診をした方が良いと思います。
下痢などの症状では基本的には下痢止めは処方しません。有害な細菌や毒素は出し切ってしまう方が結果として早く治るためです。薬によって体にとどめてしまうと、症状が悪化したり長引いたりする可能性があります。
当院では 基本的には下痢止めは処方しませんが、どうしても の場合にのみご相談のうえで処方しています。
食中毒の予防対策例としては
・刺身などの生ものは最後に買い物をして、保冷バックに入れる。できるだけ早く帰宅し、冷蔵庫へ。
・食べ物はなるべく冷蔵保存し、早めに食べる
・食品や調理道具を触る前、食品を触った後は必ず手を洗う
・包丁・まな板は常に清潔に。魚・肉用と野菜・果物用で分けるのが理想的
・包丁・まな板はこまめに殺菌を。塩素系台所用スプレーが有効
・熱湯消毒も手軽で効果が高い。
・食品調理は75度以上で1分以上加熱
・残った食品は完全に冷ましてから、清潔な容器に移して、冷蔵もしくは冷凍保存する
・スマホやパソコンのキーボードは本当に汚いです。食事前には必ず手を洗う
いろいろと書きましたが・・・
いくら気を付けていても食中毒になることもあると思います。どうしても症状が出てしまった場合は、飲水だけはしっかり摂るように心がけてください。
我慢せずに病院受診もお勧めします。
参考になれば幸いです。