青草俳句会

草深昌子主宰の指導する句会でアミュー厚木での句会を主な活動としています。

「青草俳句会」吟行報告

2019年11月15日 | 吟行記
11月8日青草俳句会では南足柄市の最乗寺に吟行を実施しました。
当日は丁度立冬に当たり、少し冷え込みましたが元気いっぱいの青草会員22名が集まり、電車バスを乗り継いで最乗寺に向かいました。
今年の晩秋から初冬は紅葉の遅れが目立ち、せめて薄紅葉でもという切ない願いもむなししく青々とした葉っぱを見上げていました。
それでも最乗寺の広い境内には天狗伝説をはじめ古刹の風情てんこ盛りで、皆さん佳き俳句を詠いあげて句会を盛り上げました。

(草深昌子主宰5句)
老杉の丈をそろへて山眠る            
杉の木のひとくらがりも小春かな
立冬の三百段をのぼりきる            
着ぶくれて天狗に会はんかと思ふ         
杉の根に洞なきはなき神の留守          

(以下主宰選「特選句」清記番号順)
冬に入る天狗の鼻の影長し           まつを
おしやべりの遠くに聞こゆ暖房車         小径
くろがねの大下駄供へ落葉かな         まさ一       
神の旅金剛水は切れめなく           かづ乃 
沢の音に音奪はれて冬の森           翠 
杉落葉朴の落葉や和合下駄             昌緒          
水神の小さく御座す冬紅葉           きよ子
大杉の間の日輪冬に入る            昌緒          
花八手見開く金の天狗の目           しょう子 
突風は天狗のあそび冬立つ日          金太郎
幾百年生きてまつすぐ杉の冬            翠
杉仰ぐ狭間の空や今朝の冬           あき子
リフトより僧侶降り立つ山の秋          きよ子
水神の肌の白さや冬日和            さとみ
高下駄に落葉掃かれて最乗寺          きよ子
百段の磴の一歩や今朝の冬           黎
(記事 坂田金太郎)


青草中央句会「芭蕉記念館及び清澄庭園周辺」吟行記 

2019年11月01日 | 吟行記

 令和元年十月二十二日(火)、「即位の礼」の祝日、台風二十一号は温帯低気圧に変わったものの午前中、関東地方に激しい雨と風をもたらしました。気温は十一月相当の低さといわれました。折しもその中での中央句会開催となりましたが、熱意ある二十八名がうち揃い楽しくも有意義な句会となりました。

 芭蕉記念館は、芭蕉ゆかりの地である江東区に位置し、その名の通り様々な資料が展示されていて近くには芭蕉稲荷人社があります。墨田川堤防沿いには芭蕉の句が掲げられています。しばらく行くと、芭蕉庵史跡展望庭園で、芭蕉像と句碑のそばには萩が咲いていました。

 そして、小名木川にかかる万年橋を渡り、町中に入ります。高田川、錣山、尾車といった相撲部屋も皆ビルとなり、今は木の看板ばかりに相撲の情緒を留めています。

  部屋の名に山また川や雁渡る    昌子

  秋時雨江戸深川に来てをりぬ    わこ

  相撲部屋蔦の紅葉の初めかな    さとみ

  秋深むもんじや焼屋の赤提灯    小径

  大川の観光船や秋時雨       あき子

 この辺りから清澄庭園は間近です。祝日であるにもかかわらず、荒天のためか人影もまばらな庭園の、何処もたっぷり水を含んだ風情は、いつにも増して美しく、池の中の島の青鷺が雨に打たれてじっと立っているかと思うと、一方では若い鴨たちが元気いっぱいに水に戯れていました。木々はほとんどがまだ緑で一枝、二枝の先に紅葉が始まったばかり、滑りやすい石に気を取られ、寒さの中で震えながら、この景色に見とれました。

   秋惜しむ雨の飛び石伝ひかな    昌子

  色変えぬ松やはるかに即位礼    まつを

  秋園の数寄屋百年屋根の艶     いづ

  こぼれ萩雨に堰きつつ押されつつ  ちとせ

  石橋の青き縞目や秋の雨      きよ子 

  赤石の赤の際立つ秋黴雨      草蛙

この界隈には深川江戸資料館があり、江戸の町が再現展示されていて、時代小説のあれこれの名場面を彷彿とさせ、興味深いものでした。

  深川や江戸の長屋の暮の秋    秀弥

  頭陀袋下げて飯屋に火の恋し   園子

  句会場は芭蕉記念館の研修室で窓から墨田川が望める、情趣溢れるお座敷でしたが、和室での句会は初めてでしたので、どうなりますことかと少し心配でしたが、この地に相応しい落ち着いた雰囲気の会となりました。

そして、句会の途中には一瞬日が差しこむこともあり、閉会の頃には完全に天候は回復しました。

  大川に雨の上がりて柳散る    昌子

  すつぽんの貌突き出すや初紅葉  光子

  水嵩を増し、荒ぶる墨田川を眺め、風雨に煽られ、足元を濡らして歩いたことは、きっといつまでも、私達の心に刻まれることでしょう。〝雨の日は雨を愛そう、風の日は風を好もう〟という言葉で始まる詩がありますが、この日はその境地をはるかに超えていると思いました。これが、吟行の醍醐味というものでしょうか。

   逆まきの隅田の流れ鴨渡る    金太郎

  冷まじや鷗吹かれて波の上    昌緒

 

記事 佐藤昌緒  


「青草俳句会」吟行記

2019年10月20日 | 吟行記

令和元年9月26日(木)、これ以上ないというほどの秋晴のもと

青草俳句会一行22名は飯山観音へ吟行した。

飯山観音と称される長谷寺(ちょうこくじ)は坂東三十三観音霊場第六番札所である。
  

当日の作品から

主宰作品

観音に千の雑木や天高し       昌子
庫裡橋を真つ赤に藤は実となれり
蝶々の黒いのがくる曼珠沙華
秋晴や遍路の鈴の一つ鳴る
ぎんなんやここはさがむの金剛寺

 

主宰特選句

犬槙の幹のうねりや秋の声         小径
どんぐりやつま先力む坂の道        きなこ
天高し二天忿怒や千社札          一父
山道の切り株に座し秋扇          ひろ
石段のゆがみ割れ目や昼の虫         さとみ
目の前の木陰に一つ烏瓜          一枝
暗がりに藤の実垂るる金剛寺        珠水
一人行く飯山の坂蚯蚓鳴く           博祥
欄干のほどよく温し秋の水           かづ乃
刈田道夕やけ小やけ歌ふかな          美知江
蜘蛛の囲のしかと組まれて秋の風      草蛙
犬槙の六百年や蔦かづら          一父 

 

(小鮎川にかかる万年橋で記念撮影)

記事、写真 松尾まつを


「青草中央句会」 春の吟行記(小田原城址公園)

2019年04月16日 | 吟行記

去る4月5日(金)、桜満開の小田原城址公園に青草会員31名が集まり「青草春の中央句会」を実施しました。

前日までの寒い花曇りも当日はきれいに晴れ上がり、桜も天守閣も青空にかがやく中、会員は広い園内に散らばり、春のひと日を楽しく句作に励みました。

 

主宰作品

   豆汽車はいま満席のさくらかな        昌子

   松高く戦ぎて城の花盛り

   花人に波の寄せ来るやうな雲

   

今回主宰には沢山の選をいただきました、その一部を清記順に掲載します。

    主宰選

   春風や外郎売の長科白           詠司           

   霾や堀の水面の深緑            かづ乃

   麗かやサイドカーにはブルドック      園子

   硝子戸にゆがむ初島花の昼         小径

   学舎は瓦屋根なり入学す          さとみ

   紋章のごとく地べたのきらん草       国彦

   春嵐千年の木を揺す振れり         みわ

   小田原のお堀の桜吹雪かな         結季

   若草の生ふるままなる茶庭かな       昌緒

   桜東風犬抱き上げて天守閣         金太郎

   強東風や鋼打ちたる常磐木門        ひろ

   石段の隅に落花のたまりたる        桂香

   石垣の崩るるところ花吹雪          草蛙

   石垣は武士の鎧ぞ柳蔭            白雲

   京都まで百一里とか花筏           博祥

   天守閣仰ぎて榠樝の花や美し         虹子

   老木の瘤より花の開きけり          一枝

   常磐木の間に間に城の桜かな         しょう子

 

(間 草蛙記)   


清川村吟行

2018年12月18日 | 吟行記

 12月14日、青草句会の花の会グループで清川村役場内のコミニテ室を借りて吟行句会を実施しましたので報告いたします。

 当日は18名の予想を超える多くの会員が集まり、前日まで薄ら寒い曇り日を吹き晴らして、快晴の冬日の中気持ち良い佳句が多く投句されました。

 愛甲郡清川村は神奈川県唯一の村で若者に人気の観光地宮ヶ瀬ダム湖があります。
紅葉はそろそろ終わりでしたが、それでも杉の緑とのコントラスト美しく、里山が光り輝き眠りに入りつつある里で見つけた光景、発見の俳句をご覧下さい。

(国彦さん、部屋の予約から、当日の準備、案内お世話さまでした。有り難うございました)


  

  てつぺんに大きな岩や帰り花   昌子

  千両や干し物多き山暮し

  音あげて谷太郎川や冬ぬくし

  岩座の木の葉時雨となりにけり

  磐座をそびらに日向ぼこりかな

 

 

    草深昌子選

  白菜の干され車の屋根にあり       結季

  冬日差祠に二つ五円玉        小径

  空き缶の草に埋もるる帰り花     結季

  村一つ光りの先の山眠る       波

  ブロッコリ葉の勇ましき日向かな   きよ子

  奥津城の裏を登るや冬紅葉        小径

  煤ヶ谷に日の差しかかる冬紅葉      結季

  山門の古き碑冬ざるる          翔風

  冬の村軒高く薪積まれをり         一枝

  冬紅葉菩薩は小指少しまげ        小径

  実千両羅漢の袖に掛かりけり     結季

  冬木立単車一台通りけり       翔風

  猪垣や錆しトタンと空き缶と      小径

  頂上へ一列にゆく冬紅葉        しょう子 

  冬帽子水路の風に取られけり      まさ一


『青草』吟行句会(金田、依知)

2018年12月04日 | 吟行記

 先月(11/27)に実施した青草句会の「青葡萄」グループ(草深昌子主宰他17名参加)が厚木市の金田、依知地区の吟行句会の報告をします。

当日は明け方まで小雨が降っていましたが、歩き始める頃にはすっかり回復して、上着を脱ぐような気持ち良い小春日となり主宰を驚かすような佳句も多く投句されました。

他方で余りの気持ちよさに季語の入ってない大ボケ小ボケの句も多発して主宰をも口あんぐりでした(筆者も大ボケの一人でした)

一般道をバスと歩行を交えながらの吟行で案内役の担当は汗を拭きながらの先導お疲れさまでした。

 

 木の葉散るところのどこも塚ならん   草深昌子

 冬草のただあをあをと古墳とや

 枯野から枯野へ橋を高くしぬ

 ちぢんではのびては雲や枯野行く

 渡し場をここに渡さぬ朴落葉

 

 『草深昌子主宰選』

 小春日や鴉飛び行く安龍時     典祥

 大根を抱き古墳を廻りけり      ちとせ

 寒禽や肌捲れたる大欅       光子

 冬寺の星井戸と云ふ空井戸よ    玉蓮

 冬菊に纏はる蜂の羽音なく     きよ子

 山門をくぐれば匂ふ落葉焚     月子

 冬鳥の声姦しき一樹かな      ちとせ

 枯落葉ち御日様うつる小池かな   典祥

 天子の名刻む釣り鐘冬日和     しょう子

 鐘楼や風に揺れたる木守柿     金太郎

 手水鉢落葉の色を際立たせ     みわ

 枯蔓や渡船場跡を埋めをり     一父

 手に取りてただ瑞瑞し落葉かな   光子

 かまきりの卵茶の木の花の中    春香

 頭巾のせ大山道の道祖神       一父

 短日や日の差してゐる下灯窓    きよ子

 碑を遺し冬田となりぬ船着場    みわ


(記事と写真 坂田金太郎)


青草中央句会吟行記

2018年11月01日 | 吟行記

広町公園から荻野川界隈

日下しょう子

 

  荻野川ゆくやひたぶる荻のこゑ  昌子

 

 平成三十年十月十六日、三十名が広町公園に集合、秋晴の荻野川界隈を思い思いに吟行した。公園には鬼胡桃、朴の木等の高木が生い茂り、湧水池には初鴨が数羽見られた。

 

  手すさびにしたる椿の実の二つ  光子

  数珠玉や水辺のここはまだ青き  一枝

 

公園を出て、荻野川の土手を上流に向かって歩く。荻野川は、まさに名の通り、荻や芒など荒草が茫々と枯れの兆しを見せている。

右岸には多くの稲架が掛けられ、遠く民家には柿紅葉が美しい。左岸には、高木にさまざまの蔦が絡んで這い上がっている。更に進むと牛舎が廃れたままひっそりと残されていた。

 

  蜂をまへ蜂をうしろの稲架日和  昌子

  溝蕎麦の小さき花に小さき蝶   桂香

  牛小屋の荒れの久しき刈田道   きなこ

 

主宰選の特選句は次の通り

 

  草踏めば飛蝗飛び出す瀬音かな さとみ

  秋水や鯉ゆるやかに鯉を避け  ちとせ

  一木の半分だけに薄紅葉   しょう子

  橋挟み瀬音異なる秋の川    ひで子

 

一句目は瀬音への転換が巧い。二句目はしみじみとした秋水の趣。三句目はよく観察している。四句目は静かに耳を澄まされたのだろう等、入選二十数句を含め明解なる主宰選評を頂いた。

毎日通る道も俳句の目を通して見ると、発見の連続であることをあらためて実感した。


                                                                                写真提供 狗飼乾恵さん


青葡萄句会谷戸山公園吟行

2017年12月03日 | 吟行記

 去る11月28日草深昌子主宰以下10名が参加して座間市の県立谷戸山公園で吟行句会が実施されました。当日は厚い雲におおわれてうすら寒い中を吟行スタートしました。
紅葉、黄葉や冬鳥たちを見る熱い視線にあおられてか厚い雲がとれて日が差し始めました。




湧き水のあぶくのほかは冬ざるる  草深昌子
色失せてちぢみあがつて枯葉かな  
実も花も枯れてその葉の青くあり
冬日いまぶあつき雲を割りて出て
寒菊やお屋敷の戸の少し開き


【主宰選(清記番号順)】
裸木や林の奥は日当りて     昌緒
寒菊や何匹となく蠅と蜂     光子
水鳥のくわんくわんと餌漁り   典祥
冬麗の葱の切つ先立てにけり   結季
振り向けば冬の光や散る紅葉   翠
枝の先くるくる回る落葉かな   昌緒
水音の絶えざる谷や青木の実   光子
青々と冬芽を伸ばす青木かな   金太郎
冬の日や森突抜ける鳥の声    典祥
見霽かす山は霞みて大根畑    光子
将棋打つ櫟落葉の降る中に    結季
水の湧くところ好きらし鴨一羽  金太郎
背丈より高き尾花の白きこと   昌緒
はらはらと肩をなで散る枯葉かな 玉蓮
鴉去り乱れをさまる鴨の陣    金太郎

草句の会相模川吟行

2017年11月29日 | 吟行記

11月21日(火)ぽかぽか陽気の相模川河川敷に草深昌子主宰以下青草会員8名が河川敷に集合しました。
まだ幾らか残る草花を探し、川面に浮かぶ水鳥たちを追いかけました。


 

枯れきつて薄のなりをそこなはず  昌子
時雨忌の空より青く川流れ
冬麗の樟の大樹を曲がりけり
竹の皮づつみに飯や冬日向
大晴の羽根をおしまぬゆりかもめ


主宰選(清記NO順)
青空や桜紅葉に迫り来る     ちづる                  
カーブして冬の空より車来る   しょう子
水量を計る人あり冬の川     ふみ
冬の川ゆるやか流れ光りけり   虹子
冬薔薇葉落しつつも花咲けり   一枝
川堰の二段の流れ都鳥      きなこ
山茶花やうすら日差して美しき  虹子
寄り添うてやがて横たふ枯芒   ちづる
小春日や鷺の群飛ぶ向う岸    ちづる
大黒も恵比寿も待てり留守の宮  しょう子
鉄橋の音跳ね返へる冬日向    ちづる
蜘蛛の囲にかかる枯葉や神の庭  金太郎

青草吟行句会(秦野戸川公園)

2017年11月09日 | 吟行記

立冬を翌日にひかえた11月6日、風もなく晴天の吟行日和の中、青草会員26名が秦野戸川公園に集いました。

    小春日のあれは二の塔三の塔    昌子
    踏みごたへあるは櫟の落葉かな
    神発つて吊橋高くなほ長く
    今朝冬の水無川の水綺麗

点盛り上位3句

1位 連なりし峰の幾つや草は実に   金太郎
2位 冬うらら風の吊り橋空を分け   珠水
3位 天と地を分ける吊り橋谷紅葉   健成

草深昌子主宰選(清記番号順)

小春日や山居の茶屋の緋毛氈    健成
枯葉踏む音の確かな山の道     翠
冬晴や遠くの町の屋根光る     昌緒
冬うららたてがみなせる屋根の藪  ちとせ
冬の川音の大きくありにけり    桂香

枯葎蝗とび出す日向かな      昌緒
小春日や水やはらかし二段堰    ちとせ
町の屋根皆平らかに小春かな    園子
天と地を分ける吊り橋谷紅葉    健成
小春日やお稲荷様の赤化粧     白雲
冬の蝶紅葉共々落ちてくる     園子
今朝冬の水無川に石ひろふ     小径
冬うらら風の吊り橋空を分け    珠水
新蕎麦の文字でかでかと里の茶屋  翔風
鵙の来て鵯の飛び立ち照る紅葉   金太郎
立冬のぬた場の数多ありにけり   桂香
川流る枯葉は端に止まれり     園子
冬紅葉橋からのぞく谷の底     小径
目のくらむ程の吊橋冬の蝶     桂香
冬日照り川一筋や水しぶき     一父
枯菊の遠目に見へて際立てり    園子
蛇行する水無川や散紅葉      虹子
飛行機の銀鱗のごと水の秋     結季
谷川の速き流れや紅葉散る     虹子
冬日和子供一人のトランポリン   昌緒
冬の空水無川の音のあり      珠水
旗立てて蕎麦屋一棟峰紅葉     結季
川べりや倒れてなびく草紅葉    きなこ
山茶花や蜘蛛のいくつも巣を掛けて 光子
川音のいよよ大きく紅葉散る    光子
川底に木の葉沈みて動かざる    昌緒
公園の隅まで紅葉煙草吸ふ     さとみ
蜻蛉飛ぶただ一匹の暮れの秋    乾恵