青草俳句会

草深昌子主宰の指導する句会でアミュー厚木での句会を主な活動としています。

清川村吟行

2018年12月18日 | 吟行記

 12月14日、青草句会の花の会グループで清川村役場内のコミニテ室を借りて吟行句会を実施しましたので報告いたします。

 当日は18名の予想を超える多くの会員が集まり、前日まで薄ら寒い曇り日を吹き晴らして、快晴の冬日の中気持ち良い佳句が多く投句されました。

 愛甲郡清川村は神奈川県唯一の村で若者に人気の観光地宮ヶ瀬ダム湖があります。
紅葉はそろそろ終わりでしたが、それでも杉の緑とのコントラスト美しく、里山が光り輝き眠りに入りつつある里で見つけた光景、発見の俳句をご覧下さい。

(国彦さん、部屋の予約から、当日の準備、案内お世話さまでした。有り難うございました)


  

  てつぺんに大きな岩や帰り花   昌子

  千両や干し物多き山暮し

  音あげて谷太郎川や冬ぬくし

  岩座の木の葉時雨となりにけり

  磐座をそびらに日向ぼこりかな

 

 

    草深昌子選

  白菜の干され車の屋根にあり       結季

  冬日差祠に二つ五円玉        小径

  空き缶の草に埋もるる帰り花     結季

  村一つ光りの先の山眠る       波

  ブロッコリ葉の勇ましき日向かな   きよ子

  奥津城の裏を登るや冬紅葉        小径

  煤ヶ谷に日の差しかかる冬紅葉      結季

  山門の古き碑冬ざるる          翔風

  冬の村軒高く薪積まれをり         一枝

  冬紅葉菩薩は小指少しまげ        小径

  実千両羅漢の袖に掛かりけり     結季

  冬木立単車一台通りけり       翔風

  猪垣や錆しトタンと空き缶と      小径

  頂上へ一列にゆく冬紅葉        しょう子 

  冬帽子水路の風に取られけり      まさ一


『角川『俳句年鑑』2019年版

2018年12月11日 | トピックス

 角川『俳句年鑑』(2019年版)が発行されました。

  *全国結社・排誌 一年間の動向の中に我が『青草』も掲載されましたのでお知らせします。




     青草   主宰=草深昌子  

          「同」間 草蛙

          「編」松尾まつを


 平成二九年二月、草深昌子が創刊。大峯あきらの宇宙性俳句を標榜。

 自然の中で自然と共に生きる、季節を感受する歓び。「年二回刊」


○二十九年一二月、松尾まつを「松尾芭蕉の俳句と文学」の講演、ハープ演奏会。

 三十年二月、総会・新春句会開催。四月、相模川吟行。


   朽木とも枯木ともなく巨いなる      草深昌子

   葉桜の影差しかかる大屋敷       松尾まつを

   夏座敷三点倒立してをりぬ        間 草蛙

   寒晴や嘴たたくフラミンゴ       坂田金太郎

   くちなはの門扉を渡る真昼かな      二村結季

   雲切れてユングフラウに夏の月      佐藤昌緒

   大声で何か指さす磯遊び         山森小径

   和布干す浜のそこだけ日の射して     柴田博祥

   病窓の一つ一つに今日の月        佐藤健成

         


『青草』吟行句会(金田、依知)

2018年12月04日 | 吟行記

 先月(11/27)に実施した青草句会の「青葡萄」グループ(草深昌子主宰他17名参加)が厚木市の金田、依知地区の吟行句会の報告をします。

当日は明け方まで小雨が降っていましたが、歩き始める頃にはすっかり回復して、上着を脱ぐような気持ち良い小春日となり主宰を驚かすような佳句も多く投句されました。

他方で余りの気持ちよさに季語の入ってない大ボケ小ボケの句も多発して主宰をも口あんぐりでした(筆者も大ボケの一人でした)

一般道をバスと歩行を交えながらの吟行で案内役の担当は汗を拭きながらの先導お疲れさまでした。

 

 木の葉散るところのどこも塚ならん   草深昌子

 冬草のただあをあをと古墳とや

 枯野から枯野へ橋を高くしぬ

 ちぢんではのびては雲や枯野行く

 渡し場をここに渡さぬ朴落葉

 

 『草深昌子主宰選』

 小春日や鴉飛び行く安龍時     典祥

 大根を抱き古墳を廻りけり      ちとせ

 寒禽や肌捲れたる大欅       光子

 冬寺の星井戸と云ふ空井戸よ    玉蓮

 冬菊に纏はる蜂の羽音なく     きよ子

 山門をくぐれば匂ふ落葉焚     月子

 冬鳥の声姦しき一樹かな      ちとせ

 枯落葉ち御日様うつる小池かな   典祥

 天子の名刻む釣り鐘冬日和     しょう子

 鐘楼や風に揺れたる木守柿     金太郎

 手水鉢落葉の色を際立たせ     みわ

 枯蔓や渡船場跡を埋めをり     一父

 手に取りてただ瑞瑞し落葉かな   光子

 かまきりの卵茶の木の花の中    春香

 頭巾のせ大山道の道祖神       一父

 短日や日の差してゐる下灯窓    きよ子

 碑を遺し冬田となりぬ船着場    みわ


(記事と写真 坂田金太郎)