青草俳句会

草深昌子主宰の指導する句会でアミュー厚木での句会を主な活動としています。

草原句会(厚木市依知吟行)

2017年10月29日 | 吟行記

川なくて渡し跡とや末枯るる     昌子
柿の実も古墳もそっちこつちかな   
こめかみに蜂来る柿を喰うてをり   
薔薇揺れて蝶々飛んで干蒲団
小鳥来る古墳の四方家の建ち



草深昌子主宰選(清記番号順)

雨期去りて新たな朝や鱗雲     白雲
草叢の小舟月へと漕ぎ出でよ    千世
秋茄子の風に揺れゐる巡礼道    小径
渡し場や名残り儚し蔦葛           白雲
大河あり渡船場跡や秋日さす    一父
ゆきずりに花の種とる巡礼道    小径
涸れ井戸に釣瓶の垂るる寺の秋   千世


山並を背にひつぢ田の何処までも  草子
公園は太古の住居小鳥来る     千世
碑を遺す渡船場刈田中             千世
川端の大樹空より紅葉なる     さとみ
秋草や星井戸に来る女達            博祥

縄文の丘にのぼるや秋の蝶     金太郎
八角の観音堂や花梨の実            小径
ゐのこづち車行き交ふ渡船跡    健成
秋風や下依知表示茶色なり     珠水
秋晴れや塔婆も供花も濡れてをり  さとみ
案山子見て行くや大山巡礼道    ひろ

  

飛び込みで草原句会の吟行に参加して来ました。
厚木に住んで40年近くになりますが、依知地区は殆ど未知の所でしたので
鵜の目鷹の目で面白く歩けました。
古くから人の営みのあった地域らしい遺跡も多く、きちんと下調べして歩きたい地域でした。
幹事の博祥さん、野風さんお世話様でした。

 (妙純寺⇒中依知の渡し跡⇒大久根古墳⇒巡礼道)    


花野会吟行句会(県立座間谷戸山公園)

2017年10月16日 | 吟行記

 秋雨の林の径を深くしぬ     昌子

 一行にはぐれやすくて草じらみ

 行秋や林に径の幾すぢも

 木の実降る標の古りに古りにけり


 

 【草深昌子主宰選】

水引の紅こぼさんと撓みけり    国彦

傘伝ひ首の根元に秋の雨      芙美

谷戸の里触れなば落ちむ式部の実  波

切り株にむつちり山の茸かな    小径

掛稲や雀も来ぬか雨の中      虹子

雨となり長屋門には地虫鳴く    金太郎

標本に蛇の脱殻小鳥来る      結季

遠目にも薄紅葉見ゆ昼の雨     虹子

蓑虫の蓑揺らさずや雨の森     国彦

沢胡桃落ちて水鳥驚かす      ひで子

蘆咲くや野鳥観察小屋の窓     昌緒

敷石の間あひだの木の実かな    結季

雨を受け手の平程の白茸      芙美

稲架けて案山子はどれも森へ向き しょう子

蜘蛛の囲に雨粒たたく秋黴雨    金太郎

山柿やオレンジ色の滝となり    昌緒

林道を抜ければ刈田雨上がり    金太郎

原に水湧く音の高きこと     ひで子

秋の山赤いリボンの道標      小径  

雨しとど泡立草の道迷ひ      波

稲掛けて畦に緑のあらはるる    結季

雨の日のひよつとこ顔の案山子かな 虹子

浮島の向かうに鴨の三羽をり    雪乃

団栗のべた一面に炭焼小屋     小径

茶の花の垣根の先や葱畑      まさ一

浮島に草の明るき秋の昼      きよ子
 (清記NO順に記載)

 

当日は朝から雨の中「木の実」「青葡萄」「草句の会」句会から多くの皆さんが参加され17名の賑やかな吟行句会となりました。

幹事の結季さん、まさ一さんも喜んでいました。結季さん、まさ一さんお世話になりました。

来月(11月28日)は青葡萄句会で今回と同じ谷戸山公園で吟行句会が実施される予定です。

紅葉もかなり進んで今回とは一味違う谷戸山公園での吟行となることでしょう。

「各句会の皆さんの参加をお待ちしています」とのことです。(参加は幹事の雪乃さんまで)


薬師池、七国峠周辺吟行句会(花野会)

2017年05月18日 | 吟行記

風薫る5月12日、花野会句会は吟行を実施しました。「青葡萄句会」と「木の実句会」からも5名の参加があり総勢13名で青葉若葉の中を歩きました。
薬師池公園は昨年6月の吟行とはまた違った薄暑の陽気、新緑の池周辺、薬師堂の護摩法要、七国峠の鶯、桐の花と多くの句に出会い、吟行の素晴らしさを実感した一日でした。
(花野会幹事:二村結季)

桐の花あまりしづかに落ちにけり   昌子
蛇を見てその血らしきを見て過ぐる  昌子


(桐の花)

草深昌子主宰選
秀逸 樟若葉蔦の緑を垂らしをり 草蛙


(薬師池)

特選 (以下清記番号順)
湧き水や毛虫の泳ぎゐたりけり  昌緒
着水の息のぴつたり夏の鴨    みわ
梅の実のまだ小さくて釣瓶井戸   翠
青蛙応へる如く浮き上がり     波
太鼓橋渡つて蜻蛉行きにけり   昌緒
老鶯の声とぶ先の電波塔     波
蓮池の水の淀みや蛙鳴く     昌緒
水馬の光まみれになつてゐる   金太郎
夏の蝶白爪草に紛れけり     みわ
水漬かる蓮の巻葉の細きこと   昌緒
道真中蛇のとぐろやぬらぬらと 昌緒
蓮池に立つ細波や夏初め    小径


(谷空木)

入選 (以下清記番号順)
奉納ののぼりの赤や竹落葉  小径
水音の坂を下るや若楓     結季
楠若葉程良い風に光りけり  みわ
桐の花ここは七国峠なり   昌緒
若竹の皮一枚を残し伸び    金太郎
橋桁の陰や蜘蛛の囲光りけり   昌緒
大賀蓮の巻葉のいまだほぐれざる 小径
一行の古道行くなり花うつぎ  金太郎
何鳥か知らぬ囀り夏の森    草蛙
峠道登りつめたる桐の花     小径
峠道はじまりはここ山帽子   園子
桜の実踏みてぷちぷち土染むる 波
緑陰に白象おいて護摩祈祷   翠
木道を蛇の急いで渡りけり    翠
蓮の茎伸びて葉並のなびくなり  雪乃  
蓮池の藻の多く浮き蛙鳴く     雪乃
以上

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