リベラルくずれの繰り言

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「カジノ法」さえ作れば刑法で禁止されているカジノが合法になるのか?

2018-06-19 | 政治
カジノ設置に向けた統合リゾート(IR)設置法案が衆院を通過しそうだ.
賭博は道徳的にも悪いことだと思うし,刑法でも禁止されている.だがカジノはすでにある競馬や競輪,サッカーくじと比べても問題だ.朝日新聞2018-6-19をベースに論じる.
刑法で禁じられている賭博が認められるのは,刑法35条に(賭博に限らず刑法で禁止されている行為であっても)法令に基づく行為は罰しないという例外規定があるからだ.そして,新たな賭博が合法とされる要件について,法務省は2013年に8項目を公表した.「目的に公益性はあるか」,「収益は適切に扱われるか」,「副次的な弊害は生じないか」などだ.
競馬は畜産振興,サッカーくじはスポーツ振興など公益目的になっていて,運営主体も国や自治体だ.だが今論じられているカジノは民間企業が設置・運営するものだ.だが公益性について,今回の制度では,国などに収益の3割を納付すれば残りの利益はカジノの運営会社のものになる.これが公益性を満たすと言えるのだろうかなど,さまざまな疑問がわく.
法務省見解について,政府も否定していないようだが,個別の要件がクリアされているかどうか憲法の解釈さえ一夜にして変えてしまう安倍内閣だから,法務省見解を反故にすることくらい何とも思わないのだろうが,看板としてはまだ残っている法務省見解の要件を一つ一つ検討することなく「総合的に観察」として押し通すのはやはり許せない.

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関連リンク:
日本弁護士連合会「カジノ解禁に反対するQ&A」(pdf)


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