公明党の選挙のためにカジノ法案を急ぐな

カジノを含む統合型リゾート（IR）実施法案が審議入りした（朝日新聞2018-5-23）．不祥事続きで日程が浪費されたため審議日程が苦しくなっているというが，それでも今国会の会期末までの成立を目指しているという．なぜそれほど急ぐのだろう．カジノを推進する自民党としては，カジノ解禁を成長戦略と位置付けている．安倍首相は「世界中から観光客を集める」と豪語しているが，識者も「世界的にカジノは飽和状態．後発の日本に競争力があるのか」と疑問を投げかけており，集客効果，経済効果の見通しも甘いようだ．そもそも，他人の不幸をえさに金を集めるカジノで儲けようという発想がいやらしい．安倍首相が好きそうな「美しい日本」とはほど遠い．

政府が前のめりになるのには，公明党の事情も大きく関わっている．来年には統一地方選や参院選がある．公明党の支持母体の創価学会ではカジノ慎重論が根強いので，来年の選挙への影響を抑えるためには何としても今国会で，となるわけだ．公明党幹部だったかの，「対立法案はさっさと通したい．引っ張るほど，印象が悪い」という本音を過去ブログで紹介した．
そこまで悪いとわかっている法案を，拙速に通すようなことがあってはならない．

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関連リンク：
日本弁護士連合会「カジノ解禁に反対するQ&A」（pdf）