リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

エスカレーター片側空け論争:では前空けは?

2017-08-04 | 一般
エスカレーターの片側を急ぐ人のために空けることの是非がよく話題になる.
そもそもこのエスカレーターの片側(東京では右側,大阪では左側)を空ける習慣はそれほど昔からのものではない.朝日新聞「エスカレーター、いつから片側空け? 80年代に出現か」によれば1980年代ではまだ,「西洋に倣って片側を空けるべきだ」といった趣旨の新聞記事があった.考えてみればエスカレーターのない駅が当たり前だった時代にはこうした習慣が定着する余地もなかったのだろう.
最近では歩く派の旗色が悪い.80年代とは違い,今や効率よりも弱者への配慮が優先される時代になったという新聞記事の分析が正しいのだろう.それにしてもこの手の議論を読んでいて驚くのは,「ぶつかられた」とか「ぶつかりそうな勢いで過ぎて行った」といったコメントが多いことだ.「歩く派」の人は,最低限,立っている人にぶつからない,さらに立っている人に恐怖心を与えないよう歩く速さ,間合い,足音など配慮するのは当然だろう.

前置きが長くなったが,エスカレーターに(歩かずに)乗るとき,前の人との間に1段空けて立つ人が多い.そのことに気づいてからは私もそうしているが,なんだか腑に落ちない.検索エンジンで調べてみたら,同じような議論がされていたのを見つけたが,一段空け(というらしい)は当然というコメントばかりだったので驚いた.
エスカレーターに乗る直前でちょっと足踏みする感じになるのがもどかしい.前の人が特別大柄だったりすると別だが,なんだかもったいない.全体として見ても1段おきしか立つ人がいないと,エスカレーターの輸送容量は半分になる.
そんなふうに思っていたら,東京メトロの有楽町線の豊洲駅で「ラッシュ時は間を開けずに前の方につづいてお乗りください」と掲示されているのを見つけた(写真:手ぶれでごめんなさい).「ラッシュ時」との限定付きだが,やはり少なくとも輸送容量の点からは前を空けないのが合理的なのだ.みんな守っているのだろうか.いつか観察してみたい.


追記:「片側空け」について朝日新聞Be 2018-4-7で再び取り上げられていた.以前に読んだ記事より妥当という印象.「自分は歩かないが,歩く人のために片側を空ける」という人が多かったのが印象的だった.歩く人は歩かない人に配慮し,歩かない人は歩く人に配慮するようになれば,論争など不要だろうに.
では諸事情で大勢とは反対側(関東なら右)の手すりにつかまらなければならない人はどうするか.私もなりゆきでたまにそうなってしまうのだが,前を少し多めに空けて,後から来る人が追い越していけるように配慮している.ただ,後続の人もそうしてくれないと意味がないのだが.
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