東名あおり運転死亡事故：暴行罪は該当しないのか？

駐車の仕方を注意したら逆切れされて追い回され、高速道路で停車させられて暴行された挙句に大型トラックの追突で死亡――東名あおり運転死亡事故で起訴された被告に懲役１８年の判決が下った。この件は死亡事故につながったために大きく報道され、量刑にもそのことが反映されているはずだ。だが判決の報道によれば、トラックが追突したのは被告が自車に戻る途中だったという。つまり、トラックが通りがかるのがもう少し遅ければ運転も再開され、死亡事故には至らなかった可能性が高い。
だが、仮に死亡事故に至らなかったとして、被告の行為は暴行罪などにはならないのだろうか。事故後、被告は停車後に被害者に「暴行」したと報じられていたが、具体的にどのようなものだったのだろう。割り込みを繰り返して高速道路で停車させた後、「けんか売ってんのか。殺されたいのか。高速道路に投げ入れてやんぞ」などと怒鳴って被害者を車外に引きずり出そうとしたというが、これだけでも被害者の恐怖は想像するに余りある。現に娘たちは泣き出したというではないか。

朝日新聞2018-12-20によると、今回の事故を受けて警察は取り締まりを強化しているというが、道路交通法ではあおり運転そのものについては規定がなく、車間距離保持義務違反などで取り締まっているという。さらに、極端な幅寄せや急ブレーキには刑法の暴行罪を適用するようにしたという。死亡につながった事例では殺人容疑での逮捕もあったようだ。また、事件をきっかけにドライブレコーダーの売り上げが急増したとも聞く。こうした取り締まりやカメラの目が抑止力になって、あおり運転で怖い思いをするドライバーがなくなるといいのだが。

あおり運転された場合には、どうしたらいいか。記事によれば、路肩やパーキングエリアに止め、ドアはロックしたまま１１０番通報するのがいいという。それでも怒鳴ったり車を蹴ったりする人はいるだろうが、パトカーが到着するくらいまで持ちこたえられるのではないか。

だが自動車でなくても、街中や電車でもちょっとしたきっかけでからんでくる人がいる。これもどうにかならないだろうか。

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