リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

国会が政府の追認機関になるのを防ぐ一歩にしたい「大島裁定」

2018-12-19 | 政治
外国人労働者の受け入れ拡大に向けた入管法改正は、根本的な部分を政省令によって政府が定められるようにしており、野党からは「白紙委任法」と批判されていたにもかかわらず、自公両党は首相の外遊前に無理やり衆院を通過させた。だが大島理森・衆院議長はさすがにまずいと思ったらしく、衆院通過にあたって、法施行前に政省令を含めて国会報告させ、法務委員会で質疑するよう求める異例の「裁定」を出していた(朝日新聞2018-12-17)。
法案の根本的なところまで政省令に任せてしまうのでは、三権分立の柱の一つである国会を政府の下に置くようなもので、上記記事も「国会空洞化」を憂えている。
欧米でも制度の詳細は政省令に委ねることは増えているが、議会が政省令を審査して不適切なら拒否できる「議会拒否権」という制度が整っているという。具体的には、法律の条文に政省令には議会の承認が必要と書き込んでおく、それほど重要でないものは一定期間内に議会によって否決されなければ発効というものだ。
歴史的に、イギリスでは20世紀初頭からやはり政省令が急増して政府の権限が拡大したことで、議会制民主主義を形骸化させ政府による「新たな専制」につながりかねないとの危機感が生まれ、第二次大戦後に議会拒否権の制度が確立したという。
日本でも参院憲法審査会で数年前から公明、立憲民主から問題提起はされているが、前進はないようだ。

記事も指摘するように、今回の大島裁定で政省令に国会に関与させるというのは実は画期的な改革になるかもしれない。自民・公明両党は大島裁定に沿う方針を確認しているというので(SankeiBiz 2018-11-28)、まずは今回の裁定に基づく再質疑をきちっとやってほしい。

関連記事:
「安倍政権の国会運営はナチスの全権委任法と似てないか」

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 防ぎようのない詐欺メール | トップ | 東名あおり運転死亡事故:暴... »
最新の画像もっと見る

政治」カテゴリの最新記事