日本ではオリンピックは批判しにくい雰囲気がある。新型コロナウイルスの長期化が確実視される最近では「今はそれどころではない」という批判的な声も出るようになったが、まだまだオリンピックは別格という神話が根強いようだ。仕方ないのかなとも思っていたが、アメリカでは日本のように「五輪一色」になることはないと、放送プロデューサーのデーブ・スペクター氏が述べていた(朝日新聞2020-5-13)。
アメリカではNBC(ABC、CBSと並ぶ三大ネットワークの一)がオリンピックを独占中継し、他局ではスポーツニュースで取り上げられるくらいなので、オリンピックに興味のない人は裏番組を見ることができるという。
酷暑のさなかに東京でオリンピックを開くことが問題になっているが、それが巨額の放映権料を支払うNBCの意向であることもよく知られている。人気スポーツのシーズンとかちあう時期はだめだと言われれば、IOCも腰が引けてしまうのだ。
多くの競技で世界選手権が開かれるようになった今、オリンピックは「夏枯れの時期だからこそ成り立つ『隙間コンテンツ』の側面」もあるという。
スペクター氏の主観かとも思ったが、スポーツジャーナリストのクリスティーン・ブレナン氏も、選手本人を除けば東京オリンピックはホスト国(日本)以外の米国などではそれほど注目されていなかったという(朝日新聞2020-5-23)。
オリンピックを目指して努力しているアスリートが多いことはわかるが、競技個別の世界選手権ですむものはそちらにまかせて、オリンピックでなければならないことに特化してもいいのではないか。
関連リンク:
「(時時刻刻)コロナが変える五輪の形 都、「貯金」失い税収も減 簡素化検討」(朝日新聞2020-6-5)
関連記事:
「札幌オリンピック招致は、IOCに東京五輪の費用負担を求める交渉材料に!」
「入国制限が続くなかでオリンピックは開けるのか」
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オリンピックを目指して努力しているアスリートが多いことはわかるが、競技個別の世界選手権ですむものはそちらにまかせて、オリンピックでなければならないことに特化してもいいのではないか。
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