リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

札幌オリンピック招致は、IOCに東京五輪の費用負担を求める交渉材料に!

2020-04-22 | 一般
札幌が2030年の冬季オリンピックの招致を進めている(札幌市)。近年は莫大な費用負担をきらって世界各地で招致熱が冷めており、IOCのほうがむしろ開催地の確保にやっきになっている(過去ブログの追記5)。現にIOCは7年前に開催地を決めるという選定手続きを昨年に変更して、早目に開催地を既成事実にしてしまう方向に転換した(朝日新聞2020-1-30)。そこへきて新型コロナウイルスによるパンデミックで2020年東京五輪の延期が決まり、感染状況によっては2021年の開催も危ぶまれている。開催するにしても中止するにしても莫大な経済的損失が出ることは間違いない。

私は札幌のオリンピック招致はやめるべきだと思うが、どうしても招致したいなら東京オリンピック招致のようにIOCのいいなりで不利な条件を飲まされたりしないよう、しっかりと交渉に当たってほしい。上記過去ブログの追記3で引用したここによれば、東京オリンピックは一方的にIOCが有利な契約内容になっているらしい。ここまで卑屈になってまで東京にオリンピックを招致したことに愕然とする。(招致の時に費用を低く見せかけてあとで膨らませるという東京オリンピックのような手法を使うべきでないのはもちろん、公金を投じるのだから住民投票や国民投票も考えてもよいが、それはまた別の話。)

ところで東京オリンピックでは1年延期により約3000億円の追加費用が発生すると見込まれているが、IOCのトーマス・バッハ会長は、数百億円の費用負担を覚悟している旨の発言をした(朝日新聞2020-4-13)。(余談だが、IOC会長は「中止と違い、延期はIOCが独断では決められない。中止時にはIOCの保険が適用されるが、延期では適用されない」とも言っている。この文脈でのこの発言はよくわからないが、中止で保険が適用されるなら、中止にしたほうがいいのではないか。)だがその後、IOCのコーツ調整委員長が「厳しい財務状況に陥っている各国のオリンピック委員会や国際競技団体に、必ず手を差し伸べるという意味」と述べ、一般論にトーンダウンした(朝日新聞2020-4-17)。
札幌でオリンピックを引き受けるのであれば、東京オリンピックの数千億円の費用負担をIOCに求めるのを最低条件と考えたい。ポスト・コロナの世界では、IOCと開催都市の力関係は逆転し、IOCが各都市に開催をお願いする立場になる。そもそも東京オリンピックも不必要なまでに不利な契約をさせられたとの印象をもっているが、札幌市はしっかりと状況の変化をふまえ、弱腰に出て不利な条件を飲まされることがないようにしてほしい。お役所仕事で従来の感覚で交渉をした結果、国民全体に不必要な費用負担をかけることはあってはならない。

追記:IOCは4月20日に「安倍晋三首相が現行の契約に沿って日本が引き続き負担することで同意した」との見解を公式サイトで発表したが、日本側の大会組織委は、延期を決めた安倍首相とIOC会長との電話会談では費用負担について取り上げられた事実はないとして同見解を否定し、菅義偉官房長官も追加費用に関する合意を否定し、追加費用については、4月16日のIOCと組織委との会議で共通の課題であることが確認されたとした。IOCは公式サイトから記述を削除したが、取材に「そのようなIOCの情報発信の場で、安倍首相の名前を出すのは適切ではないと、組織委から合図(連絡)があった。彼らの希望を尊重した」と答えており、合意がなかったことは認めていない。(朝日新聞2020-4-22


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