リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

コロナ消毒:アルコール以外の選択肢は?

2020-06-23 | 一般
コロナ禍の第一波をどうにかやりすごして小康状態を迎えているが、「新しい生活様式」は求められ続けている。「3密」を避けるというのはわかりやすいのだが、やっかいなのは、新型コロナウイルスが金属やプラスチックなどの表面上では数日間感染力を保つことがあるということだ(過去ブログ)。だから3密でなくても、前に触れた人のウイルスが残っていれば感染の危険性がある。おかげで公共の場では消毒が欠かせないし、個人も丁寧な手洗いが求められる。実際に感染した場合は触れる物を片端から消毒するべきだとも聞く。
おかげで消毒用アルコール(エタノール)が品薄になっているが、アルコール以外にも選択肢はある(asahi.com 2020-6-12)。

まずは手指消毒だが、アルコール消毒しなくても、丁寧に手洗いをすればいいという。(ちなみに、エタノールの推奨濃度は70%だが60%でも可。逆に、濃度が高すぎるとすぐに揮発してしまい効果が薄まると以前読んだ。)

物品消毒には次亜塩素酸ナトリウムも有効。「ハイター」「ブリーチ」などの塩素系漂白剤に含まれており、0.05%に薄めて布などにしみこませて拭くといい。(感染者のいる家庭では普通に洗ってすすいだ後、0.1%での使用を推奨。)
一方、よく似た名前の次亜塩素酸水は、食材や医療機器の消毒に以前から使われていたものだが、新型コロナウイルスに対する効果も確認された(朝日新聞2020-6-27)。拭き掃除なら十分にぬらして20秒以上放置してから拭き取るか、20秒以上かけ流しをして拭く。なお、次亜塩素酸水は紫外線などで分解しやすいので保存の方法や期間に気をつける必要がある。


界面活性剤(要は洗剤)にも有効性が確認されているものがある(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルグリコシド、アルキルアミンオキシド、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの7種)。推奨手順によれば、水500ミリリットルに対して小さじ1杯の洗剤を入れたものを布などにしみこませて拭いた後、5分ほどたってから水拭きし、さらにから拭きするという。界面活性剤もウイルスの脂膜を壊すはたらきがあるので、その効果には時間が必要ということなのだろう。(つまり、洗剤を使わず単に水拭きするだけでは、ウイルスは除去できないということなのだろうか。)
ただ、布や衣類への効果は試験されていない。(家庭であれば普通に洗濯すればいい。感染者がいる家庭でも「洗濯や食後の食器洗いを別洗いしたりする必要はないです。タオル、衣類、食器、箸・スプーンなどは、通常の洗濯や洗浄を行います。感染者のものを分けて洗う必要はありません。」とのこと(厚生労働省)。)

消毒液を噴霧することによる「空間除菌」の動きも広がったが、効果はないという。

変わり種として、相模原市立図書館相武台分館では図書を紫外線で消毒する機械を使い始めたという。専門家からも問題ないとの見解を得て導入したとのこと(「『図書館消毒機』職員が手作り」朝日新聞2020-6-19神奈川版)。図書のように消毒液が使えない物品に対して、比較的簡便な方法と思われる。
追記:強力な紫外線でウイルスの付着した壁や床を消毒できる自走式のロボット「UVバスター」(ファームロイド社)が実証実験にはいったという(朝日新聞2020-6-25夕刊)。普通の紫外線より波長が短い深紫外線を使い、たとえば10センチ以内で2.46秒照射すると99.99%のインフルエンザウイルスが感染力を失うという。

追記2:アルコールの代わりという以前に、皮革製品など、アルコールを色落ちや表皮のはがれ、ひび割れの原因となるものもあるので注意が必要だ(朝日新聞2020-6-26夕刊)。ミズノ社は野球用具に関し、アルコール系、塩素系消毒液は使わず、中性洗剤を薄めて使うことを推奨しているという。また、バスケットボールやバレーボールを製造するモルテン社は「ボール表皮への消毒剤の使用について」を発表しているが、こちらは高濃度アルコールは使うとしたら、布を使って軽く表面を拭く程度にとどめ、その後十分乾燥させること、界面活性剤については、使用後に水拭きが必要なため不使用を勧めている。

追記3:空気清浄機の販売が急増しているという(asahi.com 2020-5-14)。もちろん人が去ったあとの表面に付着するウイルスに対する消毒はできないとはいえ、3密状態で空気中に数分はただよう可能性がある飛沫のウイルスには効果があるのではと期待してしまうが、新型コロナへの効果は検証されていない。
そもそも空気清浄機は空気中のウイルスを除去できるのだろうか。特選街webによれば、今の空気清浄機で使われている主流の「HEPA[High Efficiency Particulate Air Filter]フィルター(並)」はもともと半導体製造用のクリーンルームでも使われていた高性能のものだが、JIS規格では0.3μmの粒子を99.97%以上捕集するものとなっている。だから細菌やPM2.5(1~10μm)には十分対応できるが、ウイルス(0.1μm以下)には限界がある。そこでメーカーはプラズマや次亜塩素酸を使って効果を高めているという。
なお、最初に断ったように空気清浄機はあくまでも空気中に浮遊しているものが対象なので、物の表面に付着したウイルスには効果はない。(だから花粉、ハウスダスト(10μm以上)は掃除機も重要とのこと。)

追記4:空気清浄機などで使われているシャープの「プラズマクラスター」がコロナウイルスに効果があるとの実験結果が出た(朝日新聞2020-9-8)。市販品で効果があるかどうかはまだわからないというが、空間除菌ができるとなれば画期的だ。検証を進めてほしい。

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