リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

新型コロナ:オリンピックも外出制限も長期化に備えた検討を

2020-04-19 | 一般
新型コロナウイルスの終息が見通せない。米国の研究者は、医療崩壊をさけつつ外出制限をかけたりゆるめたりを繰り返すという前提で終息は2022年との試算を発表している(過去ブログ)。夏になれば下火になるという期待もあるが、科学的根拠はなく、上記試算も、同種のコロナウイルスの流行パターンをふまえた上で2年かかると予想しているのだから、少なくとも政策決定の立場にある人は希望的観測ではなく、長期化を前提に政策を決めるべきだ。
仮に2022年が正しいとした場合、まず気になるのは安倍首相とIOCが早々に決めた、2021年という、延期された東京オリンピックの日程だ。莫大な追加費用をかけて2021年に向けて準備したうえでコロナ禍が終息していなかったとなれば、中止するにしてもその痛手は計り知れない。終息時期は誰も確かなことはわからないなか、あらゆるイベントについて同じ問題はあるのだが、莫大な公金が投入されるオリンピックについては、被害が最小限になるよう、準備開始時期、中止判断の手続き、費用負担の問題など、関係者は入念に準備しておいてほしい。(関連記事:「入国制限が続くなかでオリンピックは開けるのか」
長期化に備えるべきなのはオリンピックのイベントだけではない。緊急事態宣言のもと、外出自粛や休業要請、一斉休校などが行なわれているが、「2週間」など期限を区切った制限であれば耐えられても、年単位となると話が違ってくる。識者も「リスクがあるから禁止にしろというのは簡単。一方で、流行は年単位で続く。大人に求められるのは、体調の確認や手洗いなどを前提としつつ、安全に遊具を使うための努力と知恵だろう」と話している(朝日新聞2020-4-18夕刊)。これは公園使用の文脈だが、同じことは他の制限についてもいえる。私も以前「政治家は保身のために過度な自粛要請をするな」と訴えた。政策決定の立場にある人は、長期化を前提にさまざまな制限や、それによって困窮する人々への対策を考えてほしい。

追記:日本医師会の会長も、既存の薬で使えるものがないか試していることはふまえた上で「ワクチンが開発されないと五輪は開けないだろう」と述べている(朝日新聞2020-4-25)。希望的観測ではなく、最悪のシナリオも含めた対応を考えておいてほしい。

追記2:朝日新聞2020-4-27もオリンピックの1年延期の課題をまとめている。のみならず、安倍首相とIOC会長の間で短時日のうちに「1年延期」が決まった経緯もまとめられているが、コロナ終息まで余裕をもつために組織委の森喜朗会長は「2年(延期)にしたほうがいいのでは」と言ったのに安倍首相は「ワクチンの開発はできる。大丈夫」といって1年にした。森氏は首相は「賭けたんだよ、2021年に」とするが、これほど大きな話をワクチンができる、という希望的観測に基づいて決めてしまってよかったのだろうか。IOC会長は「日本側が来夏以降には延期できないと言った」と述べており「1年」の責任は安倍首相にあるとする。1年後に「完全な形での開催」ができなかった場合の責任を日本にかぶせる予防線のようだ。

追記3:安倍首相は「ワクチン開発はできる」と政治判断してIOCとの間で東京オリンピックの延長を「1年」という小幅にとどめたが、これまでで最短と言われているおたふくかぜのワクチンでも使えるまでに4年かかったという(朝日新聞2020-4-29)。

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