リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

権力の源泉:政府が人事を通じて日銀を支配する

2018-04-01 | 政治
財政政策と金融政策は別物というのは学校でも習う基本だが,日銀が市場に資金をじゃぶじゃぶと供給する「異次元緩和」はアベノミクスの根幹を担い,今や日銀は安倍政権の意のままのようだ.事実上政府がお札を刷り続けるに等しい「財政ファイナンス」(政府の発行する国債を日銀が買って資金を供給すること)になっているとの指摘もある.
第二次安倍政権発足時の日銀総裁の白川方明氏は大規模な金融緩和には慎重だったが,安倍首相は緩和派の黒田東彦総裁を任命し,黒田日銀による異次元緩和が始まった.金融政策を決める政策員会は総裁,副総裁(2人),審議委員(6人)で構成される.かつては緩和に慎重な審議委員もいたが,任期満了ごとに替えられて消えていったという(朝日新聞2018-3-31).
1998年施行の新日本銀行法によって日銀の政府からの独立性が定められたのは政府による恣意的な金融政策を防ぐ世界的な潮流に合わせるものだったが,その大前提は,中央銀行の政策委員会が時の政府に関わりない人材で構成されていることだ.政府が人事権を使ってアベノミクスに共鳴する人を多数選んできたことで,もはや日銀は政府の傘下機関に成り下がってしまったようだ.

関連記事:
「権力の源泉:人事権が官僚を支配する」
「権力の源泉:人事権は司法をも支配するか?」
「「景気拡大」と「失業率低下」は異次元緩和のおかげなのか?」
「政府はなぜいまだに「デフレ」を唱える?」
「政府がお札を刷り続けるアベノミクスをいつまで続けるつもりか」

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 公文書書き換えは他にもあった | トップ | 公明党はなぜカジノ法案に反... »
最新の画像もっと見る

政治」カテゴリの最新記事