リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

「景気拡大」と「失業率低下」は異次元緩和のおかげなのか?

2018-02-05 | 政治
日銀による異次元緩和と政府の放漫財政で健全財政への道筋は見えない一方,「景気拡大」とか「失業率低下」が異次元緩和のおかげかのような言説を見ることがある.だが統計指数が改善したと言われても庶民の生活感覚としてはなかなか実感できない.だがそもそも「景気拡大」と「失業率低下」は異次元緩和のおかげなのだろうか?
日銀がやっていることは「政府がお札を刷り続ける」ことに近く気持ち悪いのだが,素人の悲しさ,「景気拡大」「失業率低下」といったデータを示されると反論できない.長らく気持ち悪く感じていたのだが,新聞で読んだ「反リフレ派」の説明が私の感覚にぴったりだったので紹介したい(朝日新聞GLOBE 2012年2月).

反リフレ派の主流の考えは,「現在の日本経済の景気回復は、世界経済の回復が主因であり、失業率の低下も急速な労働人口減少によるところが大きい」というものだそうだ.また,金融緩和を続ける口実とされている「デフレ」についても,「日本経済の成長率低下は人口減少などによる潜在成長率低下によるものであり、物価下落が原因ではない」という立場だそうだ.

政府や日銀が喧伝する「景気拡大」とか「失業率低下」がどうもおかしいと思っていた私にとって,まさに目からうろこの説明だった.そして「経済を成長させるには、規制改革などの構造改革で生産性を上げるという根治が重要」という点は「反リフレ派」に限らず,多くの人が合意できる点ではないか.「アベノミクス」も当初は「第3の矢」として掲げていたはずだが,いつのまにか「ばらまき一本やり」になってしまった.
「インフレ目標に無理に近づけようと、日銀が長期国債などを大量購入することは、財政規律を緩ませるといった弊害のほうが大きい」――こういう批判を批判する人たちは,「ハイパーインフレなんて一向に起こらないじゃないか」というかもしれないが,起こってからでは遅い.
金融政策は,目先の景気ではなく,何十年というスパンで日本の国益を考えて行なってほしい.

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 満員電車の「ファー」にご注意 | トップ | 待機児童解消のための基準緩... »
最新の画像もっと見る

政治」カテゴリの最新記事