レガスピ移住計画・渡世編

移住を夢見たオヤジが愛国語ります。

フィリピン連邦共和国?

2008-04-27 21:15:24 | Weblog
アロヨ政権は2010年の任期満了まで、国家が課題として取り組んでいる「連邦制」移行に準じる旨を明らかにしたそうです。
この連邦制移行についての計画は随分前からあり、1つの大きな原因がミンダナオを中心に起こされて来たイスラム過激派によるテロ行為のようで、連邦制を提唱する野党の政治家は、連邦制がミンダナオの問題を解決出来ると信じ込んでいます。
そして、それがミンダナオ反乱分子に独立政権(1連邦区域)を与えるものでない限り、解決は無理だと僕は信じますし、そうする事は更なる悲劇を生む発端になるだろうと思います。

連邦制の骨格は地方行政区域の権限拡大です。
それは、中央集権型行政の切り崩しであり、大統領権限の縮小でもあります。
強権アロヨが、この連邦制に反対しないのは、任期満了までの時間が十分に無いためだとする向きがありますが、僕は女性らしいバランス感覚でアロヨ式建国にバンザイしたまでの事と思います。
予ねてより書いている通り、フィリピンは海外出稼ぎ大国などという汚名を、まるで国策の如きに扱うしかない能のない、学歴ばかりご立派なフィリピン政治家どもが作り上げた漫画国家です。
そして、それにおける体制変革は、1つのフィリピン共和国崩壊の図式で、それほどフィリピン国政は行き詰っているという事だとも思うんです。

フィリピンの混乱は連邦制で間違いなく増大します。
考えてみて下さい。
今、1つの政府の状態で、この混乱振りです。
それが、あそこにも、ここにも、向こうにも同等の権力が備えられたらどうなりますか?
中央集権によって一箇所で増幅した権力を奪い合う事で起こる損失を、分散させる事で最小限に食い止められるという考えには、奪い合うしか能のない本質が無視されています。
この本質を変えなければ何も変わりません。
能無し政治家の世界で共通する本質は強欲さで、1つの権力に止まっていられないのが特徴です。
僕は半世紀以内にフィリピンに内戦が起こると予想します。

フィリピン社会の起源は、ある意味連邦制でした。
複数の種族がそれぞれに独立した社会を築き、横の繋がりを作って行ったようです。
そこへスペインがカトリックを持ち込んで統一します(僕の個人的認識)。
つまり、フィリピン社会では、国家としてのオリジナリティが不足しているんだと思っています。
このオリジナリティとは国家国民社会の成り立ちへの興味であって、それは種族民族への意識へと発展させながら、自分自身と、その周囲社会の関連を認識させます。
こうして個々の気持ちに再現されたオリジナリティは国家建国の中核と成り得ます。

その意味では、フィリピンがこれから連邦制になり、無残な内戦から国家崩壊の憂き目を見たとしても、国家形態としてはやり直し易い形態を与えられるのかも知れません。