みっかぼうず。

ものぐさ&ぐ~たら三日坊主の、ドラマ・映画・本のオボエガキ&おりおりの記録。

海外ドラマと私 ⑥

2008-01-31 17:29:30 | 海外TVドラマ
そのドラマを知ったのは新聞の広告だったと思う。
夜8時から、新番組スタート。
今考えると、地上波でこの時間帯に海外ドラマをやるなんてすごい。
今から12年半前。当時、長男年長・次男3歳・長女7,8ヶ月。
この時間帯なら、ながらでも、録画しながらでも見られると思った。

「このドラマは事実に基づいています。」

森の中で謎めいた死亡事件を起こした若者のグループが
数年後、再び事件に巻き込まれる。
彼らの体には共通の「しるし」があり、かつての仲間の遺骸は
人間とは思えない姿に変わり果てていた。
生き残った若者を襲うのは、正体不明の強烈な空からの光。
事件解決に乗り出すのは、超常現象肯定派と科学一辺倒の
正反対の見解を持つ、男女のFBI捜査官。

「Xファイル」(XF)との記念すべき、第三種接近遭遇の瞬間。

最初は「ふ~ん」。
もともとエイリアンとかUFOは嫌いじゃなかった。
アニメ以外にオトナの見るものもなかったから、
まあ、続きも見てみようくらいのノリだった。

8時という時間帯は微妙で、45分全部をリアルタイムでは見られない。
でも、断続的に見ても十分わかる内容だったのが幸いした。
長女はいわゆる「夜泣き」はほとんどなかったけれど
夜の授乳は避けられなかった。
真夜中に、ぼぉ~っとおっぱいをやっているのも退屈だったので
音量をうんと落として、録画しておいたものを見た。
そのうち、この時がビデオをゆっくり見られる唯一の時間になり、
夜中の授乳が全然苦にならなくなった。
まさに『授乳の友』。
母乳の成分の何パーセントかは、緑色だったかもしれない(笑)

ドラマはUFOものばかりではなく、月面の無気味な顔(の影)や
現代の森に潜む半獣人、反乱を起こすコンピュータなど色々だった。
「事実に基づいた」ものではなくとも、十分ありえそうな話ばかりで
そこにまず、惹かれたのだと思う。
そして、理論的で感情的ではない女性と、空想的で想像力豊かな
男性の捜査官コンビ・スカリー&モルダーにも興味が出てきた頃、
決定打2連発。

まず『海の彼方に』。
スカリーは父が亡くなった時間に、彼女に語りかけてくる幻を見る。
カップル誘拐事件が起こり、死刑囚ボッグスが犯人を透視するという。
そういうのを信じそうなモルダーは彼をイカサマと見破る。
だが、ひょんなことからスカリーは疑心暗鬼になる。
減刑してくれれば誘拐事件の犯人も、教えてやるとボッグス。
助けられないまでも、尽力してくれたスカリーに、
ボッグスは犯人のヒントを教えてくれて、無事事件は解決。
処刑に立ち会えば、父の最期の言葉を教えるというボッグズ。
結局スカリーは、立ち会うことなく、ボッグズは処刑される。

このボッグズが、XF屈指の名キャラクター。
彼とスカリーの攻防は、圧倒的な迫力と、抑制された感情の交流がないまぜになって、もう夢中になった。
(彼の吹替・野沢那智さんが最高!!!)
いつもは信じないスカリーが信じて、信じるモルダーは信じなくての
立場逆転もこの時が初めてで、滅茶苦茶新鮮だった。
それに、いつもビジネスライクな二人が、家族の死とモルダーの負傷という状況で初めて、互いへの素直な感情の片鱗を見せてくれたというのも、後のディ~~プなXFの深みにはまる第一歩だった。

そして『性を曲げるもの』
これはもう、ラストの大どんでん返しに、100%ノックアウトされた。
渦巻いて根こそぎなぎ倒された畑に立つ、二人の捜査官の姿が
ズームアウトして、空から全体像が見渡せるようになった時の
衝撃といったら!

主人公の関係&ドラマのネタ。
完全にXFの世界にはまった。
子育てで他に趣味が持てない時期、唯一の楽しみになった。
何回も見る時間はなかったから、見られる時には
本当にどっぷりと、ひたすらその世界にひたった。
見られない時でもあの続きはどうなってるんだろう、なんて
想像するのも、もどかしいけれど楽しかった。

こうして、めくるめく(?)私の『第二の青春』が始まった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。