前立腺がんの有無の診断には、血液検査のPSAのほか、超音波検査、直腸から指を差し入れて前立腺の硬さなどを調べる直腸診が行われる。
生検は、直腸に差し入れた超音波検査装置で、前立腺を見ながら6~12か所程度に針を刺して組織を採取し、顕微鏡で調べる。
つまり、PSA検査の異常数値によって、かなりな確度でがんの存在を把握できても、前立腺肥大の場合もあるし、存在箇所(原発箇所)とその存在を特定するにはがん細胞を前立腺から取り出す必要がある。
前立腺は、栗の実程度の大きさで膀胱のしたにあり、表皮にあたる部分にがんがあり、中実が腫れたりするのは前立腺肥大となる。
一回目の生検は、紹介先の病院へ行った当日、早いほうがいいだろう、とのことで診察室の脇の小部屋で実施された。仰向きであられもないお産の恰好をさせられ、麻酔なしでシリの穴から6発ハリをうたれた。正にエアガンを発射された感触、これがかなり痛い。
そのハリのなかに、長さ5mmくらいの糸くず状の検体がとられ検査に回されることになる。
検査結果は2.3日かかるし、金曜日でもあるし、その後の治療方針もつくっていかなければならないしで、急きょ初日に行ったそのままの姿で 夕方にはがん病棟の入院患者となった。
そして、待ちに待った一回目の生検結果では、がん細胞は発見されず、2回目の生検をしなければならないハメになった。医師は「痛い思いをさせて悪いなぁ、ナゼ出ないのだろう、自信なくすよ」とぼやいた。そして「次は麻酔をするから」と言い、2回目は12回ハリを撃ちこみ、がん細胞の摘出にいたった。
(2009/8/13(木) 午後 5:31・記)