早いもので 末期がんの延命療法として投薬を丸4年続けてきた。がん細胞のエネルギー源たる男性ホルモンの抑制や受け入れ機能(受容体)を遮断する薬には副作用が生じる。男性でも女性ホルモンは微量ながらつくられているので、投薬は身体バランスに微妙に影響を与えることになる。
個人差があることだろうが、この頃は乳首の周りにシコリが生じている。押すと痛い。副作用のひとつだろうが、主治医は「乳腺外来を受けてみますか?」と言う。
「ナニか支障があるわけではないので、いいです」と応じる。別の科へ行けば、おそらく、この現象を抑えるそれなりの新しいクスリが投与されるだろう。そして、また、あらたな現象が出てきて、またまた次のクスリが出て・・・、と無限投薬の世界が延々と待ってるのだろう・・
さて、PSA測定値は今回も「<0.008」で測定最小値の良い結果だった。かくて、連続28カ月、<0.008をキープしたことになる。
この極めて安定した病状を踏まえて提案、「先生、今月以降は3カ月毎の検査だけにとどめて、投薬治療を中止したいのですが・・」
医師、「もう少し続けたほうがいい・・」
「この4年、食事には注意を注いで、野菜などは自分でつくり、身体にいいと思われることをしてきた、お陰さまで良好状態になっているので、今後は検査だけにしたい」と。
「・・自身が そう望むことならやむおえない」と。
かくて、治療はいったん終わった。
しかし、治ったわけではないのだろうけれど、とにかく一歩踏み出した境地。
これからは、自分の回復力と医師でなく意志の力でコントロールしていかなければならない、あらたな段階へ入ったことになる。