Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

洗われ、流れる

2006-11-26 | pti voyage... tabi
ちょうどこんなお天気だった、
水辺に近づいて、雨のつくる波紋が池にぽつぽつと模様を描くのを眺めていたら、
あまりに森は静かで、遠くの木から葉っぱが落ちる音まで聴こえてくるような気がした。



山のてっぺんまで行こう、お茶を飲みたくなったね、
うん、

車を降りて雨を避けて、ログハウスに逃げ込む。
冷たい雨に白く煙る森を見下ろしながら、
熱い紅茶で手をあたためながら、
テーブルの角をはさんで、
静かな気持ちで話をした。
ずっと遠くにいたのに、こんな日が来るっていう不思議もあるんだね、
うん、まだ、慣れないよね。



見晴らしの良いカフェだと聞いていたのに、
景色の全てが雨の激しさで霧に覆われて不透明で、
暴風に遠くの大木の影がおぼろげに動くのが窺えただけで、
見下ろせるはずのふもとの景色なんて、何も見えなかった。



近くにいるようで、わたしの心は、やはりそこにない。
もう、ない。
久しぶりの近さが、こんなにそれを教えてくれるなんて。
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