連鎖

夜中1時半。
今帰ってきました。
今日は、といってももう日付が変わっていますが、前の職場でお世話になった方達の送別会に参加してきました。グループ会社に異動される方が２人、退職が１人。
もう自身辞めてるのに、（しかも実は、その部署の所属ではなかった私☆）送別会もないだろう・・・と、普通はなるかもですが、その部署の面々とは、お仕事プラスアルファの、アルファのお付き合いの方が多く、辞めて半年も経っても、未だ何かとイベントに呼んで頂いている、という背景もあり、その都度、私も喜んでいそいそ参加させて頂いている、縁の深い担当です。・・・なので、全然皆さまとも久しぶりではなく、そうでなくとも、あまり離れていた気がしない・・・、すでに離れた人達も変わらず常に暖かく迎えて下さる、素敵な雰囲気の部署なのです。

今回異動されるお1人は、いつもお父さんのように部をとりしきっていらした部長。
なればこそ、絶対ご招待にお応えしたかった今回の会でした。
そのご挨拶がとても素敵だったので、忘れないうちに書き残さねば・・・と、こうしてPCに向かっています

ご挨拶の中で、特に感動したのは2つのこと。
彼は会社においてたくさんの功績を成し得た人なのですが、性格も、親分肌で、現代の侍のよう。ほんとにお父さんみたいであり、自分の仕事のノウハウ全てを惜しげもなく書き綴ったファイルを、部下に与えています。私はその部署所属ではなかったし、その業務内容を具体的に知らないのですが、単なるマニュアルではなく、彼が自ら得た、たくさんの血と汗に満ちた収穫が盛り込まれているようです。
ひとつは、そこからたくさん学びました。という部下の感謝の言葉に対して・・・

「伝えたのは、魂。
仕事内容をたくさん書き込んだ自分のファイルを、一所懸命読んでくれてうれしい。でも、そのファイルの中身自体は、もう古いものもあるし、実際あまり現実に即していない部分もある。
でもうれしいのは、その中身を一所懸命、読むこころだ。自分の仕事への熱意が詰まったそのファイルから、諸君がその自分の熱意を汲んで、仕事に生かしてくれていることが、うれしい。」

実際、その部下の皆さんは、ほんとに全員が仕事に熱意を持ち、誠実に取り組んでいる顔をしています。

もうひとつは、ご本人が感動されたというある宮大工さんの台詞。

「教科書はなんですか・・・という問いに、彼は『法隆寺です』と答えた。ではライバルは・・・と訊くと、数千年先の、宮大工だ、と。
彼の仕事を捉えるスケールは、はるかな大きいものだ。数千年単位で、自分の仕事を見つめている。後世に残る仕事をしている、という誇りを感じる言葉だ。我々も、数千年、数百年とは言わないが、数十年残る仕事をしているという自負を大事にしよう。」

という呼びかけでした。

聞いている皆さんの顔が、引き締まり、強く意思的になるのがわかりました。
こうしたプラスの魂が、それこそ引き継がれて、何十年という結果を生み出すことになるのでしょう。
実際、その部長は、戦後間もない時代にほとんど無謀といわれたプロジェクトを遂行した先輩の功績をずっと念頭に置いて、それを理想と追いかけて、現在のお仕事に取り組んでいらっしゃるとのことでした。
古きを大切にし、新しきを強く誠実に育てる。
部署として、実際企業としてトップクラスにある成績を誇る秘訣は、このように魂のなせる当然の結果なのだな・・・と納得しました。
このような魂が受け継がれたからこそ、もっとそこに携わる人たちは強くなる、素敵になる。

陽性の力の連鎖を目の当たりにして、私もまた、気持ちが力強くチャージされたのを自覚しました。