気持ちを、遠くへ

家族でおこたに入りながらテレビをつけたら、ナスカの地上絵特集。
先日ふと連絡先が判り、10年ぶりに再会した懐かしい友達が、今ちょうど、この瞬間にもセスナでその上空を飛んでいるはず。
再会は、ペルーで、にしようよ！マチュピチュメインに、それからあの公園で・・・
と相も変わらず突拍子のないことを最初、久々の電話で言われたけれども、この寝正月がやっぱり私にはベストだったなー、なんてごめんね。ペルー行ってみたかったけどね。でも、あの旅程表はあまりにマッチョだったわ！
その代わり？、有馬温泉で再会できて楽しかったよね、充分に

それでも、昨年は海外旅行を２つした、その解放感が、こんな映像を見ていると、またぞくぞくする気分と共によみがえってくる。
どこまでも続く高い空、甘さのない乾いた風の見知らぬ香り、土の色もまるでなじみがない・・・。
そんな外国で、宇宙をも捉えるかのように遠くを見つめ、体いっぱいに摂りこむ空気。
それが精神に与えてくれる活力の、どれほど偉大なことか。
あの伸びやかな気持ちは、苦労して出かけた疲労をすべて吹き飛ばす。
その地において明らかに異邦人である自分を意識するとむくむく湧きあがる、生きている、実感。

人生は旅だ、なんて口にしてみたって、旅の実感がなければ緊張感もわかない。
わたしは、見知らぬ地の映像を見て、人生がこの景色くらいに広い可能性に満ちていることに急に気付いて、涙が出そうになりました。