Belle Epoque

美しい空間と、美しい時間

ふくらみ色で養うシルエット。

2007-11-11 | tenue... yosoou
一般に、「ひきしめ色」として濃く彩度が低い色をまとうと、文字通り、目の錯覚でカラダ全体がひきしまって見える効果があります。
肌色との対比をはっきりさせる効果も高く、先日デンマークで見かけたほっそりと背の高い、プラチナブロンドに透けるような肌を持つ美女の「全身、トーンの違う黒」には、息を呑むような陰影の深さとひきしまった雰囲気がありました。もちろん、華やかさも!
黒を着た人が思いきり華やかに咲くような例は、めったに見られません。
日本では、質感・デザインを大切に選んで高い美意識で着こなす並外れたおしゃれさんのみ。そしてそんな人は、かなり稀有です。

色は、できる限り、自らの「引き立て役」にしたいものです。
「ひきしまって見えるから、黒」
「なんとなくお洒落に見えるから、黒」
には、逃げてしまいたくない・・・。
どうしても、そう言いながらもやりがちですけど。

ところで、パステルピンクや白のモヘアのニットなど。
これらは、ひきしめの対極にある「ふくらみ色」、膨張色というやつです。
こんな色を上半身に着たら、ひょっとして現実以上にふっくらむちむちに見えます。
デートなど、空気感・色気・やわらかさを表現したいシーンにおいては効果的ですが、もしすっきりシルエットに見せたいならば、頼ることがまったく出来ない色。
だから、首を伸ばして背骨をまっすぐにして肩をひいたり、おしりをひっこめて膝を伸ばしながらさくさく歩いたり。
デコルテの開きのきれいなデザインを選んだり。
できるだけの緊張感を、自然と自らに課すことになります。
ショーウインドウにふと映る自分の姿に衝撃を受けるのも、いいきっかけ。
・・・じつは、自分に課していることなのですが。

いつでも、着るものに選ばれるのではなく、自分から選びたい。
欠点が浮き彫りになるから着られない、
なんて後ろ向きに、お気に入りとの出会いを諦めたくないですものね。

禁断の「ふくらみ色」または「苦手色」をクリアしたタブーの無い人なら、黒で表現するオーラが、はっとするほどの強さを魅せるはず。
自分自身のキャラクターが色に呑まれることがあっては、せっかくの服だってもったいない。
自分が「主役」、身につけるものを「名脇役」にするヒントは、あくまでまずは本人の気構えにあります。
好きだけど苦手な色、を着る際は、得意の色を首元に持ってきてやわらかく中和させてみたりして、あきらめず挑む。
楽しんで工夫した分、こなれていくのが着こなしですもの。

ちなみに、着る色の性質は感覚から気分とキャラクターにしみこむそうで、暗い色ばかりを着ていると気持ちも性格も沈みがちになるそう。
喪服や、ギリシャの未亡人たちの装いを思い起こしても、そうかもしれないと思います。
また、
「暗い気持ちの時こそ、装いは華やか色できめるのよ!」
と朗らかに語ってくださった会社の先輩美女の言葉も思い起こすにつけ、
色は、本人のキャラを引っ張り、左右してしまうパワーを持つことを再確認します。
だから、基本的には明るい色から、ワードローブを選ぶ。
くもりや雨が多い寒い日には、自分が太陽を生み出す気持ちになる。

黒を着る日でも、じかに肌に触れるランジェリーを思いきり明るくしたりするのも、なかなか効果大。
色を操る人は、なにも着ていないときも、自然と人間そのものから「色」を滲ませる。
雑誌やファッション業界が作った「流行色」だからと、人に選択権を任せて安心したりしないで、自分の気持ちに素直になって、お洒落を楽しみましょう

2 コメント

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着たいもの (涼子)
2007-11-17 20:00:03
黒ってまず失敗のない色ですよね。
頼ってしまうときもありますが、基本的にはボトム中心でトップスは明るい色を着るようにしています。

素直に着たいものが着られるような、ボディー&メンタリティーでいたいですね!
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ほんとに。 (涼子さま(mi))
2007-11-18 09:05:35
涼子さんは明るい色がお似合いな感じ
よどみないキャラクターがそうさせるのかしら。。
いつまでも着たいものだけ着ながら歩いていく人生、楽しみましょうね~!
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