豊かさ

めちゃめちゃ想像力が豊かな友人がいます。
普段は、クールで現実的なんだけれど、人知れない一面あり。
想像というより、空想、といってもいいと思うのだけど、
何かしらいつも、突拍子もないことを考えていて、そんなときの表情は、思慮深げ。

去年の今頃だったか、ふたりでふざけたおしゃべりをしていたら、ふと、
「寒くなってきたから、もこもこが欲しい」
と言い出し、
なにそれ？
と訊くと、「こんなのがいたらいいなー」的なキャラクターなのですが、
「これくらいの大きさで、毛は金髪でふわさ～～っとしてて、あったかくて」
と、なんとなく案はあったらしいのだけど、適当にでまかせを答え出し、
この空想の産物は、どんどんその後も彼女の中で具体性を増していきました。
面白がって、
「それは、何をしてくれるの？」
「どんな声？」
「出身国は？」
なあんて質問することで、彼女も考えて答えざるを得ず、もこもこ像は、我々の中で、どんどん明確になりました。
こういうふざけたムダが、人生を気楽にしてくれる・・・

もこもこした、癒しキャラが、もし生活にいたら。
やっぱりうれしいだろうな。
などと、つられて私ももこもこに思いをはせるのでした。

私などは、学校の授業中とかこそ、退屈ゆえ、とりとめなく空想してたりしましたが、
今は、時間的に拘束されることも少なくなったので、空想より情報で頭を満たしてしまいます。

が、彼女の場合、
「気付くと考えている」
ってくらい、次から次へと、ユニークな発想を、自ら編み出しているらしい。
たとえ無人島でひとりでいても、絶対退屈しないでしょう。。

情報っていうのは、結局最新でないと何の意味も持たないし、その存在は一種のツールです。
情報量の多さは確かに大事だけれど、ほい次、ほい次、と消費していくうちに、自分がふりまわされてしまうこともある。

そんな何かを「使って」楽しむ、のもいいことだけど、
何かを「作って」楽しむスタイルって、
その人の中身がより豊かに、ユニーク（unique=唯一無二の）になる気がします。

そんな訳で、考えすぎることを、悩まなくたっていいの。
これからも、考え続けることをやめなくていいんだよ。