揮発性の化学物質によって心身に不調が出る化学物質過敏症の患者たちが、安息の療養先や住まいを探している。古い家も防虫剤を使っていたり、郊外も農薬散布などがあり、化学物質を避けられる環境は限られる。福知山市に事務局を置く支援団体は幅広く空き家の情報を求めている。
■福知山の支援団体 情報求める
天然木の本棚や机が並ぶ築50年近い民家。同市の山すそに建つ家で暮らす元看護師の河波裕子さん(35)は約8年前、国道9号沿いの新築マンションに転居した後、突然体調に異変が起きた。
「頭痛がひどく毎日イライラして、血尿も出た。育児疲れも疑ったが自分でも原因が分からず、苦しくて一時は自殺も考えた」
過敏症を克服して患者を支援している元看護師の間瀬あゆみさんの助言で、状況を理解した。苦労の末に現在の家を見つけて転居し、携帯電話も、合板やプラスチックの家財も捨てた。夫(36)も禁煙して支えた。野草茶を手作りするなど食事も変え、次第に症状が和らいだという。
化学物質過敏症は1990年代には国内で問題化していたが、昨秋の診療報酬改定で保険請求時の病名と認められたものの実情は広く知られていない。河波さんは「家を探し回ったり、人に会うことさえ難しい人もいる」と理解を求める。
京都府や兵庫県の患者6人を支える「化学物質過敏症患者を支援する会」(福知山市)の笠次義久代表世話人(59)は「人によって症状が異なり、田舎や古民家が良いとも一概に言えないので実際に行って確かめるしかない。多くの情報を得たい」と話す。
同会は過敏症への理解を広めるため、30日午後2時から福知山市の中丹勤労者福祉会館で間瀬さんを招いた学習会を開く。患者や家族の交流会も計画している。情報提供は同会TEL0773(23)1503。
■化学物質過敏症 医学的に確立された定義はないが、NPO法人化学物質過敏症支援センター(横浜市)によると、殺虫・防虫剤や香水、排ガス、建材などに含まれる微量化学物質に反応して頭痛やけん怠感、自律神経、視力障害などの症状が出る。重症になると仕事や家事など通常の生活も困難になる。内山巌雄京都大教授らの成人対象の調査で患者数は全国約70万人と推計されている。
やはり、人間が作った不自然な化学物質は、体によくない!地球にも!
早急に、根絶か、改善をするべきだ。