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農業手法の大転換で省エネルギーを実現

2010-05-05 18:19:13 | ニュース
食分の食料生産で消費される燃料は意外と多い。もしかすると、その食事の摂取エネルギー量をはるかに上回るかもしれない。



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 アメリカの食料生産システムでは、農地の食材料1カロリー分が食卓に届くまで10カロリーの化石燃料を消費するといわれる。ところが2010年5月3日発行「Agronomy Journal」誌5/6月号で発表された研究結果によれば、実はそれほど多くは必要ないという。

 アイオワ州立大学チームが行った6年間の研究は、化石燃料消費を削減しながら豊富な収穫量を維持し、農家は利益も出せると結論づけている。

 同チームはアイオワ州の農場で、コーンベルト地帯の二大作物、トウモロコシと大豆のほか、エンバクやムラサキウマゴヤシなどを輪作作物に追加するテストを行った。その結果、作物の種類を増やすと、合成肥料や除草剤の使用量が大幅に減った。どちらも通常は天然ガスから生成されている。

 ポイントの1つはムラサキウマゴヤシにある。空気中の窒素を土壌に取り込むという役割を果たすのだ。ムラサキウマゴヤシの栽培地では、合成肥料の使用量が4分の1程度に減少した。

 アメリカの農家の多くは、トウモロコシと大豆を隔年栽培するという2年サイクルの輪作が習慣化しており、すぐには馴染めないかもしれない。

 アイオワ州立大学の農学教授マット・リーブマン氏と研究チームは、輪作サイクルを4年に変更すれば、化石燃料の使用量を半減できると実証した。従来のトウモロコシと大豆の輪作に、エンバクなどの穀物とムラサキウマゴヤシやマメ科植物をそれぞれ1年間割り込ませるのだ。

 このような4年サイクルの農地は、省エネルギーを実現すると同時に、収穫量と利益もほとんど変わらなかった。「この方法ならトウモロコシの生産量と農家の収入を両立できる」とリーブマン氏は話している。

 4年サイクルには、綿密な計画と実施、また家畜も要件となる。研究チームはトウモロコシやエンバク、ムラサキウマゴヤシの牧草を牛に与え、その糞を農地にまいた。作物が必要とするカリウムやリンを合成肥料の代わりに供給し、化石燃料の節約に繋がったのだ。

 ただし、労働力が倍に増える欠点もある。リーブマン氏はこの点について、「トラクターの運転や牧草の収穫に時間がかかるんだ。こういった手間仕事はすべて機械で行うこともできる」と述べている。

 カナダのオンタリオ州にあるグエルフ大学で農作物を研究する科学者ビル・ディーン氏によると、複合的な輪作には化石燃料の節約以外にも、多くの利点があるという。「土壌の有機物量が増えるので、浸食を減らすことができる」と同氏は説明している。

 一方で、同氏は導入には困難もあると指摘している。「複合的な輪作は理想的だが、市場を考えると簡単ではない。ムラサキウマゴヤシなどの作物は需要が少ないからだ」。

 リーブマン氏率いる研究チームは、アイオワ州の農場で伝統的に両立していた農業と畜産業の歴史に言及している。しかし、低いエネルギー価格と高い労働コストのため、トウモロコシと大豆の2年間の輪作に転換が進んだという。

 ただし農家は、石油価格が上昇すれば化石燃料に頼る方法は高コストになると気づき始めている。また、化石燃料の価格を左右する地球温暖化に関する政策にも注目している。研究チームは、「化石燃料の価格が上昇しても作物市況が変わらない状況になれば、複合的な輪作システムに転換する十分な理由となるだろう。化石燃料が高額になるにつれ、従来の利点は薄れていくはずだ」と主張している。

Photograph by John Stanmeyer, VII/National Geographic

核兵器廃絶願う署名提出=NPT議長に-秋葉広島市長

2010-05-05 18:17:53 | ニュース
【ニューヨーク時事】秋葉忠利広島市長は4日、核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開かれているニューヨークの国連本部で、2020年までの核兵器廃絶を訴える世界各地の自治体首長らの署名を、NPT議長であるフィリピンのカバクチュラン国連大使に提出した。
 議長は「皆さんの努力は、核兵器のない平和で安全な世界を願うすべての人々から評価されている」とねぎらった。
 秋葉市長が会長を務める「平和市長会議」は08年4月、核廃絶への道筋を示した「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を策定。それに賛同した首長ら1577人が署名した。市長会議は、NPT会議での議定書採択を求めている。
 また市長会議は、核廃絶の一環として、核保有国に対して都市を核攻撃の目標にしないよう求める運動を展開中。活動に理解を示した一般市民約100万人の署名も、田上富久長崎市長からNPT議長に手渡された。 

<火山噴火>「欧州単一空域」早期実施で合意 航空網混乱で(ワン・ワールド計画?)

2010-05-05 18:10:49 | ニュース
【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)は4日、ブリュッセルで運輸相会議を開き、先月のアイスランド火山噴火への対応で加盟国の足並みが乱れた反省から、国別に分かれる管制空域を整理・統合する「欧州単一空域」計画の早期実施で合意した。

 航空管制権限はEUでなく各加盟国にあるため、欧州の空は「27カ国のばらばらの空域の寄せ集め」(カラス欧州副委員長=運輸担当)だ。このため、アイスランド火山噴火では空域や空港の閉鎖決定を各国管制当局が下し、EUとしての共同対処が遅れた。

 EUは近年、単一空域整備の必要性を論議してきたが、国防と密接に関係するため、国家主権の壁が障害になってきた。

 EUの行政府・欧州委員会は火山噴火での欧州航空網の混乱を踏まえ、12年に実施が予定されている単一空域計画の主要部分を年内に適用するよう提案している。単一空域計画は現在の国別空域を改め、交通量に応じて空域と航空路を設定し、航空管制業務の整理・統合を図る。また、噴火の再発に備え、危機管理や航空業界支援、旅客対応について連携強化策を検討する専門家グループを創設する。

 アイスランド火山噴火では火山灰拡散の影響で10万便以上が欠航するなど欧州航空網が混乱し、1000万人以上の旅行者が足止めされた。航空業界の損失は推定15億~25億ユーロ(約1870億~3100億円)に上る。

これもワン・ワールド計画の一環か。