アモルの明窓浄几

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住まいの耐震改修補助金制度について

2008年06月01日 | まちのこと
5月12日に発生した四川大地震の被災地面積は10万平方キロメートルで、北海道の1.2倍の広さとの事です。
共同通信社によると中国政府は、5月31日正午迄の地震の死者は68,977人、負傷者367,854人、行方不明者は17,974人、地震の影響を受けた被災者は45,547,565人に達したと発表しました。

四川大地震は、2分間にわたる二段階の断層活動によって起き、断層の長さは延べで約250km、幅約30kmの断層のずれが起きたと云われています。
阪神淡路大震災の断層活動は約40kmで、モーメントマグニチュードが6.9と云われており、四川大地震はモーメントマグニチュードが7.9とされている事から、地震のエネルギーに換算すると、阪神大震災の約30倍に相当するそうです。

毎日新聞によると、
・ 国が切迫性を指摘して重点的に対策を進める首都直下、東海、東南海、南海の4地震がすべて発生すると、被災者生活再建支援法に基づいて被災者へ支給する支援金が総額約9兆円に達する見通しであることが国の試算で分かった。
・ 支援金の財源は、都道府県が拠出した基金と運用益で半額を賄い、残りは国が補正予算などで補助する。…内閣府は「いつ起こるか分からない自然災害に予算を付けるのは難しい」と説明する。
・ 一橋大国際・公共政策大学院の田近栄治教授は「首都直下地震などが起きれば、支援金支給は困難だ。地震後に『支給できない』と言い出すと、混乱を増大させる。その事実を国民に示し、住宅耐震化を進めて被害を減らすことが重要だ。
災害時には都市機能回復や災害弱者の救済も急務で、国は国民に判断を仰ぎ、災害時の予算の優先順位を決めておくべきだ」と指摘する。
以上

田近栄治教授が指摘するように『住宅耐震化を進めて被害を減らすことが重要だ。』と云う事であり、国においても一刻も早く施策を講じていく必要から、「耐震改修促進法」を平成18年に改正施行され、住宅及び多数者が利用する建築物の耐震化率(現状約75%)を平成27年迄に90%にすることを目標としています。

芦屋市としてもこれを受け、耐震改修を促進するため「芦屋市住宅耐震改修促進事業」を本年度(平成20年度)から実施しました。

兵庫県においては、既に既存住宅の耐震化を促進する目的で耐震改修計画及び耐震改修工事の費用の一部を県が補助する制度「わが家の耐震改修促進事業」が実施されています。

県の改修促進事業については以前に紹介しましたが、今回は市の改修促進事業と合せて、その概要を木造戸建て住宅に絞って整理してみます。

A.「簡易耐震診断推進事業」
・この事業は、木造戸建て住宅1棟当り3,000円(神戸市、三木市は無料)を負担すれば、簡易耐震診断員(市の備付け名簿から選任できます)を派遣し、調査・診断を行います。
・申し込み条件は、1981年(S56)5月31日以前に着工された住宅であることです。
・「わが家の耐震改修促進事業」の補助金を受けるための絶対条件ではありませんが、自宅の安全性が低い(総合評点1.0未満)か、どうかを事前に判断するのに利用できます。

B.兵庫県の「わが家の耐震改修促進事業」
・耐震補強を目的とする耐震改修計画(設計)と改修工事に対し補助金を交付します。
・申し込み条件は、①1981年(S56)5月31日以前に着工された住宅であること。
         ②安全性が低い(総合評点1.0未満)と診断された住宅
         ③所得が1,200万円以下(給与収入のみの場合は、14,421,053円以下)
         ④フェニックス共済(兵庫県住宅再建共済制度)に加入すること。

(1)『住宅耐震改修計画策定費補助』
  ・住宅1棟当り20万円を限度として策定費用の2/3を補助してもらえます。
  ・耐震補強の必要性の判定と、耐震補強後の耐震性の診断を行います。

(2)『住宅耐震改修工事費補助』
  ・住宅1棟当り60万円を限度として改修工事費用の1/4を補助してもらえます。
  ・耐震改修計画(設計)に基づく補強工事であること。
   但し、増改築等のリフォーム工事を一緒に行った場合の耐震改修に該当しない部分は、補助金の対象にはならないので、ご注意ください。

C.芦屋市の「住宅耐震改修促進事業」
・耐震補強を目的とする耐震改修工事に対し補助金を交付します。
・住宅1棟当り30万円を限度として改修工事費用の1/4を補助してもらえます。
・申し込み条件は、県の「住宅耐震改修工事費補助」事業の補助金の交付決定を受けているもの。


以上のように、木造戸建て住宅の場合は、県の改修促進事業で上限80万円(改修計画+改修工事)、市の改修促進事業で上限30万円の最大総額110万円の補助金が受けられます。
 又、銀行から融資を受けて耐震改修工事をする場合は、利子の一部を補助する「住宅耐震改修工事利子補給」制度もあります。


上記の内容は、一般的な概要ですので、台風や水害などの被災住宅の方、店舗付住宅の方や貸住宅、共同住宅等にお住まいの方なども含め、諸条件の詳細は別途ご確認ください。
各市町窓口、簡易耐震診断員(市町に備付け名簿有り)及び兵庫県県土整備部住宅建築局建築指導課(建築耐震担当:TEL 078-362-4340)に問い合せれば良いかと思います。

尚、住宅等の耐震化を促進するための「住宅耐震改修促進税制」や「住宅バリアフリー改修促進税制」などの税制措置もあります。


耐震改修工事をされる場合は、リフォーム工事等と一緒に計画される場合が多いと思われます。各種の助成制度等も合せて、上手に利用されるとよいでしょう。




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