アモルの明窓浄几

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がれき広域処理の「論点整理」03

2012年09月05日 | まちのこと
前回の続きです。大阪市の最近の動向を新聞紙上から拾い読みします。
大阪市は、岩手県の震災がれきを受け入れ、此花区にある市営焼却場で焼却して灰にした後、焼却灰処理施設「北港処分地」(此花区夢洲)への埋め立てを計画しています。
来年2月から本格的に受け入れる予定です。

此花区では、がれき受入れの「説明会」を今までに3回開かれているそうですが、しんぶん赤旗(8/29日付)によると、「区民からの質疑の9割が受け入れをやめてほしいという意見でした(略)内部被曝を心配する市民の声に、橋下市長は『自然放射線、レントゲン、CTスキャンでも放射能は浴びる』といい放ちました」とのことです。

8月30日には、大阪市民だけを対象にした「説明会」を北区の中央公会堂で開かれました。
朝日新聞(8/31日付)によると、「橋下徹市長と松井一郎大阪府知事が出席して安全性を強調したが、約400人の参加者からは批判が相次いだ。(略)市は2013年度までに計36,000トンのがれきを受け入れ、(略)11月の試験焼却を前に、全市民対象の説明会を初めて開いた」、「受け入れを中止すべきだとの意見表明が続いた。だが橋下氏も『会場を出れば多くの府民、市民が岩手県を支えたいと言っている』と譲らなかった」とのことです。

7月27日には、福岡・北九州市で全国初の震災がれき広域処理に絡む裁判が起こされました。又、その他の地域においても震災がれきの受け入れをやめてほしいという意見が市民の大多数の声のようです。

私は、8月19日に神戸学院大学での安斎育郎氏の講演「福島原発事故と子供たちの未来」に行ってきました。安斎氏は次のようなことを言っています。
>放射線の影響については、分裂の活発な細胞ほど、また、機能が未分化な細胞ほど、感受性が高いという「トリボンドー=ベルゴニーの法則」というのがあります。つまり、子供は大人より感受性が高いということです。私は、放射線はできるだけ浴びないに越したことはないと考えています。
>私は、人々の関心が主として、放射線の影響についての「理科的な側面」に限られ、こうした深刻な事態をもたらすに至った政治・経済のあり方を含む「社会科的な側面」への関心が薄いことに危機感を持っています。

要するに、放射線は、微量であっても浴びない事に越したことはない。そして、根本的な解決には、政治に関心を持ちなさいということでしょう。

最後に、朝日新聞8月20日の文化欄から「橋下現象・熱狂的でなかった?」を紹介します。
>「橋下現象はポピュリズムか?」と題した論考を発表したのは、ひょうご震災記念21世紀研究機構主任研究員の善教将大氏(政治意識論)と関西大学准教授の坂本治也氏(政治学)。
>維新の会についてアンケートをし、その結果、維新の会を支持すると答えた人のうち熱狂層(強く支持する層)は18%で、8割以上は穏健層(弱く支持する層)が占めていた。
>世帯収入と投票先の関係(市長選)では、収入が高めの人ほど橋下氏に、低めの人ほど対立候補に投票する傾向が見られたという。
>「世界」7月号などに発表された松谷満中京大学准教授の意識調査もあった。そこでも(橋下)市長の支持率は、自身を階層的に「上」、「中の上」と見る人たちで高く、「下」と答えた人では低かった。
>「『政治・社会的に疎外された人々がポピュリスト的な政治家を支持する』という古典的な疎外論のフレームを使って橋下現象を説明するのは無理なのではないか」と善教氏は語っている。

橋下徹氏の政治手法が如何にブルジョワ(古典的表現か)に受けが良い政策なのかがわかりますね。


追伸:先月の8月11日に東京渋谷で「LGBTの祭典 セーブ・ザ・プライド(save the pride)が開催されました。LGBTとは、レスビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字をとっているそうです。セクシャル マイノリティーの存在を社会へアピールするパレードとのことです。
Eテレの「ハートネットTV」で、このパレードを放送していましたが、「自分の性別は自分で決める」とか「好きな人と一緒にいられる『あたりまえ』をください」などのプラカードを持って行進している姿は、なんとも誇らしげでした。
あるご婦人が静かに無言で行進しているのですが、その羽織った服の背中に大きく次の文字が染め上げられていました。
「わたしの自慢の息子はゲイです」。


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