アモルの明窓浄几

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裁判員制度について思うこと-4

2008年12月20日 | 万帳報
●[註5]は、モデルとしたであろう参審制度のフランスやイタリアでの評決方法です。
有罪とするには必ず参審員(市民)の半数以上の賛成が必要である点がポイントです。

 ・フランス(参審制度)
   →構成   :裁判官3名+参審員9名=12名
    評決方法 :被告人に不利益な判断をする場合は、裁判官と参審員を合わせた2/3以上の特別多数決による。従って、有罪と判断する場合は、12×2/3=8名-3名(裁判官)=5名以上の参審員の賛成が必要。
この5名(≧9/2=5)は、参審員の半数以上に当る。
    評議・権限:裁判官と参審員は共に評議し、有罪・無罪の決定及び量刑を行う。

 ・イタリア(参審制度)
   →構成   :裁判官2名+参審員6名=8名
    評決方法 :有罪無罪については、多数決で決する。量刑については、過半数になるまで最も重い意見の数を順次軽い意見の数に加えて決める。従って、有罪と判断する場合は、8×1/2=4+1=5名-2名(裁判官)=3名以上の参審員の賛成が必要。
この3名(≧6/2=3)は、参審員の半数以上に当る。
    評議・権限:裁判官と参審員は共に評議し、有罪・無罪の決定及び量刑を行う。

 ・日本(裁判員制度)
   →構成   :裁判官3名+裁判員6名=9名
    評決方法 :多数決で決する。但し、裁判官と裁判員のそれぞれ一人以上の賛成が必要。従って、有罪と判断する場合は、9×1/2=5名-3名(裁判官)=2名以上の裁判員の賛成があればよい。
この2名(<6/2=3)は、裁判員の半数に満たない。
    評議・権限:裁判官と裁判員は共に評議し、有罪・無罪の決定及び量刑を行う。

 ・米国(陪審制度)
   →構成   :裁判官1名と陪審員12名
    評決方法 :陪審員の全員一致が必要。
    評議・権限:陪審員のみで評議し、有罪・無罪の評決を行う。
尚、陪審員による量刑は行わない。

※上記のフランスとイタリアは、量刑は行うが、死刑を言い渡すことはありません。
因みに、先進七カ国(日本、米国、英国、仏国、伊国、独国、加国)の内、死刑制度のある国は日本と米国のみです。


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