アモルの明窓浄几

芦屋・仕舞屋・三輪宝…生噛りの話題を机上で整理します。

NHK『介護百人一首』(夏)

2012年08月27日 | 万帳報
5月に紹介しました、NHKの介護短歌『介護百人一首』の続編です。
今回も、私のお気に入りの短歌六首をご紹介します。

(1)二十年は帰れぬと言ふに百歳の母は家(うち)への荷をまとめおく
(福島県  吉田 信雄さん)
吉田さん一家は、東日本大震災で被災し、避難を余儀なくされました。
要介護2の101歳になるお母さんは、何時でも家へ帰れるように荷をまとめて居られるそうです。

(2)午前二時か細く夫(つま)の「あきこさん」「大丈夫よ」と頬を寄せ合う
(栃木県  羽石 昭子さん)
昭子さんは、夫がパーキンソン病となり、自宅介護は無理と周囲からいわれましたが、一緒に暮らすことを選ばれました。
昭子さんにとっては、一緒に居たい「なくては困るひとなんです」と仰っています。

(3)帰省せしわが子を客と思う妻台所でわれのそばを離れず
(新潟県  林 敏夫さん)
ご子息がお盆やお正月に帰って来ても、奥さんは自分の子どもを忘れているようです。
「大きな人がうちへ来ているよ」といい、敏夫さんの側から離れないそうです。
敏夫さんは「自分の人生はたいしたことはなかったが、妻の介護が出来たことはよかったと思う」と振り返って居られます。

(4)老いてこそほんとに役立つラブレター「愛」確かめむと時に繙(ひもと)く
(大阪府  石川 知子さん)
知子さんは、要介護2の夫の介護をして7年目だそうです。言い争いが増してきているそうですが、そんな悲しいときなどは昔のラブレターをこっそり読み返し、ガンバローと自身を励ましているとのことです。

(5)寝たきりになれば用なきワンピースほんのり紅つけ施設に向ふ
(熊本県  坂上 チヨノさん)
チヨノさんは、今のうちにブラウスやワンピースなどの洋服を着て、施設へ行っているそうです。寝たきりになったら「ネマキ」が2枚あれば用達からだそうです。

(6)「介護さんひばりの歌を歌ってよ」知らず知らずに持ち歌になり
(新潟県  高橋 拓也さん)
高橋さんは、福祉を学んでいる学生さんです。施設実習に行かれたときに美空ひばりの「川の流れのように」が大好きな方がおられ、一日何回も歌って聞かせていたので、この曲が高橋さんのカラオケの十八番になったそうです。


(1)と(3)の短歌は前回同様、介護短歌百首には選ばれませんでしたが、作者のご両人は別の短歌で入選されています。しかし、私はこちらを選びました。
尚、介護短歌『介護百人一首』は下記のHPで、ご覧になれます。
→ http://www.nhk.or.jp/heart-pj/event/tanka/index.html



[ 追伸 ]
余談ですが、ある文化センターに映画案内のチラシがおいてありましたので、ふと見てみますと「原節子 十六歳 伝説はここから始まった」とあったので、手に取らないわけにはいかないですよね。
思わず、掴んでしまいました。
映画のタイトルは『新しき土』(1937年/日本・ドイツ合作)とありました。
1937年?…確か、この年は何かあったはずではと、帰宅してネット検索してみると。
有りました。この年の7月7日は「盧溝橋事件」。12月13日は「南京陥落(南京事件)」です。5月には「パリ万国博覧会」も開幕されていますね。
そういう年に、原節子は16歳だったのかぁ~と、ピントのずれた感想ですが、この時代の日独合作には、何か特別な意図があったのでしょうか?
音楽担当が山田耕筰、作詞は北原白秋と西条八十と豪華ですね。早川雪州も出演しているようです。
因みに、私は原節子ではなく、吉永小百合 う~ん、やっぱり緋牡丹博徒のお竜さんこと、藤純子ですね。鶴田浩二、高倉健との絡みは最高でした。
9月29日(土)に芦屋ルナ・ホールで上映するそうです。



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