アモルの明窓浄几

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富山泰一の「税負担を受け入れる前に聞くハナシ」

2012年09月10日 | 万帳報
富山泰一(税理士)さんの講演(7/11日)録が、民医連新聞に掲載されました。
抜粋し、一部紹介します。

日本経済の不振が続き、財政危機に陥った原因は、
(1) 所得の分配の不平等
(2) 所得の再分配の不公平
が、突出していること、と富山さんはいう。

>ここをきちっと理解しなければ、「社会保障には財源が必要で、それには誰もが同じ税金を払う公平な消費税がよい、消費税増税はもっともだ」との論調に、何となく納得してしまうのではないか。

>国家財政の基本は「出づるを量りて入るを制す」なのです。国が国民に対して何をするかを示し、それに国民が納得して初めて、そのための資金(税金など)の集め方を決めるのが国家財政のたて方です。

>使い道を示さず、「税金を先に出せ」では、民主主義のない時代の「年貢」になってしまいます。

>財政の基本的な機能の中でも最重要なのが、「所得の再分配」であり、財務省発行の「図解日本の財政」(平成22年版)での説明では、「具体的には、歳入面では所得税などの累進税率適用や資産課税によって、高額所得者により重い負担を求め、実質的な所得分配を変化させること。歳出面では、生活保護や失業保険などの社会保障支出、あるいは就学援助や公営住宅などを通じ、低所得者、社会的弱者により多くの経費を割り当てる所得分配が行なわれる」。これが、税制の本来の目的ともいえる機能なのです。

>現在の日本の財政構造を見ると、説明とは真逆の状況がひろがっています。負担能力に応じた「分かち合い」のシステムが機能していないからです。


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