つづき 「大飯原発」再稼働決まる03

今回は、付録です。
大飯原発を再稼働できない場合の脅かしの手口として、15～20％の節電を求めていました。下表は「首相官邸」ｈｐに掲載されているものです。
20％削減するには、図表の様な節電が必要で、節電が実行できなければ、貴方の生命にも危険が及びますよ。従って、節電は困難ではありませんかと云いたいのでしょう。

【20％の節電に必要な対応】
※平成22年8月19日（14:00～15:00）関西電力の最大ピーク需要「3095万kw」で試算

図表右側の「家庭」の節電の処を見て下さい。夏場のエアコンがやり玉に挙がっています。テレビ等のマスメディアでも家庭で一番節電効果のある機器はエアコンと宣伝されています。エアコンの消費電力が一番多いと思われるからでしょう。ホントでしょうか。

住宅の場合、エアコンによるエネルギー消費が全体の30％前後を占めており、これを節約することで大きな省エネを図ることが出来ると云われています。
では、住宅用のルームエアコンの消費電力はどのくらいなのでしょうか。

部屋の大きさ　６畳大　→　エアコンの冷房能力2.2kW（消費電力　約440W）
　　　　　　　８畳大　→　　　　　　冷房能力2.5kW（消費電力　約500W）
　　　　　　１０畳大　→　　　　　　冷房能力2.8kW（消費電力　約560W）

上記は一般的な目安です。エアコンの消費電力は外気温、室内温度等の空気環境に大きく左右されるので、消費電力を定量的に判断することは非常に難しいのです。括弧内はカタログでの消費電力を示していますが、外気温が高く室温も高い状態では、消費電力は記載数値よりも高くなります。エアコンについての前置きはこのくらいにします。

さて、電力業界は、原発事故が起こるまで「オール電化住宅」一色でした。
オール電化にするには、電磁調理器（ＩＨクッキングヒーター）を取り入れるのが絶対条件でしたね。図表には電磁調理器がありませんが、消費電力はどのくらいでしょうか。
電磁調理器は、ビルトイン型から卓上型までいろいろとあり、消費電力にも幅がありますが、概ね2,000W～5,000Wなどと云ったところでしょうか。
エアコンとは値が一ケタ違いますね。ご自宅に設置されておられる方は、カタログ（仕様書）をお確かめ下さい。因みに電子レンジは、600W～1,200W程度でしょから、電磁調理器が如何に大きな電力を消費しているかが分かります。

電力業界の言い訳としては、消費電力は大きめだが運転時間が短いため、消費電力量は比較的小さく抑えることができると云いたいのでしょう。
しかし、節電の目的は瞬間的に最大となる消費電力を如何に低減させるかですよね。電気料金の低料化ではないのです。電磁調理器は、瞬間的に大量の電力が必要なのです。

ある試算では、厨房用に使われている都市ガスを全部電気（例えば電磁調理器など）に替えると、原発４基分の電力消費量が増える計算になるそうです。
オール電化の住宅が増えると電力需要は確実に増えるのです。
これらの事について、電力業界（マスメディアも含め）は全く触れようとしていません。