アモルの明窓浄几

芦屋・仕舞屋・三輪宝…生噛りの話題を机上で整理します。

映画「ひまわり」

2012年06月25日 | 万帳報
来月の7月28日(土)に芦屋ルナ・ホールで、映画「ひまわり」が上映されます。
詳細は、下記の案内ポスターをご覧ください。

ソ連の広大な大地を埋め尽くす「ひまわり」。観た方は忘れようがないでしょう。
悲惨な戦争の跡地に咲くひまわりは、過去の爪痕を忘れさせようとしているのでしょうか。
私にとっても若かりし頃の忘れられない映画の一本です。

この映画は名作には違いないのですが、ラストで戦場のソ連に残り新しい家族のもとで生きるアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)が、妻ジョヴァンニ(ソフィア・ローレン)の元へ訪れる場面があります。
アントニオは、自分たちの今の運命は、戦争によるものである事をジョヴァンニへ切々と訴え、戦争は残酷だと云うのです。この言葉は不要です。このシーンはカットされるべきでした。二人の表情などを見れば、言葉はなくとも全ては理解できるのです。かえって戦争責任を言葉に出して問うた事が、映画の深みを殺してしまったのではないでしょうか。

舞台は列車で仕事場から帰る夫アントニオが駅に着く場面。迎えに寄り添うソ連妻マーシャとアントニオ。探し求めて遥々ソ連までやってきたジョヴァンニは、その光景を見るや一歩も前へ進めず、だが、足は出発する列車に向かい飛び乗っていた。一言も言葉を交わせずに。このシーンで全ては云い尽くされていました。ラストの懺悔は不要なのです。

くどくどと解説は、それこそ不要ですね。
ストーリーを知りたい方は、ネットで検索されれば沢山あります。
そちらをご覧ください。

まだ一度もご覧になった事のない方。1時間47分の時間の過ごし方としては、この映画鑑賞、無駄にはならないこと請け合います。

尚、ヘンリー・マンシーニのテーマ曲は下記からお聴きになれます。
→ http://www.youtube.com/watch?v=2O6-LLRdwmQ


追伸:私は当映画のひまわりの花を見てから、忘れられず好きな花になりました。
当ブログのテンプレートは「ひまわり」ですが、お気付きになられましたか。
太陽に顔を向け、美しく輝いているひまわり。その根っこの大地には、捕虜たちの声なき声が埋もれているのでしょう。



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