アモルの明窓浄几

芦屋・仕舞屋・三輪宝…生噛りの話題を机上で整理します。

新年を迎え夢をみること

2008年01月06日 | すまいのこと
年賀状は、年始の挨拶に伺うべきところを書面で済ませるためのものですから、松の内の期間内に出せばよいとされていたのですが、何時からか元旦に届くのが習慣化されたおかげで、私のような古き習慣に固守している(イイワケ)者は、後出しジャンケンのように思われているのかも知れません。

さて、初夢に見ると縁起が良いものに「一富士、二鷹、三茄子」ということわざがありまが、皆様はどのような初夢を見られましたでしょうか。
元旦の夜若しくは、二日目の夜に見る夢を初夢というそうですが、縁起が良い初夢を見ると、その一年は吉だそうです。
「しばわんこの和のこころ」(NHK-TV)で知ったのですが、七福神の乗った宝船の絵を枕の下に入れて眠ると良い夢を見るという風習があるそうです。同じように初夢と限ったわけではありませんが、古代ギリシャ人は心の準備が整っている人には、夢を通じてヒーリングメッセージが届くと信じていたようですし、約400年前にドイツ人の先駆的医者であるパラケルスは、「寝床は病人をつくる」と言ったといわれています。夜の心地好い眠りと乱されることのない夢こそが心身の健康に欠かせないのです。

建築家のキャロル=ヴェノリアは、『癒し』について私達は、愛情のこもった関心、リラックスすること、そして日々の生活における非人間的力からの開放、これらへの心からの願いを満たすこと満たされることが癒しであると。そして、身近な住まいの環境こそがその癒しの空間を作り出すベースであるともいっています。

リラックスすること、その癒しの空間を作り出すベースが住まいの環境であると。
昨年末にある記念式典において某芸術大学准教授の講演を拝聴しました。
建築雑誌等にもとり上げられる著名な建築家でも有ります。
自作品の紹介があり、その内のニ作品がスチールをモチーフにした斬新な発想の小住宅でした。
住居そのものがすっぽりと鋼板で覆われたもので、一つは正しく船の家です。
鋼材は、近代産業の象徴であり建築にも広く利用されている代表的建材です。
ヴェノリア女史もその著書で「不活性(化学作用を起こさない)の建材としては、スチールの骨組みが、ある種の過敏症の人にとっては最良の選択です。」ともいっています。

しかし、近年バウビオロギーが発展するとともに開発が進められた分野にエレクトロビオロギーという概念があります。電気物理学の分野が人間・生物にどう影響を与えるかを取り扱ったものです。
建築家の佐々木徳貢氏によると、従来の配電計画や技術では注意を払われていなかった部分にまで気を配ることにより、実質的な効果の非常によくあがるテクニックであり、人間生活の健康に奉仕することが出来ると云います。
彼の著書から具体的な事例を紹介すると。例えば「電磁波」を考慮に入れた配電の計画や正しい材料の選択などです。日本では、電界(電場)と磁界(磁場)を含め広く電磁波と総称していますが、スイスのエレクトロビオロギー協会では、1.電気的変化領域 2.磁気的変化領域 3.静電気領域 4.地球磁場 5.マイクロ波領域の五つに分けて説明しています。
詳細は省略しますが、ここでは鋼材との関係のみ少し触れてみます。
例えば鉄骨造の部屋の中では、電気的変化領域のボルト数値は非常に低い数値を示すそうですが、それはラーメン状の鉄骨がアースの役割を果たし、帯電を地中に逃がしているからだそうです。但し、この場合磁力の影響が問題になると云います。佐々木徳貢氏は、すべての生き物は力強い自然の(地球の)地磁場の中で生活し機能するようにはじめから方向づけられているのであり、この地磁場は決して妨害されてはいけないものだそうです。従って、鉄骨造(鉄筋コンクリート造も同じ)の部屋では、この重要な地球磁場が歪んでいる可能性があると指摘しています。この地球磁場の異常が、寝室で4,000nT(ナノテスラ)/mも測れるとしたら発病の危険性が大有りで、10,000nT/m以上の異常では慢性、変性の病気(癌)になると指摘されています。従って、鉄骨の梁等の直下直上にベッド(寝室)があるようなプランは避け、鉄筋コンクリートの構造壁からは、約40㎝は離してベッドを置くことを推奨しています。

昨年、一昨年と耐震偽装により、構造設計士のエンジニアとしての資質が問われましたが、建築家の資質は如何なのでしょうか。独創的なデザイン性があればこそ建築家と称されるのでしょうが、建築の技術的な部分、更に人間と自然に適合した理性ある建築としてのバウビオロギー(生態建築学)への配慮が無くして、建築が癒しの空間を作り出すベースとはなり得ません。建築主から「彼はデザイナーであって、建築家ではない」という様な辛辣な言葉を浴びないためにも。

私は建築士(家ではない技師)の端くれでありますが、ヴェノリア女史の書籍『呼吸する環境』を読み感銘を受けました。
健康とは、「生命のネットワークに参加し生きること」を知ることであり、「地域、そして地球全体の健康なくして、一人ひとりの人間の健康などといったものは存在しません。逆に自分自身を癒そうとしない人々によって、地球が癒されることもありえないはずです。まずは私たち一人ひとりからのスタートです。」と述べています。

今年は、『偽』の年から『癒し』の年に、まずは私たち一人ひとりからスタートしようではありませんか。


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