あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第160話感想

2016-04-09 00:00:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2016年17号掲載
 掲載順第4位
 第160話 【アリスの想い】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ついさっきまでの思い上がりから急転直下。
 薊の目の前で敗北してしまったことによって、楠は言い逃れのできない窮地に陥ってしまいます。(しかも自分の得意分野で挑んでしまったから尚の事)
 そして薊は勿論、たった一度の敗北も許すつもりは毛頭ありませんでした。
 やっぱりね。
 あのえりなの親なわけだしね。

 譲歩を願い出る梁井は薊のドス黒オーラにあっさり怖気づいてしまうものの、秘書さんは進言。(早くこの人の名前知りたいな)
 秘書さんが言うには、今回の残党狩りで勝てた研究会はアリスの研究会のみとのこと。
 これ何気に重大発言。
 ということは、もし今回の残党狩りに丼研や中華研が入っていたならば彼らは・・・!?





 と、ここで扉絵に・・・って

 幼少アリスかっわいい!!

 もともとぷにソーマを始めとした佐伯先生のぷにキャラ(デフォルメキャラ)は好きでしたが、今回のイラストはこれまで培われてきたぷに技術の集大成です!!(なんだそりゃ)

 このほっぺのふっくら加減が・・・!
 まんまる加減が・・・!
 堪 ら な い ! ! !
 これが幼少創真だったら余裕で昇天。(←アホ)

                    

 そして今回の扉絵も、前回のカラー扉絵を写真立てとして再利用しているという巧い仕掛けに。
 前回の時点でイラストを額縁で囲っていた点も、伏線としてちゃんと働いています。

 それにしてもここ最近の扉絵はほぼアリス尽くしですね~。
 第156話の扉絵でも大変素敵に描かれてたし、前回の扉絵でも活き活きとした可愛い笑顔を見せてくれていたし、そして今回もときたもんだ。
 まあ、これもまた単行本の同梱版の内容にリンクしてくださっているのでしょうね。
 156話目以降が収録されるのは例の単行本第19巻ですもの。





 というわけでアリス嬢、一矢報いた事を最大限に利用して薊を痛烈に煽る煽る(汗)。
 この子も某赤髪主人公と同様に煽りスキル半端ないからな~~~。
 まあ、指摘していた点はまさに私が前回の考察で思っていたものですし、異論は全くありませんが。



 一方その頃、えりなも一色先輩に連れられてアリスがいるD会場へと急いでいました。
 意地を張りるえりなに、内心でツッコむ一色先輩。
 ごもっともです。
 むしろ口に出して言ってやってください。

 そしてここで知ることになる、アリスに対するえりなの考え。

 お☆
 ちゃんと自覚していましたか。
 自分の“罪”を。





 場は戻り、尚も睨み合うアリスと薊。
 それにしてもほんと、薊の笑みって偽物感ありありの貼り付けたような表情ですよね~。

 薊としてはアリスもセントラルに取り込みたかった模様。
 確かにアリスの料理も、薊の理想とする美食にあたる「洗練」タイプですからね。

 この変革を「美食の世界を前へ進めるため」と言う薊。

 いいえ、アンタがしていることは単に己の“箱庭”を作っているだけです。

 全然前になんか進んでいない。
 自分にとって都合の良いものの固定化。
 むしろ停滞。
 何言ってんの。



 頑として薊に反発するアリスに、いよいよ薊は業を煮やし始めます。
 えりなを勝手に連れ去った件についても持ち出す薊。
 まあ、アリスのしたことって軽い誘拐ですからねえ・・・。

 でも流石はアリス嬢。


 一蹴です。



 そしてトドメ。



 ゴーイングマイウェイって凄い、と改めて思う今日この頃。



 思いっきり冷徹に、そして思いっきり子供っぽく、そして最後は毅然と。
 アリスは薊に宣戦布告!!

 よっしゃ!よく言った!!(d(><))


 面と向かって「キライ」と言われたことがショックだったかどうかは定かではないものの(苦笑)、それ以上は語らずに立ち去る薊。
 ですが、去り際に秘書に、楠を呼びだすよう伝えます。
 彼には話があると。



 うわ~~~・・・。嫌な予感しかしない。



 爪を噛み、悔しげな表情を見せる薊。
 早くもその「貼り付けた笑顔」が剥がされ始めている模様です。



 一方、当の楠は創真達に“何か”を感じていました。
 いいところに気付きましたね、楠。
 そう。その“何か”こそが君らにも、そして十傑陣にも無い、[玉の世代]のみが持っているものですよ。



 そうして、えりなが聞いていたことに気付くアリス。
 えりなに背を向けアリスは言うのでした。
 薊が邪魔さえしなければ、自分はえりなともっと仲良くなれていたのにと。

 う~ん、高度なツンデレだ☆

 


 というわけで気持ちのいい締めくくりとなった今回ですが、一つだけ不安要素が残ることになりました。
 それは楠の処分。
 いえ、私としては楠がどうなろうが知ったこっちゃあないんですけども(酷)。
 だって楠は思い上がった自分の発言が見事に己に跳ね返っただけ。
 それこそ自業自得というものです。
 ただそれがアリスに飛び火しそうな予感がするんですよね・・・。
 薊は「切り落とし」よりもある意味残酷な「生殺し」的罰を与えてくる人物ですから。
 間違いなく楠をかなりの苦境に追い詰めることでしょうし、生き残った研究会も放置しておかないことでしょう。

 しかも更に始末が悪いことに、楠は叡山の恨みも買っているんだよなあ・・・。
 彼からも相当酷い嫌がらせを受けることになりそうな気がしてなりません。
 まあ、ここまでくるとさすがにほんの少しは心配になりますが・・・。
 その時にこそ、熊井や小古らとの絆が救いになるかもしれませんね。


 


 

 

 え~~~・・・。

 黒木場に引き続き、今回はアリスが大いに魅せてくれました。

 それはとても良かったです。

 良かったのですが・・・。

 あ~~~~~・・・。


 今回の内容は大きな矛盾点があるんですよね。時系列的な。
 敢えてこのブログでは詳細は控えますが・・・かなりガチな矛盾点ですよこれは。
 「あのシーン」の黒木場をレオノーラあたりに代えれば矛盾は無くなると思うので、単行本で修正されることを切に願っています。





 さて、では切り替えて、と。


 第154話ラストのアリスの言葉をリファインしている内容でしたね、今回は。
 仙左衛門から明かされたアリスとえりなのすれ違いを、今回はアリスの視点から丁寧に掘り下げられていました。

 仙左衛門もえりなも薊によって失墜させられた今、「薙切家の者」として薊に対抗できるのはアリスだけなんですよね。
 でもそれ以上に彼女を突き動かしたのは、えりなへの想いでした。
 元々えりなに対する一種のコンプレックスから寒い世界(北欧)へと旅立ったアリス。
 でもそれ以上にえりなを大切にも想っていたあたり、アリスがいかに良い子かというのを再確認です。

 そうしてようやく取り除かれた、えりなとアリスの長きに渡ったすれ違い。
 今回のラストシーンは過去の「あるシーン」を意識して描かれていたと思われます。
 それは第67話のアリスとえりなの交差。
 敗北したアリスを励ますことなく痛烈な嫌味を放つという、“[氷の女王]の仮面”で接したあの時のえりな。
 そんなえりなに反論らしい反論も出来ず怒るだけで、アリスは立ち去るしかありませんでした。
 でも今は。
 態度はつれなくも、言葉は温かかったアリス。
 そんなアリスに、喜びと驚きという素直な気持ちを“本当の素顔”でえりなは表わすことが出来ていました。
 二人の冷えた関係も、やっと“温もり”を取り戻せたわけです。



 そんなアリスの姿もさることながら、大きく目に留まったのが一色先輩に話したえりなの考え。
 ここのえりなの考えは、私が危惧している「えりなが薊の元に戻る理由」そのものと言えました。
 薊という“元凶”がいなくなってからも、アリスに対してかなりつれない態度を取っていたえりな。
 それは何故か。

 薊の手によって絶たれてしまった、アリスとの交友。
 そして自分もまた薊に従うのみで、アリスとの交友を取り戻そうとしなかった。
 その罪は取り返しのつかない事実であり、無かった事になど決してならない。
 そしてアリスもまた、自分のことを許してくれる筈がない。
 ならばもうその罪を背負ったまま、確執を背負ったまま生きていくしかない。
 そう考えているからこそ、えりなは遠月学園でアリスと再会してからもろくに笑わず、酷い皮肉も口にしていたわけですね。

 とても真面目で高潔だからこそ融通が利かないという、非常にえりならしい考えです。

 えりながこういう子だからこそ尚更、薊の元に戻ってしまう際の理由が今回のような悲観的考えによるものになってしまうのではないかと危ぶまれるんですよね。

 やっぱり思います。
 えりなを本当に苦しめているのは。独りに追い詰めているのは。
 薊でも、上流階級という世界でもなく。
 えりな自身だと。



 創真はそんなえりなを「救ってやってほしい」と仙左衛門から頼まれているわけですが、創真は多分、待ってくれているんですよね。

 えりなが自ら動いてくれることを。

 だからこそ会場へとやって来たえりなを眼にした時、あの反応だったのだと思います。

 実際、最初はアリスに促されて動いたことで。
 そして今度も一色先輩に促されて動いたことで。

 えりなは己の「思い込み」を否定されました。

 否定されたのは己の堅く冷たい「思い込み」。
 代わりに気付かされたわけです。
 温かい気持ちに。




 

 遠月革命編が始まって以降、えりなはあらゆる面でこれまでの自分の“罪”に気付かされています。
 極星寮での生活では、彼女が散々無駄なもの、下賤なものとして見下してきた価値観を。
 そして創真と城一郎との親子関係を知ったことで、創真への数々の侮辱を。
 そして今回、アリスに対して取り続けてきた冷遇を。

 ですが、それら“罪”の対象者達はみな、えりなに大変温かく接してくれています。

 
そして。
 えりなの“罪”を体現する人物はもう一人います。
 それが郁魅。
 創真に敗北したことによって、えりなは彼女を無慈悲に切り捨てた過去があります。
 そこの作劇も一体どう描かれることになるのでしょうか。
 もっとも、月饗祭編(第121話)の様子から見て、郁魅もまたえりなから受けた仕打ちを全く根に持っていないでしょうけども。




 これほど多くの優しさを受け、大切にされているえりな。

 だから。

 だからこそ。

 それでも尚、それらの想いから顔を背け、薊の元へ戻ったならば・・・。

 その時こそ厳しく対峙してもらいたいです。


 他でもない、創真から。

 

 


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