あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第135話感想

2015-09-25 19:20:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2015年43号掲載。
 掲載順第7位
 第135話 【薙切の血族】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前回にて総帥交代という激震が起こった遠月学園。
 でしたが、学生達の学業生活は一見これまでと何ら変わらないように見えました。
 ただし。
 えりなの表情からは、いつもの強気さが全くありませんでしたが。



 このニュースに吉野ら極星陣も一色先輩を問い詰めます。
 ですが一色先輩もこの事は知らなかった模様。
 唐突に思える今回の件も、正式な手順によるもののため何の問題もないとのこと。
 説明を受け、割とすぐに納得する吉野達。

 よく考えたら自分ら生徒には全く関係ないことだし、と笑う吉野。

 ・・・そうか?


 そんな中、伊武崎は一色先輩に新総帥を支持する根回しがされていなかったことを少しだけ気にしていました。
 うん、確かに。
 一色先輩、久我、女木島冬輔ら三人に根回しがされていなかった理由は気になるところですね。
 少なくとも久我は今回の件に不満を抱いている様子。
 それは自分の知らないところで根回しが進んでいたことに対してか、それとも薊が総帥に着任すること自体に対してか・・・。





 その頃、薊は報道メディアの前で総帥着任の挨拶を行なっていました。
 前日の横柄な言動とは打って変わって、爽やかな好男子振りを見せる薊。
 そんな彼の姿に、喜多や安東はあれだけボロを出しておきながら、何を今更猫被りを・・・と不審に思います。

 ですが、千俵おりえは勘付いていました。
 薊は猫を被る気などそもそも無く、昨晩の姿も今日の姿も、彼の本心による言動なのだと。





 挨拶を終え、学園を一通り見て回る薊。
 その中には、汐見ゼミや丼研も。
 ああ・・・これは嫌な予感の暗示・・・。


 そして薊が最初に実行したのは、新戸の解雇。
 えりなは震えながらもなんとか新戸を引きとめようとするものの・・・。
 あえなく、その言葉は失われることに。
 これから一緒に頑張ろうと言われ、大人しく「・・・はい」と答えるえりな。
 その眼にはもう、意思はほとんどありませんでした。

 

あ、こりゃ心折れたわ。

 

ってゆーか。

 

これ完全にマインドコントロールの域だよ。

 

 

 

 所変わって、再び極星寮へ。

 平和なのは今だけかもしれないと言うふみ緒さん。
 今までは分散していたからこそバランスが取れていた十傑という権力図。
 それが今回の件で一気に同じ方向に揃ってしまったため、明確な「勢力」になってしまったと。
 つまり。
 その「勢力」に逆らってしまったら、遠月学園を、ひいては遠月十傑を敵に回してしまうということに。

 はーーー・・・なるほど・・・。
 「紅葉狩り会」で見せていたように、十傑達(特に二年生陣)がてんでバラバラだったのがそういう働きも成していたなんて・・・。
 ただ単に纏まっていれば良い、というわけでもない場合もあるのですね。
 これは感心させられた着眼点でした。



 夕食後、自室に戻る創真。



 

そこにいたのは筋肉

 

・・・じゃなくって、薙切仙左衛門。

 



 このコマ見た瞬間、第20話のザ・インパクトシーンがフラッシュバック☆
 したらば案の定、作者もそれを意図してましたとさ(笑)。


 反射的な創真の行動に仙左衛門殿は的確にフォロー。
 うん、改めて良い味してるお爺様です(笑)。

 突然の来訪を非礼と詫びる仙左衛門。
 いやそれ以前に、よそ様の自室で脱いでたことを詫びましょうよ仙左衛門殿。


 
そして、そこは普通に疑問に思いましょうよ幸平くん。
 ほんと創真って常識さと大物さが最高の比率でブレンドされた子だわー。



 っていうかですね。
 (前)遠月学園トップの仙左衛門の来訪をあっさり受け入れるふみ緒さんって何者!?
 仙左衛門と幼馴染だったとか、料理人として鎬を削り合う戦友だったとかだったりしたら納得しちゃいますからね!(←納得するんかい)




 堂島アニキのインパクトも一瞬で済ましちゃった創真くんだっただけに、今回の仙左衛門のサプライズにもすぐさま対応。(マジで流石だよ創真くん)
 そんな創真に、直接話をするのは初めてだな、と笑む仙左衛門。
 確かに。
 「秋の選抜」の時に一応会話は交わしてますが(本戦第一回戦時)、あの時は審査委員と選手としての質疑応答でしたものね。
 一個人としての対面・会話は確かにこれが初めてです。(^‐^)

 美作の来訪時にも思ったけど、創真って何気に躾が行き届いた子ですよね~。
 一見不躾のようでありながら実は・・・、っていうのが感心できるギャップになってると思います。
 ほんと良いお婿さんになれるよ。(←)



 切り出す仙左衛門。

 

 

城一郎に創真の遠月編入を勧めたのは自分だと。

 

 

 

 外に出ようと仙左衛門は言います。

 確かにその方がいいね、きっと。

 仙左衛門の来訪を知ったら、美作の時以上の聞き耳包囲網が出来上がってしまうこと確定だから(爆)。

 

 


 

 

 【薙切の血族】。
 遠月学園の総帥は代々薙切家の当主が担っている。

 第34話の伏線に気付いておられる読者にとってみれば、今回のサブタイ、そして涼子と吉野の会話には私と同様にきっと違和感を抱かれたことでしょう。
 前回薊の仙左衛門への呼び方を「お“父”さん」と表記していたことといい、まだ製作者側としては薊が薙切家の血縁ではないということを明かすつもりはない模様です。
 確かにこれは非常に重要なポイントですからね・・・。





 そして今回またキャラクターが掘り下げられた薊。

 千俵おりえの分析には至って納得。
 裏表関係なく、自分の本心をそのまま口にしている薊。
 だからこそ、侮辱発言をしても全く弁明もしなければ取り繕いもしないという。
 なるほど。そこが「創真と共通する部分」なんですね。
 始業式での所信表明のシーンが良い例です。
 創真も本当に悪びれずに自分の本心を口にする子ですから。
 ただし。
 創真は相手への見下しは一切ありませんけども。



 一方の千俵なつめの分析に対しては、私はそうは思いませんでした。
 全て自分の思い通りになると信じきっているというより・・・。


 自分の判断は絶対に「正しい」と信じきっているのでは。


 正しい事は社会に通用する。認められる。
 正義は絶対。
 だからこそ、正しい自分の言い分は必ず通用する。

 「新戸をクビ⇒新戸を秘書の責務から解放して、自由にしてあげよう」
 これも正義。
 「えりなの傍に⇒今度は自分がえりなを支え、よりえりなの才能を高めてあげよう」
 これも正義。

 自分の「正義」に微塵の疑いもナシ。
 ただし。
 それが真っ直ぐすぎて、完全に独りよがりなものになっている。


 そこが多分、薊とえりなの最も重要な「共通している部分」。
 
えりなも常に正しくあろうとしている子ですから。
 社会において。調理場において。どんな横暴な発言をしても、高慢な態度をとっても全く悪びれない。
 何故なら、自分が正しいのだから。 


 いうなれば。
 薊はえりなの「究極体」です。


 今は恐怖という「支配」によって何も見えなくなってしまっているえりなですが、いずれ薊の姿を通してかつての自分の振る舞いを突きつけられることになるでしょう。





 遠月学園内を歩き回り、学園の現状を自らの目で確認していた薊。
 それは排除対象の選別。
 いかにも読者の不安を煽らせる形で、それらが描かれていました。

 やはり危惧していたとおり、丼研も挙がってしまっていましたね。
 丼研はえりなも不要と見なして潰そうとしていた研究会でしたから・・・。
 そして汐見ゼミさえも。
 実績的には充分凄い所なのに・・・。
 やはりあの外観が薊の考えにそぐわなかったとか?

 まあ、「郁魅や葉山の薊への反発⇒創真ら庶民派勢と協力」という流れになってくれるのならば個人的には大歓迎ですけども。



 仙左衛門に続き、これまでの役職を奪われてしまった新戸。
 良いチャンスじゃないですか☆
 だって、これからはもう「主」と「従者」じゃないんでしょ?
 これからは「友人」として、えりなと対等に向き合えるわけじゃありませんか。
 こう捉えられるかどうかは新戸次第ですけどね。
 ここはぜひとも創真の言葉を思い出して、頑張ってもらいたいところです。


 ただ、えりなにとってはもはや最後の砦さえも失ってしまったわけですが。
 もはや完全にえりなは精神的な「囚われのお姫サマ」状態です(いや「女王サマ」か?)
 これが一般的な少年漫画なら、当然主人公である創真がえりなを現状から救い出す流れになるのでしょうが・・・。
 私個人としてはそれは望みません。
 恵が最大のピンチに陥った時(四宮編)と同じです。
 安直に助けたんじゃダメ。
 それじゃあ根本的な解決にはなりませんもの。
 だって、薊がえりなの父親であり家族だということは、変えようのない事実なのですから。
 これはある程度、彼女が自分自身で立ち向かわなくてはならない事です。
 なので私としては、創真にはえりなに勇気を出させる役として活躍してもらいたいですね。恵の時と同様に。


 一方でまた心配なのが堂島先輩。
 なにせ彼は城一郎と同様に薊と同世代ですし、遠月学園の役員ですからねえ・・・。
 仙左衛門と同様に薊から権力を奪われるか封じられるかされそうで、気掛かりです。

 ちなみに同じ薙切家に関わる者として、アリスはどう行動するのでしょう?
 薊がえりなに施した「教育」は知らずとも、幼少時にえりなと一緒に暮らしていたアリスから見て、薊はどんな人物だったのか。
 そして、今回の薊の総帥着任にどう思っているのか。
 ある意味で郁魅と同様に「上流階級」と「一般庶民」の間を行き来できるアリスの“自由性”は中々重要なだけに、彼女の動向も気になります。(竜胆先輩が薊派だからアリスには反薊派になって欲しいな)



 こうして色々な場所、様々な人物へのこれからの影響を予感させた今回。
 そんな中、唯一薊(遠月学園)の支配を受けない「特別区域」が存在するわけで。
 それが極星寮。
 第41話(単行本第6巻収録)でさらりと述べられていたことですが、かつて城一郎と堂島先輩が築いた黄金時代によって極星寮は独立採算性を取っているわけですから。
 
そして、そんな独立枠に入居している創真。
 そんな創真の元を訪れた、前総帥薙切仙左衛門。

 うっわ~~~・・・。
 これは気になる気になる。
 次回が超気になります。
 
 創真の遠月学園の編入の合否に仙左衛門が関与していたことは、当初から既に読者に明かされていたことでした。
 編入試験の審査員にえりなが任命されたことも、仙左衛門の計らいだったのであろうことも。
 でしたが、編入を勧めるという、そもそもの切っ掛け自体を作った張本人でもあったとは・・・!
 城一郎を「城一郎」と名前で呼んでいることから見ても、相応の関係が窺える仙左衛門と城一郎。
 このタイミングで仙左衛門は創真に何を話しに来たのでしょう?
 場所を変えようとしていることから、かなり込み入った話になる模様。
 ・・・もし次回の仙左衛門と創真の会話に余計なギャラリーが入ってきたら、そいつに靴投げつけてやる。(←)


 編入試験の時や始業式、そして秋の選抜と、度々創真とえりなの邂逅を離れた所から見守ってきた仙左衛門。
 「原石」達がぶつかり合い磨き合う事を教育理念としている仙左衛門にとって、創真とえりなが対立し合うこともお互いの成長に繋がる事として見てきたことでしょう。
 そして、これからもずっと遠くから見守っていくつもりだった筈。
 しかし、予想だにしていなかった薊による「変革」によって、それが出来なくなってしまったという。
 薊の危険性を知っている仙左衛門は、庶民派である創真がこれからかなりの苦境に立たされるであろうことを告げに来たのかもしれませんね。
 ・・・もし、薊の陰謀によって創真の料理人人生が絶たれることになったりでもしたら、巻き込んだ自分にも責任があるでしょうから・・・。


 附田先生がこれまでずっと、ず~っと引き延ばしてきた創真と仙左衛門のコンタクト。

 なにせ仙左衛門は、この作品中でもトップクラスの事情通ですから。
 長らく遠月学園を治めてきた者として。
 えりなの祖父として。
 城一郎の過去を知る者として。
 仙左衛門は創真に果たして何を語るのでしょうか・・・?

 なんにせよ、次回はこれまで伏せられていた謎の一端が明かされるに違いありません。
 あああ早く読みたい・・・!!!(><)


 


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『食戟のソーマ』第134話感想

2015-09-21 23:40:00 | 食戟のソーマ

 『ソーマ』のアニメイベント開催っすか☆
 折角の『ソーマ』単独のイベントですし、作中の料理を再現したお店とか出そうですね!
 そしてラストで、アニメ第二期制作決定!!とか発表されるんだろうな・・・。(ボソ)

 ・・・・・・・・・・それにしても開催場所といい、あからさまに『七つの●罪』と張り合っているように思えるのは私だけ?(連載開始時期もほぼ同期なんですよねこの2作品)



 そして東京ゲームショウにて『キングダムハーツ』の新作『HD2.8 ファイナルチャプタープロローグ』も発表されましたね~!
 しかもこれまた来年2016年に発売予定とのことで。

 一体全体なんですかこれは。
 2016年はビッグタイトル祭りですか。

 う~~~む、こうなってくると、否が応にもゲームへの熱が高まってくるのですが・・・。
 少なくとも今年一杯は『ソーマ』方面に集中するつもりです。
 それまで我慢、我慢・・・。

 それに、『ソーマ』も●●●で●●●ですし●●●でしょうからね。
            ↑
 (※伏字に何が入るかはご想像にお任せします)



 さ~て、それでは今回もいってみましょう!





 週刊少年ジャンプ2015年42号掲載。
 掲載順第3位
 第134話 【黒雲、月を覆う】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先週の期待感に応えるかのように今回はセンターカラー!!
 ちなみに先週お休みでなければ、丁度アニメの最終回とも合う形になっていたんですよね~。
 原作者側もきっとそれを汲んでくれていたのでしょうに・・・残念。

 で。



 当のセンターカラーは司先輩でした。
 以上。



 ・・・うん。
 司先輩のファンの方御免なさいね。
 でも、正直期待外れだったんだもん。(いや、すっごい綺麗ではあったけど)

 創真を描いて欲しかったとまでは言いませんよ、さすがに。
 でも今回はどこをどう見たって薊でしょ!


 今回で134話目を迎えた本編。
 前回凝視させられた第34話から丁度100話というタイミングの良さだったというのに。
 確かに今回の内容を見れば全くの無関係ではありませんが、それでもこの人選にはいま一つ納得できず。





 まずは山の手エリアで活躍する他の十傑達の模様からスタート。
 結局初日からの売り上げ順位は変動なしだった模様。

 そんな中、茜ヶ久保ももだけ料理ジャンルが判明。
 これはいかにもキャラクターに合った感じですね。
 個人的にこのジャンルは是非とも作品に用いられて欲しかったので、これはかなり嬉しいです♪
 他の十傑達の料理ははっきりと明かされない中(斉藤綜明は和食っぽい?)で唯一明かされたという事は、次に焦点が当たるのは彼女になるのでしょうかね?

 ちなみに気になっていた叡山は他の模擬店のプロデューサーとして暗躍してました。
 自分は裏から口を出すだけで、懐は潤うってか。
 ・・・・・・・・・・。(-_-)
 なんというか。

 ここまで自分の手を汚さないと、逆に何が何でも勝負の場に引きずり落としたくなるなあ。



 十傑達が各方面で腕を振るっている一方で・・・。

 あれま☆

 竜胆先輩が創真達とまだお別れしていなかったとは。

 ちゃっかり者な竜胆先輩に苦笑い。
 でも独り占めせず創真達と山分けしようとしてくれてたあたり、良い先輩ですね。





 そしてようやく、非常に気になるえりなの店の模様へ。

 非常に緊迫した空気の中現れた創真。
 でも当の本人は全く意に介さず周囲にコミュ力発揮しまくり。

 見てるこっちはハラハラ・・・。(><;)

 まったく空気が読めていないように見える創真ですが、この緊迫感に全然気付けていなかったとは思えませんね~。
 なんていうか、創真は感覚的に周囲の雰囲気をちゃんと察知するけども、その空気に全然呑まれない子、と私は思っているので。
 とどのつまり、最強クラスのマイペース主人公ということですな(爆)。

 えりなにも至って自然に声を掛けます。
 学園祭初日に胡椒餅をあげようとした時もそうでしたが、これまで創真のあっけらかんとした笑顔にイラついてばかりだったえりな。
 でもこの時ばかりは、表情に僅かに安堵の色が。
 薊の存在がこの場と共に自身の心までも支配してしまっていた今、のほほんとした普段と何ら変わらない創真の存在は場の空気と共にえりなの心をほんの少しだけ落ち着かせてくれたのでしょうね。


 千俵姉妹、えりなと続き、創真は終いには薊にまで声を掛けてしまいます。 

 あああ~~~!!!
 その男はマズイって!!
 ヤバイって!!(><;;;)


 案の定、思いっきり睨まれました。
 これが創真じゃなくてえりなや恵だったら、呼吸停止してたと思う。(←)


 そんな人を射殺せそうな威圧を受けても微塵も動じない創真様。
 流石です。
 っていうか、創真のこの類の眼久し振りに見たな~。
 深い瞳です。

 創真のそんなお気楽な言動に薊は興ざめさせられ、席を立ちます。

 新戸から、薊がえりなの父親だという事を聞かされる創真と恵。
 そして創真は、えりなの震えに気付くのでした。
 普段のえりなだったら、多少動揺していようが自分の恐怖心を気付かれたら咄嗟にいつもの頑強な「見栄」で隠したことでしょう。気付かれた相手が創真だったなら尚更。
 でも、それすらも出来なかった。
 そんな“鎧”さえも完全に打ち砕かれるほど、薊の存在はえりなの心に非常に深い影を落としている模様です。





 そのまま店を出る薊。



 が。



 薊の周囲を取り囲む多くの車陣。
 どう見たって大犯罪者を包囲する警察の図です(苦笑)。





 そんな大仰な陣営から降り立ったのは、薙切仙左衛門!!
 これは情報が早い。
 えりなの店にいた客の誰かが通報でもしたのでしょうかね?

 そんな一行とほぼ同時に駆け付けた竜胆先輩。
 曰く、仙左衛門達が赴く様子を見かけ、追いかけてきたとのこと。
 まあ、これだけ黒塗りの車が大量に通り過ぎて行ったら野次馬根性も出るよね(笑)。



 対立する薊と仙左衛門。(あれ?薊が仙左衛門を「お義父さん」でなく「お父さん」と呼んでる)
 この言葉の応酬のページは何気に上手いですよね~。
 口元と口元、目と目を交互に描写する構図はさほど珍しくはありませんが、最初の口元以外、だんだん薊のコマが大きくなっているんですよね・・・。
 読み直した後気付き、感心しました。

 そしてページを捲ると仙左衛門の理念がドンっとね。
 本当に見事ですよね~この運び。


 そんな仙左衛門と薊の会話ですが・・・。
 
 えりなの舌を磨き上げたのは薊???
 薊の言葉から察するに、えりなの天性の[神の舌]に薊が更に手をかけて精度を上げた、と取れますが・・・。
 あ~~~~~~~~~~・・・。
 これは・・・。
 うん。
 あれだ。(←どれだ)





 遠月学園の未来を決定するのは若き料理人達であり、薊一人が主張したところで何も変わらない、と言う仙左衛門。(どうでもいいけど、選抜審査員のモブ感半端ないな/爆)
 そんな仙左衛門に、薊は一通の書面を取り出します。



 『遠月十傑評議会』

 それは学園の最高意思決定機関であり、十傑メンバーの過半数が望むことは、そのまま学園の総意となる―――





 その書面は十傑メンバー過半数による、薊の新総帥任命書だったのです!!





 薊の新総帥着任に賛同したのは以下六名。

 第九席:叡山 枝津也
 第六席:紀ノ国 寧々
 第五席:斉藤 綜明
 第四席:茜ヶ久保 もも

 そして

 第二席:小林 竜胆
 第一席:司 瑛士  






 なんという事でしょう。

 

 

 

政権交代です。

 

 

 

 

 ラストの見開き、これは圧巻。
 夜間。多くの車のライト。
 これらの状況を見事に活用させて演出へ・・・!!

 前回に引き続き、
 佐伯先生すげえええええ。

 

 


 

 

 

 

 

遠月に激震です。

 

 

 

 

 ・・・とはいってもまあ、私としては遠月学園に「変革」が起こるであろうことは予測の範疇にあったので、特に驚きはしませんでした。

 驚かされたのは、その「変革」の手段とタイミングの早さ。

 第7話(単行本2巻収録)でも説明されていた、『十傑』の強い権力と特別さ。
 読者もとうに知っていた設定を、まさかこれほどの下剋上として用いてくるとは・・・。

 そしてこの「変革」も、もっと終盤になってから訪れる展開だろうと思っていたんです。創真が三年生になるかならないかの頃かな・・・と。
 それがこうきたもんだ。

 なんかもう、出し惜しみ一切無しでバンバン怒涛の展開を持ち込んでくださいますねこの漫画は。

 面白すぎるぞこんちくしょう。





 前回のラストの引きから、創真の活躍に非常に期待を募らせて迎えた今回。
 でしたが、 薊との初顔合わせという形だけで終わってしまいました。
 正直肩すかし感は否めませんでしたが、重苦しい空気を払ってくれただけでも充分良い働きをしてくれましたよね。(^^)

 創真と薊の邂逅が本当に最低限だったことに関しては、創真が城一郎の息子であることに薊が気付くことに戦々恐々としている私としてはかなり安堵。
 創真は顔立ちはともかく、仕草は城一郎によく似ていますから。
 ヘラ顔なんて見せたら、即バレだったに違いない(核爆)。



 薊を新たな総帥へと推薦し、「変革」に賛同した十傑達。
 少なくとも彼らにとっては、薊の理想とする「教育」がそれぞれの信念もしくは目的に叶っている模様です。
 叡山は間違いなく「金」という利得の為でしょうね。絶対。きっと。間違いなく。(超断言)
 意外だったのが斉藤綜明。
 寡黙そうながらも、十傑の中で一番公明正大そうな印象だったのに・・・。

 そして、その中の一人であった竜胆先輩。
 前回までのその姿は「自由奔放ながらも人懐こい姉貴」というかなり良いイメージだっただけに、今回彼女が取った判断に驚かされた読者はきっと多かったことでしょう。
 まあ、私としては「あやっぱりね☆」といった感じでしたけども。
 第一印象からアリスっぽい小悪魔さを感じ取ってはいましたし、キャラクターが明かされてからも、「面白そう」という理由で行動しそうという印象は変わりませんでしたから。
 ま、女の勘ってヤツですよ。(←)
 ですが、私の竜胆先輩への好感度は些かも下がっていません。(上がってもいませんけど)
 「“変化”を受け入れる」ということ自体は、悪い事ではないと思っていますので。

 「好奇心」という理由で薊を支持した竜胆先輩でしたが、創真も賛同するだろうと思っていた模様。
 もしかしたら、創真の先駆者的姿勢を感じ取っていたのかもしれません。
 うん、流石です。
 ・・・でもね。
 創真は“先駆者”でもありますが、“大地”な子でもあるんですよ。



 十傑メンバーの中でも、よりによって上位陣のほとんどが薊を支持したわけですが、それならば残りの十傑メンバーはというと・・・。
 第十席:薙切 えりな
 第八席:久我 照紀
 第七席:一色 慧
 第三席:女木島 冬輔
 彼ら4名。

 えりなは別として、とりあえず一色先輩が賛同派でなかったことにホッ。
 腹の底は見えない人ですが、それでも人間としても料理人としても信頼できる人物だと思っていますので。
 気になるのが女木島冬輔。
 いまだにキャラクターが不明瞭な十傑メンバーの中で唯一の非賛同派。そしてその非賛同派の中で最も上の席次な人物だけに、彼の考え方や人となりにかなり注目が集まる運びになりました。
 一色先輩や久我の庶民派な姿勢から見るに、彼も庶民的な信念もしくは料理スタイルを持った人物なのでしょうかね・・・?

 もっとも、今回の“変革”そのものを彼らが事前に知っていたかいないかで、事情もまた変わってきますが。(少なくともえりなはきっと知らなかったことでしょう)





 今回の“激震”の首謀者となった薊。
 えりな以上の高級主義と排他的思考を持ち、悠然と相手を侮辱し、しかもそれを全く悪びれない。
 もはや文句の付けようがないほどの見事な悪役振りです。

 ですが。

 正直言って、私にとって薊は非常に都合のいい代役ですね。

 覚えておいででしょうか?
 単行本第5巻感想で私が予想した、創真とえりなの因縁に対する懸念を。

 その際に、創真は本人が意図せずとも、えりなの“聖域”をことごとく侵害してしまう存在になってしまうであろうと予想していた私。
 そしてえりなは自分のこれまでの「世界」の変化を受け入れられず、創真を全ての元凶として排除しかねないのではないかと。

 これまで示されてきたえりなの“聖域”は約三つ。
 遠月学園。
 自分の料理。
 そして、城一郎という憧れ。

 そんなえりなの「“聖域”の侵害」を、薊はどんどんしでかしてしまっているんですよね。
 前回では城一郎のためにと取っておいた卓席を横取りされてしまい。
 そしてまた今回も、遠月学園という“聖域”をこのような形で支配されてしまいました。
 あと残っているのは「自分の料理」ぐらいですが、かつて料理の教育も薊から受けていたことを考えると、この点ももはや危ういです。

 しかも、最年少で議会入りしたという自分の大きなステータスの一つであった「十傑」。
 自分も所属しているその機関が、祖父を失墜させてしまったという。
 今回の件で、えりなのアイデンテティーは大きく揺るがされてしまう事に。

 ひょっとしたら創真がえりなにしてしまっていたかもしれない部分を、丁度代役のように果たしている薊。
 本来ならば、そんな自分の“聖域”をことごとく侵した相手に、えりなが黙っている筈はないでしょう。
 ですが薊は非常に深い恐怖という「支配」で、彼女自身の意思を封じてしまっているという。



 このように創真の代役を務めているかのように行動している薊ですが、同時にえりなの代役も務めることになるでしょうね。
 散々述べたように、非常に極端な高級・上流主義者であり、自分の理念や理想にそぐわないものは徹底的に認めない薊。
 総帥という最高権力者の座に就いた以上、これまで敢えて作者がえりなに行わせなかった庶民的料理の徹底排除が実行されてしまうことでしょう。
 
 そして何より、えりな以上に創真を敵視してくるに違いないかと。
 それは勿論、創真が薊の理想と真逆の存在という事もありますが、創真は薊のコンプレックスを浮き彫りにさせる存在になり得るからです。

 自分の「血」だけでなく、薊は「教育」を通して自分の考えや理念をもえりなに刻み込ませている模様。
 それはまるで、えりなを自分の「完全な分身」に仕立て上げようとしているかの如く。
 ひょっとしたら薊はえりなという存在を介して、自分の存在価値を立証したいのかもしれません。

 家柄も、才能も、食の世界において最高レベルの存在であるえりな。
 そんな“特別”な存在を作り出した自分もまた、“特別”な存在なのだと。

 だからあんなにもえりなに執着し、えりなにとって自分の存在を絶対的なものにさせようとしているのかも。
 そんなのは私から言わせれば、子どもを利用して自分のコンプレックスを隠そうとしている愚行にしか思えませんが。

 それだけに。
 そんな自分が作りだした「最高傑作」の“完璧さ”を脅かすような存在がいたならば、完全に自分の敵として排除しようとするに間違いありません。
 もし薊が城一郎に対してコンプレックスのようなものを抱いていたとしたならば、尚更。
 只でさえ、えりなは薊ではなく城一郎の方を優れた料理人として尊敬しているという「地雷」が既に敷かれてしまっていますしね。


 今回の仙左衛門との会話の中で、薊はえりなの[神の舌]にさえも関わっていることが判明しました。
 この事は、上記の考察を更に裏付けさせましたね。
 そこまでえりなの「武器」の全てに関わっているならば、逆に言えばそれさえも脅かされてしまったら、薊の「教育」は完全に失墜させられるだろうと。
 第90話感想小説版第一弾感想(吉野編の総評)で既に述べさせて頂いてますが・・・。
 私は、創真の味覚のポテンシャルはえりなに匹敵しうると考えていますので。



 創真とえりなの「対立」はともかく、あまりにも深刻に「敵対」してしまうのは嫌だった私としては、薊という存在の登場はむしろ好都合でした。
 でもこれはメタ的な視点による考え。
 創真達にとって今回の事件は、自分らの今後に関わる非常に重大な出来事です。

 次回から、薊の言う「理想の教育」とやらが実行に移されるのでしょうね。
 ひとまず創真は静観しそうですが・・・。
 次回からの展開が色々と心配です。 

 


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『食戟のソーマ』第133話感想

2015-09-11 00:15:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2015年41号掲載。
 掲載順第7位
 第133話 【翳りゆく食卓】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 えりなの模擬店に突然来訪した人物。
 それはえりなの父でした。

 新戸の制止も聞かずえりなの父は店に入り、客層を一瞥後・・・。

 堂々と客への侮辱発言を放ちます。

 当然ながら、その発言に怒り立つ客達。
 その中には、「秋の選抜」の予選で審査員を務めた者達も。(香田さんがいないのはアニメに合わせてるからでしょうか?・・・残念★)
 ですがえりなの父親と気付くやいなや、一様に驚きの表情に。

 えりなの父親は、何年も前に遠月から追放されていたのでした。

 薙切家において完全に存在を消去され、実の娘であるえりなが酷く怯える。
 その男の名は、『薙切 薊』。

 なきり あざみ・・・。

 薊?

 

 

!!!!!

 

 

 (すぐさま第34話ラスト(単行本第5巻収録)を確認!!)

 

 

 

 

えーーーーー!!!???
 

 

 

 

 【堂島世代十傑リスト】

 第一席:堂島 銀

 第二席:才波 城一郎
 第三席:中村 

 

 マ ジ か ・・・ !

 

 うっわ~~~。まさかここでこんな伏線が明かされるとは・・・!
 第34話をリアルタイムで読んだ時もその因縁に驚愕させられましたが、今回もまた見事に驚愕させられてしまいましたよ。
 改めて、第34話の【遠月を巡る因縁】というサブタイトルの意味深さをつくづく思い知らされます。
 ・・・なんか附田先生の「してやったり」な顔が思い浮かぶのは気のせい?


 よほどヤバい人物なのでしょうか?
 怖気づく客達。
 ですが、千俵姉妹は薊の無礼な発言に反論します。
 お姉ちゃんナイスぅ。
 でもって。
 妹ちゃんナイスぅ(苦笑)。

 遠月学園と正式に提携している自分達を侮辱することは遠月を貶めることと同じと、なお反論する千俵なつめ。
 そんななつめに薊は言います。

 だから自分は遠月をあるべき姿へ正しに来たと。


 ですが、遠月を追放された薊には、遠月を動かす権限は一切ない筈。

 そんな薊はえりなを見ます。
 血と教育は其処にあると。

 そしてえりなの料理の腕を見ようとする薊。
 そんな薊に、飛び入りの客はお断りと止めようとする新戸でしたが、薊は卓がひとつ空いているのを見付けます。

 それは、えりなが城一郎のためにと空けておいた席。

 止めようとするえりな。

 ドライに捉えれば、城一郎が必ず来る保証なんて無いのですから、薊に座らせても別に構わないんですよね。
 でもえりなは嫌だった。
 それは自分にとって特別に大切な想いを侵害されることと同義だったから。

 しかしながら。
 そんなえりなの制止を無視し、薊はその卓に着いてしまったという。



 もはや完全に心が折れ、薊の言われるがままに従ってしまいそうになったその時。

 開かれる扉。

 その人物を目にした新戸は、晴れるような笑顔に。









 えりなに掛かる呑気な声。





 「・・・幸平・・・・・くん・・・・・・・・・・?」

 


 
 
 


 

 

 

 その胡椒餅はいつ焼いたの?
 恵は何処?

 といったツッコミなんてもうどうでもいいです。

 

次回の展開が気になってしょうがない!!!

 

 

 もう惹き付けられた惹き付けられた。
 ページを捲るのがもどかしいほどでした。



 冷静な観点で見れば、只のいち学生がやって来ただけ。
 なのに、これほどまでにこの空気を変えてくれると期待が湧いてしょうがないのは、他でもない創真だから。


 本当に、新戸の表情が全てですよ。
 っていうか新戸、過去最高に可愛い笑顔だな!!!
 そんな表情を創真が来た時にしてくれたっていうのが、もう嬉しい限り♪
 でも新戸があんな輝くような顔になるのも当然でしょう。
 なにせ彼は「快刀乱麻」。(by第108話)
 もはや新戸は創真を本当に信頼してくれているのですね。
 並外れたコミュニケーション能力もさることながら、自然と人の信頼を得ていく人間性も創真の最大級の長所だと思います。





 さて、非常に内容の濃かった今回ですが、順を追って考察してみましょう。


 冒頭で語られていた、えりなと城一郎との過去。
 第131話で描かれていた回想の内容が判明する形となっていましたね。

 城一郎を「才波さま」と呼んでいたえりな。
 既にこの頃には「幸平」姓になっている筈ですが、どうやら有名料理人としては「才波」を名乗っていたことが窺われます。
 極星寮を訪れた時も暗に「才波」とは呼ばないでほしいと一色先輩に言ってましたし、「才波城一郎 = 幸平城一郎」ということはあまり知られたくない事なのでしょうね。
 それは何故か。
 勿論息子である創真の事もあるでしょう。
 そして今回、他にもその理由を憶測させられる新たな事実が明かされるわけです。

 

 えりなの料理をご馳走して貰うという約束を交わしていた城一郎。
 それがいつかというと。
 えりながいい料理人になった時。
 「いい料理人」。
 城一郎が言うこの言葉は、特別な意味が含まれています。

 それはこの作品の読者ならほとんどの方がご存知である通り、「特別に大切な人(異性)に自分の料理の全てを捧げたいと思えるようになること」。
 これは暗に、えりなにも「特別な異性」の存在が必要ということが課せられたということではないのでしょうか?
 現状のところ、えりなにとって「特別な人」は発言者である城一郎本人ですが、番外編で明かされている通りその想いは“憧れ”です。
 創真は勿論、えりなもまだ分かっていないこの言葉の意味。
 憧れや尊敬ではなく、本当の恋愛の意味でえりなは自分にとっての「特別な人」を探していかなければならないのでしょうね。



 そして外せないのが、えりなの実父『薙切薊』。
 まあ、なんつーか。

 

 

やっぱり親子だね★★★

 

 

 この尊大さ。不遜さ。
 超上から目線。
 平気で他者を侮辱する姿勢。
 排他的で否定的な考え。

 最近はなりを潜めていますが、
 見事なまでに初期の頃のえりなと同じです。

 ただ、えりなは「氷」に対し、薊のイメージは「闇」ですが。
 そんな彼のダークネスさの描写の極みが、「餌」発言のシーン。
 すげえええ。
 佐伯先生すげえええ。
 これ、アニメじゃ表現できないんじゃ・・・?
 ちょっと本気でそう思えてしまうぐらい、物凄い描写だったと思います。
 前回の「白」の描写が印象的だっただけに、対照的な今回のこの「黒」の描写は尚更インパクトがありました。


 そして読者のみが気付く、驚愕の事実。
 彼もまた、城一郎の過去に大きく関わる人物だったとは。
 姓が違うという事は婿入りしたのですか。
 そこも城一郎と一緒ですね。

 そんな城一郎と因縁浅からぬ関係であろうと思われる薊。
 こうなってくると、城一郎が遠月学園を卒業していないこと(第41話)、そして遠月を訪れた用事(第44話)との関連性も気になってくるところです。


 一方で、普段の振る舞いからは想像もつかないほどの怯えを見せているえりな。
 その恐怖の原因は薊であることは、火を見るより明らかです。

 久し振りの対面だった模様ですが、まさか薊が遠月から追放されていたとは・・・。
 彼の初登場時には、「父親が存命しているならなんでえりなはあれほどまでに薙切家の後継者として肩ひじ張っているのだろう?」と疑問に思ったものでしたが、なるほど、存在を消されていたのならばそれも納得です。

 父子の対面というと、思い出されるのが城一郎が創真を激励しに極星寮を訪れた時。
 あの時創真と城一郎は料理勝負という“語り合い”を交わしました。
 この度のえりなと薊の邂逅には、勝負や対決は交わされていません。
 というよりも。
 “交流”そのものが成立していないという。
 自分の意思だけを一方的に述べるくせに、娘の精一杯の意思表示は完全無視。
 それが愛する娘への態度なのかと本気で聞きたい。

 そんな態度の一方で、えりなの品位がどうこうと言っていた薊。
 どうやら薊は相当な偏愛をえりなに抱いているようですね。
 遠月を正しに来たという薊。
 自分の理想。自分の野望を実現するために。
 そして、その実現のためにはえりなが必須の模様。
 食の世界の銘家である薙切家の血を引き、[神の舌]という天性の才能を持って産まれた・・・いえ、「産まれてしまった」えりな。
 自分の“血”と“理念”を受け継ぐ最高の存在として、薊はえりなを自分の意のままに操ろうとしているのでは。
 そのために過去にえりなに施した「教育」がえりなのトラウマとなり、彼が遠月を追放される原因となったであろうことはまず間違いないでしょう。

 それが如実に示されているのが、えりなに空腹だと言う薊のコマです。


この描写・・・完全にえりなが薊の「傀儡」と化してますよ。


 本当に、一体何をえりなにやらかしたんだ薊・・・。


 自分の夢を子どもに託す、と言えば聞こえは良いですが、これは完全に方向性を間違っています。

 城一郎の来訪時に判明した、創真のバックボーン。
 そして今回薊の来訪によって、えりなのバックボーンもまた大きく明かされることになりそうです。





 さて・・・!

 否が応にも期待が高まる次回は上手い事にセンターカラー!!
 果たしてどんな展開が待ち受けているのでしょうか?

 考えられるものとしては、
 ①薊と相席になり、えりなの料理を食する。
 ②薊の料理を食べることになる。
 ③創真が料理を作って、薊に出すことになる。
 これら三点が考えられます。

 ①については、今回暴露したように、薊は食の重鎮である筈の者達でさえ「相応しくない」と言ってえりなの料理を食すことを認可していません。
 そんな彼が、一般庶民でいち学生という身分である創真がえりなの料理を食べることはまず許さないでしょう。
 個人的にも、創真が食べる初めてのえりなの料理がこんな精神状態の品というのは嫌ですしね。

 ②については、「格の違いを見せてあげよう」とかいう展開で、ありえなくはないかも。
 まあ、「僕が手を下すまでもない」とか言う可能性もありますが。

 ③については、まずありえないでしょうね。
 限られた人間以外が食べる料理を「餌」とまで侮蔑する薊が、きっと見下すであろう創真の料理を食べるとは到底思えません。

 以上の推測と、前回ラストの恵の言葉から考えると、一番可能性が高いのは②と思います。
 もしそんな運びとなった場合、個人的に期待している妄想があったり。
 創真が薊の料理を食すことになったら、きっと創真はその凄さに驚かされることになるでしょう。

 けど。

 「つまんねー料理っすね。」

 とか言ってくれちゃったりして♪
 あ、「おはだけ」もしません。当然ながら。

 いわゆる原点回帰です。
 高級。特別。品格。完璧。
 そういったものを至上とし、自分の価値観に当て嵌まらないものは徹底的に見下す薊。
 そんな初期の頃のえりなによく相似している薊に創真がそんな言葉を言い放ってくれたなら、個人的には「よく言った!!!(Σd(><))」と全力でサムズアップです。

 私がこう妄想したのは、今回ラストに登場した創真の姿が読切版の創真の初登場時と重なったから。
 読切版ではゲソを咥えて登場した創真。
 そんな彼の庶民性・野暮性をリンクさせるために、創真の手に胡椒餅を持たせたのではないのでしょうか。
 さすがに今の創真にゲソを咥えさせるのは無理がありますからね(苦笑)。(だいぶ前から咥えなくなったし)



 追放された立場でありながら、再び遠月に現れた薊。
 という事は、何かしらの「権力」を手にしているという事です。
 ですが、どんな権力を前にしようが、立場の差があろうが、そんなもの一切通用しないのが創真ですからね。
 本当に、創真のこういう無粋なまでのマイペースさがこんなにも頼もしく思えるとは・・・(惚れ惚れ)。 

 ただひとつ心配なのが、薊が城一郎の姓が「幸平」に変わっているのを知っているかどうか。ひいては創真が城一郎の息子だという事に気付くかどうかということ。
 城一郎と親しい間柄である堂島先輩やふみ緒さんも知らなかったことを考えると、薊がそれを知っている可能性は低いでしょうね。
 ・・・というより・・・。
 これは勘ですが、薊がそれを知ってしまったら、えりながそれを知る事以上に深刻な地雷になってしまう気がして仕方ありません。         
 自分の“血”と“教育”を受け継いだ存在であるえりな。
 そんな自分の娘と同世代に、城一郎の“血”と“教育”を受け継いでいる存在がいると知ったら・・・?
 今の時点では薊と城一郎の仲がどんなものだったかは不明ですが、個人的には嫌な予感しかしません。




 ラストに全てを持っていった主人公。
 遠月に現れた「闇」に、[春の嵐]がどう相対するのか・・・。
 必見です。








 




 

 最後に、薊の言い分について少々。
 絶句レベルだった、彼の「料理」に対する考え。
 もはや「アンタ何様?」としか言えないものでした。

 

 

 

 

 でも。

 

 

 

 

 

 一部ですが、分からなくはないのですよね。

 

 

 実際私も、料理の価値基準というものがよく分からない人間なものでして。

 作中で例を挙げるならば、アリスの分子料理とかがそれにあたります。
 リアルにおいても、世界の有名料理人が作ったという料理を見ても、あまりに洗練され過ぎていて正直「食べたい」と思えない品が時々あります。
 実際食べてみても「評判ほどの味じゃない・・・」と感じる時も正直なところあります。
 ごく一部の人間のみが理解でき、大半の人間が本当の意味で理解できていない「美食」がある。
 それは確かに事実だと思います。

 

 

 

 

 

 けど。

 

 

 

 

 

 

だからこそ、全ての人が等しく「美味しい」と分かり合える料理が作れたら、それこそ最高でしょうね。(^^)

 

 

  

  


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『食戟のソーマ』第132話感想

2015-09-08 00:10:00 | 食戟のソーマ

 遅れてすみませんでした。
 あ、そういえば来月単行本15巻と一緒に小説版第4弾も発売とか。
 アルディーニ兄弟がメインとのことですが・・・、はて?
 「アニメフェスタ2015」での『ソーマ』アニメの内容といい、四宮の次はアルディーニ兄弟を製作者側はプッシュし始めたのでしょうかね?(←こらこらこら)
 
 さて、それはさておき今回もいってみましょー。





 週刊少年ジャンプ2015年40号掲載。
 掲載順第4位
 第132話 【第一席の力】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 竜胆先輩に誘われ、司先輩の料理を知るべく山の手エリアへとやってきた創真と恵。

 そこはまさに別世界☆

 本当に高校の学園祭なんて規模じゃありませんよコレ・・・。


 っていうか、恵も一緒にやってきたけど、美作は?
 あんなにも力を貸してくれたのに一緒に来てないなんて、ちょっとなあ~~~。

 それに加えて、なにげ~~~にうやむやにされちゃってますが、結局5日目の売り上げは久我に勝てたのでしょうかね?
 これで勝てていなかったら、それこそ4日目の勝利は仲間達による予想外の協力が無ければ不可能だったことになってしまうのですが・・・。うむむむむ。



 まあ・・・、とりあえず切り替えて、と。

 高そうな店ばかりの山の手エリア。
 そんな所にある司先輩の店も当然高価でしょうに、創真と恵の分をおごってくれるという竜胆先輩。
 う~ん太っ腹☆
 セレブが大半を占める遠月学園ですが、やっぱり竜胆先輩もお嬢様なんでしょうかね?

 そんな竜胆先輩。
 ・・・・・うん。
 前回冒頭の食べっぷりや、創真や久我の店の料理も食していたことからな~んとなく予感してましたが・・・。
 やっぱ全店舗食べ回っていたか☆
 「姉キャラ」としてだけでなく、「大食いキャラ」としても確立した竜胆先輩。
 この大食いスキルが、彼女の料理人としてのスキルにも関わっていたりしたら面白そう。
 「味の経験値」が豊富な人物というとえりなが筆頭に挙がるでしょうが、えりなが食しているのは洗練された高級料理のみ。
 そんなえりなと違って、竜胆先輩は高級料理からジャンクフードまで万遍無い食経験を持っていそうですから。





 かくして、司先輩の店へ。
 案の定、軽いシン●レラ城のような建物でした。

 なのに。

 数はたった三つと、超小規模。
 だったらこんなデカい店構えにする必要なんて無かったんじゃ・・・。
 ・・・とツッコむのは野暮でしょうか?


 これほどまでに客席数が少ないのは、九品ものコースメニューを全部司先輩一人で調理しているため。
 なるほど、それじゃあ売り上げトップにはならないわけです。

 とはいえ、ただでさえ調理手順のタイミングがシビアなコース料理で、なおかつ九品というかなり多い品数を自分一人だけでこなすには、相当な実力と自信が必要なはず・・・。
 と思いきや。
 いかにも司先輩らしい理由だったり(苦笑)。


 そうしてまず最初に出された品はというと、桜エビが用いられたものでした。
 桜エビ?
 その名の通り春のイメージの食材ですが、それを秋に?

 口にする創真。
 その瞬間―――

 

 

 

 おお・・・。

 

 

 

 これは・・・。
 今までありそうでなかった演出です。
 元々“静”と“動”の用い方が非常に秀逸なこの作品。
 ですがこれまで実食リアクションにおいては、そのほとんどが“動”の演出だったんですよね。
 それが今回、現第一席の料理のリアクションという満を持した形で、“静”の演出で表現されました。

 口にした瞬間陥る、白い世界。
 そこにあるのは自分と「料理」だけ。
 そんな静寂の中、皿の上で唯一の“音”と“動”を放つ桜エビ。

 極めてシンプルだからこそ鮮烈に映えるインパクト

 桜エビ、ひいてはその料理がどれだけ印象的な品なのかが如実に伝わってきます。



 そしてページを捲ると、その“静”の演出の対として、“動”の演出の代表格「おはだけ」が襲うという隙の無さ。
 まあ、創真が「おはだけ」してしまうであろうことはあらかじめ覚悟してました、ええ。
 現第一席の料理なわけですしね。さすがにこれは仕方ないよね。
 それにアニメと違って●●●を晒すなんて暴挙はしでかしてないし。
 純粋に、ここの創真のモグモグ顔は髪の舞い上がり具合も伴って可愛かったですv



 現第一席司瑛士の料理。
 それは食材が生きていた時よりも鮮烈な印象で迫ってくる料理でした。

 そんなとてつもない料理を作ることが出来るというのに、当のご本人は待遇に不備は無いかとあわあわあわ(笑)。
 う~ん、ギャップが激しいな。(^^;A)
 ま、恵も将来こんな感じの料理人になりそうだけど。

 司先輩の素材の目利き力には、竜胆先輩も称賛。
 身体的スキルにおいてえりなが「舌」、葉山が「鼻」なら、司先輩は「目」といったところでしょうか。

 ただ、竜胆先輩はもっと司先輩自身の“熱”が載った皿を味わいたい模様。
 ここの竜胆先輩は個人的に印象的でした。
 確かな箔が感じられる表情というか。
 同じ料理人という仲間としてか。それともライバルとしてか。司先輩にきっと足りないであろうものを指摘し、求める竜胆先輩。
 流石は第二席・・・といったところです。

 堂島先輩と城一郎は親友兼ライバル、四宮と水原はケンカ仲間(笑)といった関係が築かれている、これまでの歴史の中での第一席と第二席。
 陰気な司先輩に対し陽気な竜胆先輩と、対照的な二人。
 仲は良さ気ですが、この第一席と第二席はどんな関係が築かれているのでしょうね?


 でもそんな竜胆先輩の言葉に首を振る司先輩。
 なぜなら、“自分”を消すことが「司瑛士の料理」だから。
 なるほど。
 究極の域までに素材の良さだけを追及する。誰も真似できない程に。
 それがイコール自分にしか作れない料理になる、というわけですか。
 う~む、そういう考えも確かにありますね。
 我の主張が強い料理人が多い中、こういう考えは結構新鮮かも。



 そんな徹底した食材に対する尊重と献身さから、司先輩はいつしかこう呼ばれるように。

 『食卓の白騎士(ターフェル・ウ゛ァイスリッター)』と。

 ドイツ語ですか☆
 ちなみに英語だと「テーブルズ・ホワイトナイト」・・・。
 うん。
 ドイツ語の方が威厳があるね。(←)


 そんな厨二病満々な二つ名を聞いても、創真は引きもしなければ、笑いもしませんでした。
 何故なら――― 
 

 相変わらず流石ですね創真。
 この着目点の鋭さは本当に大したものです。

 創真の言葉で気付かされ、戦慄する恵。
 あれほど弱気で自信なさ気でありながら、料理に関しては一切伺っていないことに。
 それは一人の人間としての性格を遥かに凌駕するほど、料理人としては絶対的な自信を持っているという表れ。
 そんな人物が十傑の第一席という事実を、創真達は思い知らされるのでした。





 店を後にする創真と恵。
 竜胆先輩ともここでお別れ。(またの再登場をお待ちしていまーす)

 司先輩の実力に圧倒されてしまった恵に対し、創真はというと・・・。

 燃えまくってました。(^^;;;A)

 「ぼうぼう」でも「めらめら」でもなく「ごんごん」ってか(大苦笑)。
 初めて見ましたよ、そんなオノマトペ。


 火が付いてしまった創真は他の店も見て回りたいと思うものの、高級店ばかりの山の手エリアでは予算的に不可能なものが。
 そんな時創真が思いついたのは、えりなの店。

 学園祭初日の夜に一年生陣が集まった際(第126話)、創真はえりなに胡椒餅をあげていたのでした。
 おお!
 胡椒餅の縁が用いられましたか☆
 っていうか強引に持たせてたのね(笑)。
 えりなも皆と同じように創真の料理を食べてもらいたいと願っていた私としては、この事は嬉しく思えました。
 押しに弱いえりなサマは嫌いじゃないよ♪
 創真もえりなが本気で嫌がっていないと察したからこそ、少々無理矢理にでも持たせたんだろうな~。
 創真のこういう温かい強引さ好きですよ。(^^)



 かくして、少々頼りないツテですが(苦笑)、えりなの店へと向かう創真と恵。
 すると、なにやら騒がしい様子・・・?





 ああ・・・これは嵐の予感がバリバリです・・・。

 

 


 

 

 
 流石というか。
 相変わらずというか。

 やっぱりこの作品の演出力はズバ抜けたものがありますね。

 今回は現第一席である司瑛士という料理人に、その演出力が遺憾なく発揮されていました。

 演出だけでなく、構成や作画においても司先輩を引き立てる巧妙な力の入れようがしかと感じられるのがまた凄いところ。
 それら全てに共通していたのは「静と動の対比」。
 演出面では白い静寂という究極の“静”と、勢いよくはだける“動”というリアクションの対比。
 作画面ではオロオロと不安げな、いかにも頼りなさそうな姿を描く一方で、[食卓の白騎士]としての姿はその名に恥じぬ気高く凛々しいもので。
 そして構成面では、自信なさげで動じまくりな言動を印象付けさせた後、見過ごしそうな些細な点を恵を介して読者にも気付かせるという事で、実は不動の自信を持っているという戦慄させられるまでのギャップを。
 それぞれの面で、印象的な効果を伴って描かれていました。



 そんな司先輩の料理人としての自信だけでなく、当然のことながらその実力にも畏怖された創真。
 遠月学園に編入してから、葉山のカレーや久我の麻婆豆腐のような本格的な料理を度々口にしてきた創真ですが、本格的なコース料理は一応今回が初めて。(「地獄の合宿」ラストの宴でも食べてはいましたが、あの時は多分卒業生達それぞれの持ち味が盛り込まれた品で構成されていたでしょうから、全体のテーマ性はあまり無かったものと思われるので)
 
 小気味よくリズムを変えつつも、全体の調和は乱れない。
 それはまさに“交響曲”。
 コース料理というと、「前菜」「メイン」といったそれぞれの役割の品によって構成される提供形式と単純に捉えていただけに、改めて説明されてその奥深さにつくづく考え直されました。
 確かにこれは創真がこれまで作ってきた「一皿」で完結する料理とは、別次元の難易度です。

 創真も四宮の店でのスタジエール研修でコース料理は経験していますが、あの時は「作る側」でした。
 やはり「食べる側」に立ってみて初めて分かる事も多いですよね・・・。
 今回本格的なコース料理の奥深さを体験した創真でしたが、そのうち創真も全品オリジナルのコース料理を作ることになるのでしょうか?
 想像はしにくいのですが、その分どんなものを作ってくれるのかという期待感も持てる分、そんな展開が来るのを楽しみにしています。





 さて。
 
今回は一話ほぼ丸々使っての司先輩の人物紹介のような内容だったこともありますし、『司 瑛士』という人物について私の印象を織り交ぜてのキャラクター考察と、彼と創真が今後どんな関わりを持つことになるのか予想を立ててみたいと思います。


 「紅葉狩り会」でようやく登場した十傑第一席『司 瑛士』。
 第118話感想にて彼の第一印象を「白(透明)」と述べさせてもらいましたが、それは彼の料理人としての信条を反映させていたのですね。
 “自分”を消し去る料理人。
 だから彼のルックスも限りなく「白(透明)」に近づけた、と。
 そんな彼は遠月学生のトップという立場とはミスマッチなほどに弱気で低姿勢で心配性でネガティブと、非常に恵属性な人物でした。

 その反面、調理場に立つ姿は別人のように凛とした佇まいだったという。

 一人で料理することに不安は一切無い。
 なのに。
 他者と料理することは不安で怖くて仕方ない。

 ギャグチックに描かれていましたが、ミスを恐れて調理を任せられないというのは、他者を信頼していないという事ですよね?
 
この点は明らかにえりなと共通する部分です。

 「一人の人間」としては恵寄り。
 「料理人」としてはえりな寄り。
 やはり司先輩は他の主要キャラクターと同様に、恵とえりなそれぞれのファクターが取り入れられているキャラクターでした。



 そんな恵とえりなとの共通点が見られる司先輩。
 一方で肝心の創真との共通点は見られません。今のところ。
 ただ、その「料理」においては創真と対照的な部分があると言えます。
 ただひたすらに素材の魅力を研ぎ澄まし、自分という“熱”は一切皿に載せないというのが司先輩の調理スタイル。
 いわば素材主義。

 対して創真は、素材のみに囚われないタイプ。
 言うなれば・・・そうですね、料理主義。
 勿論手に入れられる範疇で一番良い物を用いようとはしますが、相手の食材の品質に至らない場合は、己の発想と工夫で補おうとします。
 郁魅戦や秋の選抜決勝戦の場合が丁度それにあたりますね。
 そんな創真の調理スタイルの柱である「発想と工夫」。
 それ自体が創真自身という“熱”なわけで。

 “熱”の無い皿と、“熱”のある皿。

 これはなかなか面白い対照性だと思っています。



 それに・・・。

 “自分”を消すことが自分の料理と言う司先輩ですが、
私としては「司先輩は料理を通して伝えたいことは無いのかな・・・?」と思ってしまうんですよね。

 だから、きっと創真はこれからの司先輩との関わりの中で、彼に“熱”という影響を与えていくことと思います。
 実際、彼によって“熱”が付けられた人物は既に何人かいますしね。(^m^)

 そして。
 創真もまた逆に、司先輩から料理に“自分”を載せることの意味を考えさせられることになるのでは?
 それが自分だけの料理[スペシャリテ]に、また繋がっていくものと思います。






 そんな「白の象徴」に続いて、今度は「黒の権化」と対峙することになりそう。
 果たして「一生忘れられない料理人」とは誰のことなのでしょう?
 えりなでしょうか?
 それとも。
 えりなの父親なのでしょうか?  

 

 


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衝撃・・・!!!

2015-09-07 11:45:00 | 食戟のソーマ

 今週の『ソーマ』。早速見ました。

 したらば。

 

 

 

 

!!!!!

 

 

 

 

 ジャンプ本誌を購入なされた方は、宜しければ第34話ラストをご覧ください・・・!!!
 第34話がどれだけ重要な話だったか、再認識させられること間違い無し!!

 

 

 

 

 やー・・・。
 それにしても最後に全てを持っていくとは、やっぱり創真さんだわ~☆主人公だわ~☆

 

 


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